日韓首脳会談、17年ぶりに「共同言論発表文」・・韓国メディア「新しい反省には言及せず」

日韓首脳会談が行われました。概ね事前の予想通りの内容で、ワーキングホリデービザ拡大(1年だけだったものを「2年まで」)以外になにか具体的な案件はありませんでした。21日にも取り上げたことがありますが、日本はもともと1年(1回)だけワーキングホリデービザを許可していましたが、最近になって複数の国に2回まで(2年まで)許可しています。それ以外は、「あ、これ事前に議題関連の調整とかほとんどやってないな」な感じでした。普通だと、こういうのは「会談をやる」自体に意味があるともいえますが・・やはり、日韓首脳会談で気になるのは、石破総理がなにかよけいなことを言ってないな、という部分です。

今回、17年ぶりに「共同言論発表文(両国公式の共同プレスリリース)」があったとのことで、さらに気になっていましたが、不幸中の幸いというかなんというか、いつもの「いままでの内閣の認識(談話など)を継承する」という話はあったものの、「新しい反省」などの表現はありませんでした。オーマイニュースに全文があります。聯合ニュースは、公開発言に新しい反省表現はなかった(共同言論発表文にもありませんでした)としながら、15日に相応の発言があったのに、という記事を載せています。いわゆる石破下ろしが、その理由である、とも。それだけじゃない気もしますが。やはり、この「新しい」こそが、韓国側の本題だったのでしょう。個人的には、発表文に「中国」という字が出てこないことが気になりますが。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・石破茂日本首相が23日、東京で開かれた日韓首脳会談で、1998年「21世紀の新しい韓日パートナーシップ共同宣言」に言及し、自国歴代内閣の歴史認識を継承すると明らかにした。だが、石破首相は首脳会談と冒頭発言、および共同言論発表では、15日の追悼式で日本首相としては13年ぶりに語った反省という単語を言及しなかった。李在明大統領が日本メディアとインタビューで日本側に「過去を直視するが未来に進む」と提案したが、石破首相は、今回の会談で「直視」の部分については、積極的に答えなかったものだと分析される。

石破首相がこの日に見せた立場は、岸田文雄前首相が日韓首脳会談などで示したものと大してく変わらない。岸田前首相は、東京で開催された韓日首脳会談記者会見で「日本政府は1998年10月に発表した日韓共同宣言を含・・・・歴代内閣の立場を全体的に受け継いだ」と話した。石破首相はこの日、日韓首脳会談で岸田前首相と同様に「継承」という立場を繰り返すのにとどまった・・・・これと関連して石破首相が先月、参議院選挙での敗北以後、党内保守派から退陣の圧迫を受ける状況が影響を及ぼした可能性がある、という分析が出てくる・・・・安倍元首相の歴史観を重視する自民党の保守勢力は、2015年に発表された「安倍談話」で問題が一段落したと主張している(聯合ニュース)・・>>




これだけではちょっと短いので、米韓首脳会談関連記事を1つ紹介します。前から本ブログでは韓国メディアを引用しながら「日本を先に訪れたのは、米韓首脳会談で有利になるため」という主張を紹介しましたが、MBCなどによると、米国のマルコ・ルビオ長官が、「日本を先に訪れたのは賢明な選択だった」と話しました。賢明というのが具体的にどういうことかはわかりませんが、これを「中国牽制のための動き」と見ているのでしょうか。しかし、先の共同言論発表文を見てみると、『中国』という字は出てきません。ただ、急変する国際秩序のために日韓・日米韓協力が必要だ、となっています。

<<・・在韓米軍防衛費分担金、韓国の国防予算増額とともに、韓米原子力協定改正も核心安全保障議題です。韓国の使用後の核燃料の再処理、低濃縮ウラン活用の道を開くために米国の同意が必要です。ルビオ長官は「李在明大統領が日本を先に訪れたのは賢明な選択」だと述べました。中国牽制などのための日米韓協力の強化を強調しようとする意図が垣間見える部分です。中国問題に対する米国の強硬な立場を共同声明にどのように反映するのかという問題も、課題として浮上しました・・

・・韓国企業の対米投資計画発表を控えて、トランプ大統領は米国政府が自国半導体メーカーインテルの最大株主になった事実を公開しました。半導体法により補助金を与え、企業の持分を米国政府が持っていく方式でした。【ドナルド・トランプ/アメリカ大統領「あなたは私たちに会社(インテル)の10%を与えるべきだ」と言ったが、彼らが同意した。それが100億ドルほどになると言う」】。補助金6兆6千億ウォンを受けることにしたサムスン電子にも同じことがあるのではないかという観測が出て、韓国政府は事実と異なるとしています・・・・ワシントンは緊迫した雰囲気です。突発的な要求、さらには圧迫をかける人を相手にしなければならない、前例のない不確実さの大きな首脳会談になりそうです(MBC)・・>>




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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