昨日もちょっと書きましたが、李在明大統領の米韓首脳会談は、韓国ではものすごく高く評価されています。中には「対中圧迫があまりなかった」などを評価する記事も複数あり、そんなんでいいのかな、な気もします。ただ、本ブログでもいくつか紹介しましたが、「そういう問題じゃない」という趣旨の記事も、少数ではありますが、あるにはあります。MBN(27日)は、トランプ大統領が国務会議で「韓国側が関税合意にある問題を提起したけど、あまり言いたくないけど、なにも変わらなかった(問題提起を受け入れなかった)」と話したと報じています。それが詳しくどういう問題なのかはわかりませんが、なにか意見が合わなかった・・というか、合意内容に関して韓国側から(いまさら?)問題提起があったというのはわかります。
26日に紹介したYTNの記事(実はここもかなり左側ですが)、「明らかに異例の雰囲気で、会談の非公開部分で、あまり合意できた内容がないのではないか」という内容と、つながっているようにも見えます。また、記事を読んでみると、韓国の自動車(合意では15%)にも、まだ25%が適用されている、とのことで、ちょっと笑ってしまいました。これは日本も同じですが、なんで笑ったのかと言いますと・・日本でのことですが、日米関税合意のあと、「一律15%」のはずが、「15%上乗せ」(車は25%)として適用されました。結局は米国側のなにかのミス(わざとか、本当にミスなのかはわかりませんが)によるもので、一律15%で間違いないということになりましたが。あのとき、韓国の複数、というかめっちゃ多くのメディアが、「上乗せ15%」「日本車は25%」などと記事を出していました。
当時、この「一律15%」措置がちゃんと書かれているのはEUだけという情報があって、韓国はどうなっているのだろうと思って調べてみましたが、相応の情報を載せる記事は目につきませんでした。ただ、一部のメディアが、「もともと米韓FTAがあったので、もし15%が適用されないでいるとしても、ほぼ0%だから問題ない」という趣旨の内容を載せていました。でも、今回のMBNの記事に間違いがないなら、いまは25%が適用されていることになります。あのとき溢れていた「日本は上乗せ~車25%~」記事は、いったいなんだったのでしょうか。というか、当時のあの多くの記事は、こういう数値を確認しなかったのか、確認したけど雰囲気づくり(?)のために書かなかったのか。そういうのも謎です。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・米韓首脳会談の翌日、ホワイトハウス国務会議を主宰したトランプ大統領が、韓国との貿易交渉と関連して微妙な発言を出しました。韓国が何らかの要請をしたが、米国が受け入れずに既存のまま維持したということですが・・・・(※国務会議でトランプ大統領は)自分の成果を自画自賛していましたが、トランプ大統領は突然、米韓首脳会談に言及します。【ドナルド・トランプ、米国大統領「韓国と(貿易交渉で)問題があったと、そんな話だが、首脳会談で終わった。新しいことはなく、既存の合意を維持した」】。韓国の要請を、米国側が受け入れなかったという意味です。【ドナルド・トランプ/アメリカ大統領 「彼ら(韓国)は何かをやろうとしたが、まあ、何というか、彼ら(韓国)は合意を守ることにしたし、それは、うまくいったことです」】
具体的な内容は明らかにしていませんが、自動車や半導体、鉄鋼などの主要品目の関税が問題になっていたことが分かりました。特に自動車は、15%で関税を合意したにもかかわらず、行政においての手続きが遅延していて、依然として25%が適用されており、半導体・医薬品は、最恵国待遇するという口頭約束だけで、それをそう文書化するのかなどの問題などが、挙げられます。いずれも韓国の対米輸出核心品目で敏感な事案です。だが、首脳会談直前、トランプ大統領のSNS発言の影響がまだ収まっておらず、政局が揺れ動いている状況で、貿易合意に関する明確な譲歩や確信もまだ、引き出でていない形です(MBN)・・>>
他のメディアの関連記事を読んでみると、「韓国側から問題提起があると聞いたが、(李大統領と)会って、解決した」とか、「私たち(米国側)はなにも言ってないぞ?相手側が問題だと主張した」とか、「李大統領は(その問題を)結局、合意のままにすることにした」とか、「こういうのはあまり言いたくないけど~」とか、そんなふうに、ちょっとした自慢話のように語っていた、そんなニュアンスです(京郷新聞より)。記事は、「詳しくどんな内容なのかはわからないけど、まだ両国間で意見が合わなかった部分で、米国に有利な形で決着がついたという意味ではないのか」としています。農産物開放など、米国側と韓国側の発表内容にはギャップがあります。日本に比べて、合意内容に関する情報があまり出ていない韓国。どんな問題を提起していたのでしょうか。やはり半導体関連、でしょうか。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。