李在明大統領、訪日・訪米日程に合わせて中国に「親中特使団」を派遣

李在明大統領が、今月の訪日・訪米の日程に合わせて、24~25日、中国に特使団を派遣することにしました。特使(団)というと、文在寅政権で米国、北朝鮮などに特使を送って、面談したり、訪日してその内容を伝えたりして、よくニュースになりました。文政権では、他にも、今回のように日本・米国と首脳会談するときには、中国に特使団を派遣しました。ただ、尹錫悦政権になってからは、そのような特使団の派遣はありませんでした。尹政権になってから、対中国政策がなにか大きく変わったわけではありませんが、少なくとも「日米と会談、中国に特使」パターンはなかった、とされています。今回、それが復活した形になりました。

前にも何度か同じ趣旨を書きましたが、このような中国関連のことは、韓国メディアの多くが「配慮」「管理」などの単語で取り上げます。ほとんどは、問題にしません。「シェシェ」発言もそうですし、「台湾問題が韓国と何の関係があるのか」などの李大統領の(大統領候補だったときの)発言も、さほど問題にならなかったし、支持率が下がるとか、そんな話もありませんでした。今回も、ニュース1(16日)などが報じてはいますが、全然話題にはなっていない案件です。尹政権では、ほんの少し米国側へ外交の重みを置いたことで、「完全に米国側に舵をきった」ということになっていました。しかし、文政権、そして今の李政権では、特使団が復活しても「中韓関係をうまく管理するため」ということになっています。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・朴炳錫 元国会議長を団長とする李在明政府の中国特使団が来る24~25日、中国を訪問する。李在明大統領が日本と米国を相次いで訪れ、日韓・米韓首脳会談を持つ期間になされる特使派遣で、「実用外交」を掲げた李在明政権の中国の配慮とも解釈される。16日、複数の情報筋によると、朴炳錫元国会議長を団長とする特使団が、24日、中国を訪問する予定だ・・・・(※国会議員たちと共に)特使団には、盧載憲 東アジア文化センター理事長が含まれることが分かった・・・・朴元議長は、政治家たちの中でも代表的な「中国通」で、2017年に「一帯一路」協力フォーラムの政府代表団長資格で中国を訪問し、習近平国家主席に会ったことがある。2022年北京冬季オリンピック開幕式にも出席し、当時、配列3位の栗戦書 全国人民代表大会常務委員長とも単独会談を行った・・

・・(※他の議員たちも中国側に近い人たちで構成されているという話のあとに)盧泰愚 元大統領の息子である盧載憲 理事長は、中国関連事業を通じて中国をよく知っている。中国内では盧泰愚元大統領の任期だった1992年に韓中修交が締結された点を挙げ、友好的な雰囲気もある・・・・韓中関係の復元及び改善と習近平国家主席のアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議のきっかけの訪韓などの重要な懸案を勘案、特使を送って高位級のコミュニケーションを続けようとするものと解釈される。




特に今回の特使訪問は韓中修交記念日(8月22日)に際し、李大統領の日本訪問(23~24日)及び米国訪問(24~26日)とも重なる時期に行われる。表の日程だけを見ると、李大統領が日本と米国を訪れ、韓国外交安保政策の中心である日米韓協力を強固にする間、特使外交を通じて中国を同時に抱え込もうとする姿だ。一方、前任の尹錫悦政権は、中国に特使団を送らなかった。文在寅政権の時は、李海瓚 元国務総理が特使資格で中国を訪問し、習主席と面談した(ニュース1)・・>>

 

ちなみにこの朴(元)国会議長、中国だけでなく北朝鮮ともかなり「近い」関係で、日本が北朝鮮と(会談などの)外交的アプローチを取るには、かならず韓国を介さないといけないと主張したりしました。共に民主党側の、かなりの重鎮です。米韓首脳会談の場合、どうせトランプ大統領が関税政策で成功したとかそんなアピールをするための場でしょう。そして、トランプ大統領がどれだけ力を入れているのかはわかりませんが、在韓米軍の役割拡大についても、なにか話があるはずです。ちゃんと公開されるのかどうかまではわかりませんが。気になるのは日韓首脳会談です。石破総理、なにかよけいなことを言わなければいいのですが。




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