韓国大統領室「サムスン電子・SKハイニックスが中国から撤退すれば、米国の統制力は弱体化してしまう」

今朝も(本題ではありませんが)ちょっと書きましたけど、TSMCの中国工場へのVEU(認定エンドユーザー)資格を失うことになりました。多くの韓国メディアが「TSMC『も』」と大きく報じていますが、例の「サムスン電子・SKハイニックスに比べると(中国工場生産の売上などは)多くない」という部分は、一部のメディアしか報じていません(笑)。主に設備搬入などで制限が増えるわけなので、いますぐなにかの問題が起きるというわけではないでしょうけど、設備のアップグレードなどは事実上できなくなるわけですので、長期的に見ると、何かの影響が出てくるのは間違いないでしょう。

特に、その影響がデータとしてニュースになる頃には、中国半導体業界でのサプライチェーンから外国企業のほとんどが外れているかもしれません。で、そのVEU取り消しの件、韓国大統領室(金容範 政策室長)が、「もし設備をアップグレードできなくなり、サムスン電子やSKハイニックスが中国から撤退することになったら、中国はなんでもかんでも自力で作ろうとするだろうし、それは結局、米国のコントロール力を弱体化させることになるだろう」と主張しました。

 




確かに、アメリカの最近の政策の多くが、長期的に見ると「結局は米国を弱体化させるのではないか」、そういう側面があるのは事実です。しかし、そんな簡単に「中国も作れるもの」なら、いずれ中国は自然と自国製品を使うことになるでしょう。政権が「市場」を自由にできる国ですから。ソース記事は韓国経済(1日)のもので、その他に、米韓首脳会談の前の米韓の交渉についての内容もあります。前に紹介した「私たちはIMF入りしたことがある」と話したという内容が、ここでも出てきます。「(だから)私たちは日本とは違う」とも(笑)。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・金容範 大統領室政策室長が1日、「米国がサムスン電子、SKハイニックス中国工場に半導体設備の搬入を防いだことで、もし韓国企業が中国から抜け出せば、米国の統制力はさらに弱くなるだろう」と話した。米韓首脳会談後に浮上した米国側の半導体設備規制について、初めて立場を明らかにしたのだ。金室長はYOUTUBEチャンネルに出演し・・・・「企業が心配していた事案であり、政府も知っていたが、思ったより早く(米国の政策が)決定された」とし、「サムスン電子とSKハイニックスが(対策のために)多くの努力をしなければならない」としながら、このように述べた。米国商務省は先月29日、サムスン電子、SKハイニックスの中国工場に米国産設備の搬入を許可しないと明らかにした。




「検証されたエンドユーザー(VEU)」の名簿から、これら企業の中国法人を外し、中国工場の生産能力を拡大するための設備の搬出搬入を許可せず、韓国企業は低価格製品だけを製造するしかなくなる。和気あいあいに仕上げられた首脳会談の後に生じた突発的な変数に、企業は慌てている様子だ・・・・これに対して室長は「私たちの防御ロジックは、サムスン電子とSKハイニックスが米国の友好国の核心企業であるということ」とし、「もし、装備が搬入できず、これらの企業が(中国から)抜け出すことになれば、中国はその代わりに、何でもかんでも(※自国で)作ることになるだろう」とした。それとともに「それなら、米国の統制権が弱体化することになる」と付け加えた。

金室長は「両企業が(中国工場で)生産する半導体は(全体の)30%ほどだ」とし「世界経済に(政府も)一緒に説得していきながら、努力しようとしている」とした・・・・金室長は今回の韓米首脳会談に対して「一瞬でも緊張を緩めることが出来なかった」と表現した。それとともに「(ハワードラトニック商務部長官が)『関税交渉にサインしなければ、首脳会談を控えて大変なことになるだろう』とも言った」とし・・・・金室長は「3500億ドルのファンドがどれだけ大きい金額なのか。為替レートが数百ウォンが動くほどの、外国為替市場に膨大な衝撃が及ぶことになるだろう、そんな金額だ」と話した・・・・それとともに「私たちがは外国為替問題でIMF入りを経験した国である、日本とは違うと説得したので、後半に(ラトニック長官が)私たちの問題提起を理解した」とした(韓国経済)・・>>

 




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