李在明大統領が、米国に到着しました。多くの関連記事が出ているので、取り上げてみます。まず、1つ前のエントリーで中国側が「いままでより」ランクの低い人が面談したという話をしましたが、米国での空港での出迎えでも、また同じことがありました。普通、「儀典局」とされるところから出迎えることになりますが、今まで韓国の大統領に対しては儀典長、または儀典長代理(儀典長が空席の場合)が出迎えました。いつものこと(?)ですが、また儀典がどうとか、礼儀がどうとか、複数のメディアがそう書いています。一部のメディア、支持者たちは、「人があまり入ってこれない場所だから人が少ない」とか、「2月に石破総理が訪米したときにも同じく副儀典長が出迎えた」などの理由で、「もともとこんなもの」と主張していますが・・
当時も儀典長が空席だったので、副儀典長が儀典長代理だった、とのことです。今回は国賓訪問などではないので、国賓訪問したときの前任大統領(尹錫悦大統領、朴槿恵大統領)と比べるわけにはいかないけど、文在寅大統領の場合は(国賓訪問ではない訪米でも)儀典長代理が出迎えた、とも(朝鮮日報、25日)。また、トランプ大統領はゴルフ中で、明日が首脳会談だけどこれといってブリーフィングなどもない、と報じています。メディアの立場(右側)もあるでしょうし、重要なのは会談の中身でしょうし、在韓米軍の対中国役割拡大とか、そんなことの心配をしたほうがいいのでは。
会談は30分(その後食事のときにも会談は続けるそうです)で、共同記者会見の予定は無し(記者団による質疑応答はあり)、とされています。引用はしませんが聯合ニュースなどが報じています。ちなみに、米国側は、いわゆるトランプ関税で合意したばかりなのに、早くも関税合意の内容を変えようとしている、とのことです。この部分はCBSノーカットニュース(25日)です。農畜産物などを含めよう、と要求している、と。李在明大統領がこの件についてどう反応したのか、と言いますと。「そう簡単に合意を変えてはいけない」です。日韓関係という側面から見ると、これはどういう冗談が・・としか思えませんが、そういえば、この前、読売新聞とのインタビューで李大統領は2015年の日韓合意を「国家間の合意だから覆すのはよくない」と話しました。
国内でも結構反発があって、「持続性」はともかく(笑)、意外とも言える発言でした。で、ここでまた個人的な見解ですが、ひょっとして、米国側に『これ』が言いたくて日本メディアとのインタビューでそんなことを言ったのかな、そんな気もします。確認する術はありませんが。合意とか協定とかだと、日本こそ韓国に言うべきことがいろいろあると思いますが・・以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・李在明大統領は24日午後、ワシントンDC東側のアンドルス空軍基地を通じて米国に到着、2泊3日間の訪米日程に突入した・・・・エビゲイル・ジョーンズ国務省副儀典長と一緒にジョシュア・キム米空軍大佐が出迎え・・・・国務省には、首脳会談など主要外交行事の儀典を総括する「儀典局(Office of the Chief of Protocol)」があり、自国に入ってくる首脳を迎える業務を担当する。儀典長は上院認定を経なければならない大使レベルの高位職で、フォックス・ニュース放送人出身でトランプ1期の時に財務部次官補を務めたモニカ・クローリーが5月30日就任した・・
・・2月、石破茂日本首相が訪れた時は儀典長が空席であり、ジョーンズが儀典長代理資格で空港に出て石破を迎えたことがある。2015年10月、朴槿恵大統領の米国訪問時はピーター・セルフリッジ議長が出迎え、2023年尹錫悦大統領はルーパーズ・ギフォード儀典長とカート・キャンベルホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)調整官などが出迎えた。ただし、どちらの場合も訪問タイプの中で格が最も高く、最高等級の礼遇が伴う国賓訪問だった。文在寅大統領のとき、2017年6月初訪米時にはローズマリー・ポーリー儀典長代理が出迎えた。
李大統領との初韓米首脳会談を控えたこの日、ドナルド・トランプ米大統領は、バージニア州スターリングにある自分のゴルフクラブでゴルフを楽しんだ後、午後4時ごろホワイトハウスに復帰した。ホワイトハウスは2月の日米首脳会談を控えたときには、高位当局者が電話ブリーフィングを通じて北朝鮮・中国などと関連したインド・太平洋安全保障協力問題など主要議題を説明した。しかし米韓会談を控えての今回は、これといったブリーフィングを進めなかった。また、李大統領はホワイトハウスから5分の距離にある迎賓館である「ブレアハウス」以外の場所にとどまることが分かった(朝鮮日報)・・>>
<<・・李在明大統領は24日、韓米関税交渉に農畜水産物を含めようとする米国側の要求に対して、「一度した合意を、そう簡単に変えることは望ましくない」と指摘した。李大統領はこの日、日本訪問日程を終えた後、米韓首脳会談のため米国に向かう専用機の中で記者懇談会を開き、「私たちの立場でも、私たちに有利な新しい議題を提起したり、既存の合意を、容易ではないが私たちに有利に変えようとする努力はするだろう」としながらも、このように述べた。彼は「交渉が締結され、各国の国会承認を受けて、正式条約と確認した後に、いつでも『ここが不満だから変えよう』という要求をがあるかもしれない・・・・(※しかし)すでに大きな合意は、韓国と米国大統領が相互承認して、その内容で決まったわけだから、一方的に変えようとすることも、またそういう話に『はいわかりました』ということも、そうするわけにはいかないと思う」と重ねて難色を示した(ノーカットニュース)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。