トランプ政権が始まってから、前政権の補助金を取り消すのではないか、という話はありました。最近、米政府がインテルの持分(インテル株)を「補助金の見返り」として要求したことで、韓国メディアはこの話でまた盛り上がって(?)います。ロイターなどが、米政府がサムスン電子やTSMCなどにも同じことを検討していると報じたためです。毎日経済(20日)は「米韓首脳会談前に起きた大きな問題」としています。サムスン電子はこの要求(本当にこのような展開になっても)に応じないだろうという見方もありますが、記事によると、サムスン電子の対米投資は大規模の赤字を覚悟してのもので、まさに「補助金あってこそのもの」。それが取り消されるとなると、その衝撃もかなりのものになるだろう、とも。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ドナルド・トランプ米政権が専任バイデン政権時期に半導体支援法(CHIPS Act)により支給することにした補助金を、「持分」として返還してもらうと突然発表し、国内半導体企業は衝撃に包まれた。米国政府の補助金を信じて天文学的な規模の対米投資をすでに執行しているが、補助金ほどの会社持分を出すということは事実上補助金を支給しないというものと同じだからだ。韓米首脳会談を控えて対米投資計画を検討しているサムスン電子にトランプ政権の新たな規則変更は相当な未来不確実性になると懸念される。
19日(現地時間)、ロイターは、ハワード・ラトニック米国商務部長官が半導体支援法による恩恵を受け、米国に工場を建てる半導体製造企業の持分を米国政府がもらう方案を検討中だと報道した。既存のインテルのほか、台湾TSMC、米国ミクロン、サムスン電子などが対象となる。インテルが最も多い109億ドルに達する支援金を受けたが、現在時価総額である1107億ドルを勘案して、政府は10%のインテル持分を要求したと推定される。同じ計算式を適用する場合、TSMCは0.5%、ミクロンは4.5%、サムスン電子は1.5%、SKハイニックスは0.3%の持分を米国政府に与えることになる。補助金と同じくらいの持分を要求することは、事実上、補助金を与えないという意味で、補助金を受けるには、補助金の分だけの追加投資を要求するという話まで出ている・・
・・産業研究院(KIET)専門研究院は「補助金に対して持分を要求することは、結局、補助金が消える効果」とし「サムスン電子とTSMCはこれを受け入れないだろう」と予想した。それぞれ韓国と台湾を代表する企業であり、同社の持分を米国が保有するようにすることを、政治家や企業別理事会などは容認しない可能性が高い。研究院は「一方、インテルは(補助金の持分転換を)受け入れるため、米国政府の補助金を米国企業だけ受け取り、外国企業は受け取れなくなるだろう」と説明した。
しかし、TSMCとサムスン電子はすでに大規模な投資を行っているため、補助金は受けられずに、投資は続けるしかない見通した。トランプ政府が対米投資ファンド、半導体高率関税などを通じて圧迫をしかけてくるだろうし、既存の対米投資を取り消すことはできないからだ。これにより、サムスン電子の対米投資計画に問題が発生する可能性もある。すでにファウンドリ(半導体委託生産)部門で莫大な赤字を覚悟して米国投資を行ったサムスン電子に、もう一つの財務的な負担になる・・
・・今回の発言が外国企業から追加投資を引き出すための交渉カードという説明も出ている。持分を提供できない企業は、持分の代わりに追加投資をしろということだ。特に韓国と日本の場合、米国と貿易交渉に応じて対米投資ファンドを造成して、どうせ投資をしなければならない状況だ。このようになると、サムスンは半導体部門でなくても家電やバイオなど他の分野の投資圧迫を受けることになる。ラトニック長官は、韓米貿易交渉で暫定的に約束した対米投資ファンド3500億ドルにこれを含める可能性も示した。
彼はCNBCとのインタビューで、日本と韓国が約束した対米投資ファンドに言及しながら、「私たちは日本・韓国と取引をした」とし「彼らの資金を活用して原子力を発展させ、半導体を製造し、製薬生産を米国で確保する」と話した。実際、ソフトバンクが最近インテルに対して20億ドルを投資することを明らかにしたが、それは、日本が約束した5500億ドル対米投資の一部だという説明も出ている(毎日経済)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。