米国、首脳会談2日後に韓国半導体メーカーの中国工場VEU(認定エンドユーザー)資格取消

バイデン政権だったとき、本ブログで何度も取り上げましたが、サムスン電子、SKハイニックスの中国工場。その工場には、VEU(Validated End-User)、日本で言う認定エンドユーザ制度が適用されていました。韓国では「検証された最終使用者」と言います。商務省産業安全保障局(BIS)によってVEUとして認められると、それら(この場合はサムスン電子、SKハイニックス)は、VEU指定されたところ(この場合中国の工場)に、関連品目(主に米国産半導体関連設備)を輸出(主に設備搬入)する際に、個別の輸出許可を得る必要なく、輸出・再輸出することが可能になります。すなわち個別の許可が必要なくなる制度で、これがないと、個別に審査を受けなければなりません。中国が韓国半導体において大きなマーケットなのもあり、工場への半導体設備の搬入などにも適用されるので、韓国政府は中国工場へのVEU認定にかなり力を入れてきました。一時、尹鈴悦政権が「外交の総力」をかけていたとも言われています。

で、もちろん制限はあったものの、このVEU制度が適用されてきたわけですが・・米韓首脳会談が終わってから約2日後、米国商務省がサムスン電子とSKハイニックスへのVEU資格を取り消しました。今回の措置には、インテルの工場も入っています。ただ、ニュース1の記事によると、インテルとってもSKのハイニックスの工場になっているので、事実上、インテルとは言えない、とも。TSMCも同じVEU資格を持っていますが、今回の措置発表(官報掲載)に、TSMCは載っていない、とも。これからどうなるかわからない、という記述もありますが。ノーカットニュース、 ニュース1などは「中国での生産に大きな問題が生じる」としています。ソース記事は珍しく、米韓首脳会談の直後にこんな措置が出たのは、中国生産に対する迂回的なメッセージではないのか、と書いています。他のメディアにはこのような記述はありません。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・BIS(※商務省産業安全保障局)は輸出管理規定を改正し、中国に対する既存の「認定された最終使用者」(VEU)許可リストから、サムスン電子、SKハイニックス、インテル半導体(中国大連)を削除した。インテル半導体の場合、3月にSKハイニックスが子会社ソリダイムを通じて買収したもので、現地法人名にはインテルが使用されるが、実質的な所有者はSKハイニックスだ。VEUは、信頼できる中国内企業をあらかじめ指定し、輸出時に個別の許可手続きを省略できるようにした制度だ(この部分だけニュース1)・・>>

 

<<・・トランプ米行政部は、来年から、サムスン電子とSKハイニックスの中国内工場に、米国産半導体装備を持ち込む場合、件別に許可を受けるようにすることにした。米商務省は29日(現地時間)、サムスン電子、SKハイニックス、インテルが中国内の生産施設に米国産半導体製造装置を供給する際、毎回許可を受ける必要がないようにした包括許可を廃止すると明らかにした。今回の措置は来月2日の官報に正式掲示され、それから120日後に行われる。いままでは、これらの企業は「検証されたエンドユーザー」(VEU)制度により、毎日機器の搬入許可を受けなくてもよかった・・・・サムスン電子とSKハイニックスの中国工場はVEU名簿に入っていたため、機器リストだけを追加すれば供給に問題がなかったのだ。




今回の措置が本格的に施行されると、韓国半導体メーカーの中国内生産が大きく萎縮する結果につながる可能性がある。実際、商務省産業安全保障局は、今回の措置が施行されると、年間1000件の輸出許可申請が追加で発生すると予想した。バイデン政権だった2022年10月、米国は中国の半導体技術の確保を防ぐために、米国企業が中国の半導体生産企業に半導体装置を輸出できないようにしたが・・・・現地工場を運営する多国籍企業の場合、件別に許可を受けるようにしながらも、一部企業に対しては「VEU」と指定し、該当企業の中国事業をめぐる不確実性を多少緩和させた。

トランプ政権は最近、中国との「関税休戦」をさらに延長し、先端半導体の中国への輸出も一部許可することで合意した。こうした中、韓国企業に対してはVEUを廃止し、これら企業を通じた米国の先端半導体技術流出の可能性だけは事前に止めるという意志を示しているのだ。一方、今回の措置が韓米首脳会談直後に出たという点で、先端産業分野で中国と距離を置くように、という迂回的なジェスチャーである可能性があるという観測も出ている。韓米両国は首脳会談を控えて安保、経済、通商、投資などの懸案を協議したが、異見を完全に解消できず、合意内容を文書化できなかった。今回の商務省の措置には韓国企業がターゲットにされたわけだが、韓国以外に唯一中国で半導体を生産する台湾TSMCの中国工場に対してもどのような措置が取られるか、関心が集まる(ノーカットニュース)・・>>

 




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