韓国メディア「先に日本を訪問して日韓関係をアピールすれば、対米交渉で有利になる」

訪米するまえに、訪日して石破茂総理との首脳会談を予定している、李在明大統領。このことで、複数のメディアが「なぜ米国の前に日本から行くのか」という趣旨の記事を載せています。その中の1つですが、「日韓関係は、対米交渉に利用できる」という主張があります。14日のマネートゥデイに載っている専門家の主張で、原文では「日韓関係は対米交渉でレバレッジになる(日韓関係は、対米交渉を動かす力になれる)」です。日本と関係が良いとアピールできれば、すなわち日韓協力をアピールできれば、米国との交渉そのものを有利に進めることができる、という趣旨です。また、最近は石破茂総理の支持率がパッとしないので、こんなときに恩を売っておけば、両国間の懸案事項で「もっと肯定的なメッセージ」を引き出すこともできるだろう、とも。

個人的に、この前の参議院選挙でも同じことを思いましたが、韓国メディアが書いている内容と、実際の日本での反応には、かなりのギャップがあります。日本では韓国関連の外交、政治問題があまり話題になっていません。もし李在明大統領が訪日して、それが友好的な雰囲気で終わったとしても、石破総理にどれだけ「力」になるのでしょうか。韓国との首脳会談が無難に終わったからといって、いまの、いわゆる「石破下ろし」が収まるのでしょうか。「まずそれはない」としか思えませんが。また、引用部分に「シャトル外交を私たちが先に再開すれば、これからの日韓関係をリードできる」となっていますが、これもよくわかりません。なんでそうなるのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。




 

<<・・李在明大統領がドナルド・トランプ米大統領との初の首脳会談を控えて、日本を先におとずれるのは、「対米交渉力」を高めるためのものだという解釈が出ている。中国牽制を最優先順位としているトランプ2期政権に、日米韓3国協力の重要性を強調できるからだ。韓国が同盟として大きな役割を果たしていることを浮き彫りにして、トランプ大統領の一方的な安保関連の「請求書」に堂々と対応するための布石である、という話だ。日韓・米韓首脳会談の連携は、対米交渉力という側面において多次元的意味を持つと評価される。

まず李在明政権に対する「親中」イメージを払拭させ、インド・太平洋地域で韓国が米国の信頼できる同盟である点を浮き彫りにすることができる。この場合、在韓米軍の戦略的柔軟性の拡大(※他に「役割拡大」とか「現代化」と表現されたりしますが、要は在韓米軍を中国関連でも動けるようにするという話です)、国防費の引き上げの圧迫など、安保問題に韓国の交渉力を高めることができるのだ・・・・また、すでに2月、トランプ大統領と首脳会談を行った石破総理に会って、その経験と助言を聞き、交渉戦略を整えるきっかけにすることもできる・・




・・李元徳 国民大学日本学科教授はこの日、マネートゥデイのザ・300(※ソース記事)との通話で、「日韓関係は、対米交渉のレバレッジ(※動かせる力)になることができる」とし「米中戦略、競争状況の中で、日韓・日米韓の価値を強調することで、米国との交渉力を高めることができるだろう」と話した。続いて「石破首相はすでに6カ月前にトランプ大統領と首脳会談をした」とし「李大統領としては、トランプと交渉をどうするかなどを日本と相談して調整できる可能性がある」とした・・・・今回の首脳会談が、日韓両国関係の側面でも大きな役割を果たすという見通しが出ている。

李大統領と石破首相は6月、シャトル外交再開を約束したが、韓国主導でこれを再開する場合、以後の韓日関係を主導的にリードすることが可能だからだ。また、政治的危機を迎えている石破首相に、我々が先に訪ねて、力を加えてやることで、知韓派である石破首相が今後も総理職を続ける場合、反対給付として懸案事項とされる問題において、もっと前向きなメッセージを引き出すこともできる・・・・今回の韓日首脳会談の議題としては、北朝鮮問題と米韓日安保協力、サプライチェーン安定化など経済協力、人的交流拡大などが挙げられる。韓国が日本産水産物の輸入を規制する事案と関連しては、小泉進次郎日本農林水産大臣が11日、ソウルで趙顕 外交部長官と会って撤廃を要求したが、日本は首脳会談でも同じ問題を提起する可能性がある(マネートゥデイ)・・>>




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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