日韓首脳会談、数年前から噂されてきた「新しい日韓共同宣言」は出ず・・与党議員のインタビューより

昨日、「日韓首脳会談が近いのに、ワーキングホリデービザ以外はこれといって議題関連のニュースがない」という趣旨を書きましたが、どうやら、『米国との交渉のために日本を先に訪れる』だけのようです。日韓首脳会談・日米首脳会談関連でいくつか記事が出ていますが、与党の洪起元 国会議員がSBSとのインタビューで、「米国との交渉のために訪日」「新しい共同宣言を用意するには時間が足りなかった」など、いろいろ話しました。いくつかの内容のうち、気になるのは「新しい共同宣言はなし」という部分です。まだ8月なので、これから石破茂総理が訪韓してなにか「よけいな」共同宣言をする可能性もないわけではありません。しかし、すでに数年前、文在寅政権、尹錫悦政権でずっと提起されてきた「日韓韓国交正常化60周年に新しい日韓共同宣言を」という主張は霧散となります。

言うまでもなく、この主張は、結局は「韓国側に有利な内容または単語など」を、「新しく」日本側に言わせるためです。様々なバリエーションがあり、尹錫悦政権のときには、日本に国賓訪問して天皇陛下より「おことば」をいただけばいいじゃないか、という主張までありました。それで「60周年にふさわしい結果を得ることができる」、とも。去年6月に本ブログでもお伝えしたことがあります。そういうことをいろいろ考えると、これからも油断はできませんが、いまのところ「そんな話はない」と見ていいかもしれません。他にもいくつか日韓・米韓首脳会談の話が出ているので、議員の関連発言の部分だけ、<<~>>で引用してみます。




<<・・(※なぜ米国ではなく日本と先に首脳会談をするのか、という話として)「私が常任委にいた時、趙顕 外交部長官に直接聞いてみました。米国訪問直前に日本に行って日韓首脳会談する理由は、日米韓協力の強化を(※米国に)見せる意味で、そうしている、とのことです。米国が重視するのは、米韓同盟も重視するけぢ、日米韓協力がとても重要です。日本に行って、協力する姿を見せ、その成果を持って米国に行って米韓首脳会談をするなら、もう少し良い雰囲気の中で会談ができるだろうと思います」

(※新しい日韓共同宣言について)「それで私が実際に昨年、尹錫悦政権下で外交部で話したとき、新しい共同宣言、そのようなものを準備すると言っていました。しかし、大統領が弾劾され、また新しく李在明政権が入って、あまり時間が経っていません(※政権交代で時間がなかったと言っていますが、文政権のときから同じ話がありました)。だから時間的に、それを準備するのは難しいと思われます。今年中に新しい共同宣言が出てくる可能性はまだありますが今回の訪問でそれをするには、時間的に準備するにはあまりにも時間が足りなかった、と」




(※いわゆるトランプ関税に、日本と韓国は同じ立場だから協力すべきではないのか、という話として)「だから、これを日韓が共同戦線を広げて、米国となにかを仕掛けるとかそんな形ではありませんが、日韓間の貿易や投資とか、そういう分野、または技術分野で協力を強化する方へ行くのは、新しい通商秩序の下でかなりの役に立つだろうと思います。そのような趣旨で、CPTPP、日本が主導し、またアジア太平洋国家が参加した自由貿易協定があります。これまで私たちはまだ参加できませんでした。今ここに加入しなければならないでしょうし、また日本ともFTAを締結しなければならないでしょう。このような議論が国内で多く出ています。日本も、これまではCPTPPに韓国がこれまで入ってくることに消極的でしたが、前向きに変わりつつあることがわかっています」

(※今回の日韓首脳会談には、趙顕 外交部長官が同行せず、急に訪米することになりました。これで一部メディアが「本当は日韓首脳会談に同行する予定だったのに、米国側からなにか予想外の要求などがあって、それで急に訪米したのではないかという見方が出ています。その件について、SBS側の質問)「外交部長官が、元々は大統領が日本に行けば、一緒に行かなければならないでしょう。ところが、日本を行かないですぐにアメリカ先に行きました。なぜそうするのか疑問が生じます。もしかしたらアメリカ側で何か変な要求をしたのではないか、こんな心配もあります。なぜそうなったのでしょうか」

(※議員)日韓首脳会談をすることになれば、当然、外交部長官が一緒でなければならないが、それをせずに米国に先に行って韓米首脳会談を準備するこのような趣旨で去ったのです。それで懸念される、という話は聞きました。私が外交部側と話して見た感じでは、今回の韓米首脳会談はあまりにも重要だから、ではないでしょうか。途方もない国際秩序の変化の中で、またトランプ大統領が二度目の執権でさらにも強い姿を見せているため、本当に重要な会談ですから」(SBS)・・>>




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