韓国政府「対米投資で使う金は5%だけで、95%は保証限度」・・今回公開された日米文書とはあまりにも合わない説明

さて、今回の日米の関税・貿易関連合意文書において、個人的に「日本からの5500億ドル投資をどう規定するのか」が気になりました。なぜなら、9月1日にもお伝えしましたが、米国側は「米国への直接投資」としていますが、韓国側は「直接投資もあるけど、ほとんどはローンと保証」としています。もちろん日本が提示した5500億ドルにも保証などは入っていますが、韓国政府の場合は「実際の金は5%だけで、ほとんどは保証」としています(8月28日ハンギョレ新聞)。しかし、今日ロイターが報じた内容によりますと、「投資先は日米が協議した上で米大統領が選定し、日本側が指定された口座に米ドル建ての即時利用可能な資金を拠出する」となっています。日本だけがこんな形だとは思えませんが、これだと韓国側の説明とはかなり差があります。

でも、なぜかこの部分に対してはこれといって記事が出ていません。日本は~だけど、韓国はまた別だ、と思っているのでしょうか。昨日も韓国政府の企画財政部次官がロイターとのインタビューで、同じく「ほとんどは保証と貸出」という趣旨を話しました。ハンギョレ新聞によると、米国側は「日本や韓国からの資金(投資金)で、国家の経済や安保のための基金として活用される」としていて、事実上「米国側が自由にできる」ものだと報じています。また、このように意見が合わないので、ファクト・シートなども存在しない、とも。記事のニュアンスからして、一応合意はできたものの、内容についてはほとんど議論していないように見えます。合意のとき、確かに時限ギリギリでしたけど。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・韓国政府が関税引き下げのために約束した3500億ドル(※いまは、民間投資1500億ドルが追加されています)の対米投資と関連して、トランプ政権がこれを「国家経済安保基金」の造成に活用するという計画を明らかにした。「実際のお金は5%だけ投資され、ほとんどは保証」だとする韓国政府の説明とは違いがある構想だ。米国が好きに対米投資金を使うという要求に、両国貿易交渉は膠着状態に入った。ハワード・ラトニック米商務長官は8月26日(現地時間)米CNBCとのインタビューで「日本資金、韓国資金、そして他の国々の資金で、国家および経済安全保障基金が造成されるのを見ることになるだろう」とし「彼らは米国の社会基盤施設を構築するために私たちに資金を出す」と話した。日本と韓国の資金が基金に入り、それを米国内の投資に使うということだ。ローンや保証などの方式ではなく、持分投資をしなければならない要求だと思われる。

米韓の関税交渉過程に詳しいあるワシントンの情報筋は27日、ハンギョレ新聞に「米国が事実上、自分たちの好きに要求できるように条件を出しており、交渉が膠着状態」とし「2月、トランプ大統領が行政命令で指示した米国型国富ファンドを日韓の資金にしようとしているが、韓国はファクトシートが出るのに時間がかかると思われる」と話した。




韓米両国は今回の首脳会談以後、報道参考資料である「ファクトシート」発表のために10回も会議したが、合意に至らなかった。先月30日、韓国は米国に合計3500億ドルの投資案を提示し、相互関税と自動車品目別関税などを15%に下げることに合意した。このうち1500億ドルは造船業、残りの2000億ドルは半導体・原子力・バッテリー・バイオ・核心鉱物など先端及び戦略産業分野に投資されると韓国政府は説明した。途方もない投資規模のせいで問題提起が相次ぐと、金容範 大統領室政策室長は8月3日、「3500億ドルをすべて現金で出捐するわけではない」という趣旨で、「実際に入るお金、すなわち持分投資は5%未満で、ほとんどは保証限度だ」と説明した。

それと共に「国家対国家の約束なのに、何も指定せずにお金を出す国があるだろうか」と話した。しかし先月、韓国と貿易合意の妥結直後から米国は3500億ドル規模の対米投資金が、ドナルド・トランプ大統領の指示を受けて投資され、今後利益の90%は米国が持っていくと主張してきた。これは日本と貿易合意の後に発表したファクト・シートでも繰り返されている、米国の立場だ(ハンギョレ新聞)・・>>  明日は1日休みをいただきます。次の更新は7日(日曜日)11時頃になります。

 




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おかげさまで、「日刊SPA!」にも、4日から3回連続でシンシアリーの記事が載ることになりました。新刊の内容の抜粋となります。
プレジデントオンラインに、記事が載りました。よろしければお読みください。新刊の内容の一部です。
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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