李在明大統領の中国特使団、習近平主席と会えず・・文・朴政権では面談成功

8月17日にもお伝えしましたが、李在明大統領は日本・米国訪問とほぼ同じタイミングで、中国に特使団を派遣しました。実は、尹錫悦政権では中国特使団というのがありませんでしたが、その前の文在寅政権、朴槿恵政権では特使団を派遣し、習近平主席とも面談出来ました。今回も、かなりの「中国『通』」たちで特使団を構成し、親書(9月のAPEC招待に関する内容だとされています)も持たせましたが・・今回、習近平主席とも会えず、こういう序列においては国家ナンバー2とされる李強総理とも会えず、ナンバー3の趙楽際 全国人民代表大会常務委員長と会って、親書を伝達しました。

一部のメディアはこの件をちゃんと報じずに「常務委員長に会って親書を伝達」とだけ報じていますが、MBN(23日)、東亜日報(24日)などまた一部のメディアは、特使団が主席と面談できなかったのはかなり異例だ、というふうに報じています。これ、ちょっと気になるのは、前に中国は李在明大統領をいわゆる戦勝節に招待したことがあります。でも、さすげに米韓首脳会談もあるし、李大統領は参加せず、禹元植 国会議長が参加することになりました。韓国では「儀典序列」とよく言いますが、その序列でナンバー2です。で、中国と韓国はシステムが異なるので単純比較はできません。たとえば、韓国では国務総理より国会議長の序列が上ですが、中国では総理のほうが国会議長より上です。




ちなみに、中国に国会議長というものは存在せず、日本、韓国でいう「国会議長」とされる職位が、「全国人民代表大会常務委員長」だとされます。いわば、単純比較はできないけど、国会議長と常務委員長は「同格」とされる、という意味です。実際、2月に韓国の国会議長(と他の議員たち)が訪中したことがありますが、その際、国会議長と会談したカウンターパートの人が、今回の趙 常務委員長でした。この部分は私の個人的な見解にすぎませんが、今回、特使団のカウンターパートが急に格下げされたのは、戦勝節に「李大統領が参加せず、国会議長が参加すること」に対する、中国なりの「返事」ではないのか、そんな気がします。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・李在明大統領の訪米期間中に中国を訪れる対中国特使団が、習近平中国国家主席に会うことはできなさそうです・・・・大統領室広報担当者は昨日(22日)のブリーフィングで、「25日に王毅外交部長と面談および昼食を予定しており、26日には国家副主席面談、全国人民代表大会常務委員長との面談が予定されている」としました。習近平主席との面談の可能性について、スポークスマンは「面談はできないのではないか、と思っている」と言いました。

特使団が面談する予定の趙楽際 全人大常務委員長は、国会議長レベルで、習近平主席、李強首相に続き、中国権力序列3位です。中国特使団を派遣しなかった尹錫悦大統領の時以外だと、習近平主席は執権後、朴槿恵・文在寅大統領が任命した中国特使団とは面談したことがあります。今回の特使団はこの大統領就任81日ぶりに行われましたが、朴槿恵(当選後33日)、文在寅(就任後7日)大統領の時と比べると、派遣日程が遅れました(MBN)・・>>




<<・・特使団が、習近平主席はもちろん、李強首相とも直接会うのは難しいという。一部では、李在明政権が発足した後、中韓関係の改善より、日米韓協力の強化に相対的に重みを置いており、そのことで中国側がよからぬ感情を示しているのではないか、という分析も提起されている。特使団は26日午前、韓正国家副主席、同日午後には趙樂際全国人民代表大会常務委員長と、それぞれ面談する予定だ。

常務委員長は習主席、李首相に続く権力3位で、今回特使団が会う中国指導部の中では最高位層となる。2012年末に執権した習近平主席は、2013年1月当時、朴槿恵大統領当選者(※まだ就任前)の特使と直接会った。また、文在寅政権の時も、特使資格として中国を訪問した国務総理と面談した。尹錫悦政権は、中国に特使を派遣していない(東亜日報)・・>>

 

簡単にいうと、シェシェが足りない、といったところでしょうか。習近平主席と面談できなかったこと、メディアによって結構書き方が分かれていて、(引用部分にはありませんが)東亜日報のように王毅長官が昼食会だった予定を晩餐会にアップグレードしてくれたとどうしても肯定的に報じようとするところもあれば、韓国経済などは、最近中国市場では、もっとも目立つところにあった韓国メーカーの製品が、ショッピングモールなどの隅っこにやっと置かれるようになったとしながら、もっと中国との関係を重視すべきだ、という、緊張した見解(?)を述べています。




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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