総理大臣補佐官「日韓関係は大きな転換点に来ている」「李大統領には未来志向の意志がある」

まず、前に李在明大統領が中国の戦勝節に招待されたことをお伝えしましたが、参加しないことになりました。さすがに来月3日ということを考えると、米韓首脳会談との相性が問題になったのではないか、と思われます。ただ、韓国の「儀典序列(国家の儀典に参加する人として、どれくらいの格なのか)」として大統領に次ぐ2位とされる、禹元植 国会議長が参加することになりました。与党、野党の議員などが多数同行する、とのことです。李大統領が中国への特使団を編成し、米韓首脳会談と同じタイミングで中国に派遣、親書を伝達するというニュースもありましたが、この件とも関係があると思われます。複数のメディアが、中韓の当局者たちが事前に話し合って、中国側から正式に国会議長を招待し、ほぼ決まったと報じています。

で、本題ですが、日韓議員連盟の幹事長でもある長島昭久 総理大臣補佐官が、日韓関係は歴史的な転換点に来ている」「李大統領のインタビューから未来志向の意志が読めた」などと話した、というニュースがありました。JTBC(20日)です。インタビューとは、本ブログでも昨日(21日)紹介した読売新聞とのインタビューのことで、日韓合意は覆さないとか、でも人間的な配慮が必要だとか、日本側の努力とか、そんな話がありました。それのことだと思われます。他の職業もそうですが、政治家とは、「立場」が特に重要でしょう。日韓議員連盟の幹事長として、「よくあるフレーズ」を述べただけ、の可能性もあります。日本側の記事もこれといってヒットしませんし。




でも、両国関係、わからない「これから」はともかく、確実に刻まれている「これまで」のことを振り返ってみると、そもそも「そう言わなければならない立場」「そういうのが普通の立場」というのが存在すること。実はこれがもっとも懸念すべきことではないでしょうか。そもそも、なにか転換点と言うほどのことがあったのでしょうか。2015年の合意を覆さないと言ったこと、でしょうか。そうですね。今日の関連記事をチェックしてみると、韓国内市民団体などがさっそく反発しているし、李大統領としては意外な発言だったのは事実です。

もちろん、合意に対して複数の問題点を指摘していたので、いつ「自分の発言を『覆す』のか」はわかりません。一例として、李大統領は「人間的な配慮」が必要だと言っていましたが、ここでいう「人間的な」は、すなわち合意や条約では解決できない部分があるという意味です。こういう曖昧さを残しておくことが、いつもあとになって大きな問題に発展した・・そういう事案が、数多くありました。でも、そういうを考える前に、そもそも「やはり合意したから守るわー」という発言が、そんなに凄いのでしょうか。そこは、「いや、合意したから守って当然だろう」と言うべきでしょう。




そんな部分にはなにも触れず、ソース記事は「総理大臣の補佐官が転換点だと言った!李大統領は未来志向だと言った!」と報じています。この現状が、転換点でしょうか。とてもそうは思えませんが。また、幹事長は「米国より先に日本に来た」という点を高く評価した、とのことですが・・1つ前のエントリーでも書きましたが、結局は、米国との交渉で優位になるために、「日本とうまくやってますよん」とアピールするためにすぎません。外交部長官(外相)が同行しない時点で、なにか議題の調整などがちゃんと出来ているとも思えません。

その外交部長官、関税交渉合意の直前、米国に行く前に日本に来たことがあります。当時「関税交渉のアドバイスを得るため」とされました。あれと同じパターンでしょう。尹錫悦政権で、米国大統領が日本より韓国に先に来たと大騒ぎになったことがあります。それが、米韓関係のなにかの転換点になったのでしょうか。なんか、ネタがなくてブログ更新に困っている人(うわあぁぁ)のような、「~だから、未来志向!」的なことにすぎない、そんな気がします。それとも、石破茂総理を「守る」ために、なにか肯定的にリードしないといけない、という風潮でもあるのでしょうか。私は「石破下ろし」の原因は、「国内政治」だと思っています。結局は参議院で大敗したのが原因ですが(選挙でもっと善戦していたなら、ここまで石破下ろしが加速することもなかったでしょう)、その参議院選挙の間、トランプ関税以外の「外国関連」話題はほとんどなく、韓国関連の話は聞いたことがありません。

なのに、韓国大統領と首脳会談うまくできたからって、支持率が大きく動くのでしょうか。そんなことで動くなら、関税合意できた時点でもっと動いたはずだと思いますが。先、うわあぁして少し気が晴れましたが、ネタがなくてなにか私見ばかりになりましたけど、共同宣言がスルーされたとしても、やはり、まだまだ懸念されるばかり、そんな今日この頃です。明日は1日休みをいただきます。次の更新は、24日11時頃になります。また、いつもの告知のところに新刊の紹介がありますので、ぜひお読みください。

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。