多分、他の国にも似たような趣旨の法があると思いますが、米国にはFARA法というものがあります。自分も詳しくないのでソース記事から引用しますと、「Foreign Agents Registration Act、外国人を含め、米国に居住するすべての人が、外国の政府・機関・企業などの政策及び利益のために働く場合、米法務部に申告し、活動も報告するようにする連邦法」(朝鮮日報、18日)です。なんか、範囲が曖昧すぎるという指摘も出ているようですが、この法律に詳しくない私には「趣旨はいい」と思われます。どうみてもある国の政府を支持する内容なのに、「市民団体です」と主張する団体もありますから。
「他国の政府の意思を代弁する」と事前に報告した団体の主張なら、それは言うまでもなく「他国政府の意志」ということになります。しかし、「米国の市民団体」ということになると、それは「米国に居住する人たちの意志」ということになります。特に韓国ではこの風潮が強く、とにかく「自発的に集まった」「民間の意志」など、政府は関わっていないというイメージを強調します。ろうそくデモのときは特にこういうのが強かったし、日韓の間の懸案事項においても、他の国で似たような事例が続出します。で、米国で主に文在寅政権の政策を支持、議会で「終戦宣言」「朝鮮半島平和プロセス」などの法案通過のために活動してきた在米韓国人団体が、このFARA法違反で米国法務省の内部調査が始まった、とのことです。
まだ結果が出ているわけではありませんし、韓国でも朝鮮日報以外はほとんど報じていませんが、こういう流れは関連団体の活動をどうしても弱体化させる(素直に政府を代弁すると認めるはずはない)とも言えるでしょう。李在明大統領(候補だったとき)の外交・安保顧問だった人が、この団体の代表だそうです。最近、李在明大統領も明らかに「文政権に似ている」対北政策を進めています。懐かしい単語ですが「終戦宣言」「朝鮮半島平和プロセス」などの話(同じ意味の別の単語になるかもしれませんが)は、また盛り上がるでしょう。今回の件、そういう流れの対米活動にも影響するのかどうか、そこも気になります。以下、<<~>>で引用してみます。ちなみに、日本にも同じ趣旨の法律があるのかはわかりませんが、1つ欲しい、と思いました。また、米国で活動している「この手」の団体には、北朝鮮関連より日本関連のデタラメな主張をする団体のほうが多いのでは・・そんな気もします。
<<・・米議会で、朝鮮半島の終戦宣言、米朝連絡事務所設置(※南北連絡事務所は北朝鮮の開城工業団地にあったけど、爆破されました)、永久的平和協定ロードマップの準備などが含まれる、いわゆる「朝鮮半島平和法案」の通過を推進している親・共に民主党の団体、米国民主参加フォーラム(KAPAC)。その団体の外国代理人登録法(FARA)に関して法務省が内部調査に着手したことが確認された。李在明大統領の大統領候補時代、外交・安保特別補佐、文在寅元大統領の大学後輩である実業家がこの団体の代表で、FARA法による「外国代理人」として登録していない状態で、事実上、韓国政府の利益を代弁する活動を米国で行ってきたということだ。連邦捜査局(FBI)にも同じ申告が受け付けられたことが分かった。
18日、本紙取材を総合すれば、13日、FARA法所管部署の法務省に「KAPACが外国代理人として登録しないまま韓国の国会議員と米国議員との協力の下、米国内で李在明政権のための政治的活動を遂行した」とFARA法違反の疑いに対する即刻調査を要請する通報があった。この団体は先月23日、トランプ大統領と対立しているブラッド・シャーマン民主党下院議員と共に民主党の議員たちが参加した中、議会で終戦宣言法関連行事を開いた。国会外交統一委員会与党幹事はこの席で、李在明政府の「実用外交」に関するプレゼンテーションを行い、政府の外交・安保政策目標を広報した。
通報内容には、大統領選挙を控えた5月13日、この団体の代表が李在明大統領候補直属外交・安保特報に任命され、団体は「米国外居住者」たちからペイパル・クレジットカードを通じた後援金を募集したことが言及されている。単に役職を受けたり、外国人に後援金を受け取るだけでFARA法違反とは言えないが、これを仲介して外国(韓国)政府の影響力行使を助け、米国内世論・政策・議会に影響を及ぼそうとしたなら、FARA法違反の疑いが適用される可能性がある(朝鮮日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。