例のジョージア州バッテリー工場での件、韓国政府は「すでに合意できた。チャーター機で全員帰国させる」と発表しました。結局は現地での違法性が問題なのに、チャーター機まで出すのか、とちょっと驚きました(日本でのことではありますが、海外移住、国籍関連で書類を用意した経験のある私としては、なおさらです)。他にも、複数、「政府がもんんんんのすごく頑張って釈放合意できた」というふうに報じるところがあります。ただ、JTBCの報道(7日)によると、移民関税執行局(ICE)側は最初から「帰国するか、残って裁判を受けるかの二択だかんな」というスタンスだった、とのことでして。残る選択はまずありえないので、最初から全員帰国させようとしていたのではないか、じゃ、なにをどう合意したというのか、よくわかりません。
また、トランプ大統領は、「この件、米韓関係に問題はない」としながらも、SNSに「米国に投資する外国企業は、米国の法を尊重してほしい」と書きました(8日、聯合ニュース)。その投資を「させる」やり方についてはいろいろ言いたいこともありますが、「国内法を尊重してほしい」という文章は本当に「その通り」としか言いようがありません。昨日も書きましたが、韓国ではこの件が本当に大きな話題になっています。そして、その中に、「ちゃんと合法的にやりましょうよ」という指摘はありません。私が見つけられなかっただけかもしれませんが、本当にまったくといっていいほど、ありません。だからこそ、なおさら「その通り(大盛り)」です。
中には、現地の韓国人たちが、「仕事を作ってやったのに、裏切られた」と反応している、という記事もありました。韓国経済(8日)です。珍しく、記事は、「現地には少数だがこんな声もある」という書き方で、「書類をちゃんと用意しない人たちのせいで、ちゃんとしている人たちも監視されるようになってしまった」と報じています。また、地域の労働組合などは、違法的に就業した韓国人労働者たちのことで、それまで普通に働いていた労働者たちが解雇されつつあるとし、不満が強くなっている、とも。以下、各紙から<<~>>で引用してみます。
<<・・トランプ大統領はこの日、自身のソーシャルメディア「トゥルースソーシャル」に載せた文でも、外国の対米投資企業に向けて米国移民法の遵守を促しながらも、これら企業が米国に自らの人材を送るにおいての困難を解決すると公言した。彼は投稿で「ジョージア州現代バッテリー工場への取り締まり作戦以後、私は米国に投資しているすべての外国企業に韓国の移民法を尊重するよう促す」と書いた(聯合ニュース)・・>>
<<・・米当局がこれらの工場を捜査し、逮捕した人員の大部分は韓国人だった。韓国政府は自国民帰国のために米国と合意に達したと明らかにしたが、現地では「韓国企業が米国に莫大な投資をしたにもかかわらず、こんな取り締まりが行われたことに、うらぎられたと感じた」と伝えた・・
該当地域の韓国人団体のチャットルームには「私たちは一生懸命働き、事業を起こして雇用を創出したのに、支持はおろか、押し出されるような感じだ」との文も上がってきた。少数からは、「不適切な書類を提出した労働者たちによって、合法的に米国に滞在する人々にまで過度の監視が行われている」という反応も出ている。ただし、地域労組の一部では「違法的に移住した韓国人が私たちの雇用をうばっている」という主張も出てきたという。
配管工、溶接工、エアコン技術者などを代弁する地域労組188の事業管理者バリー・チーグラーは、「数ヶ月前、バッテリー工場で約65人の労組員が解雇されたとき、怒りを感じずにはいられなかった」とし「私たちは現場に出て立派な仕事をした。事故もなかったのに、その間、違法滞在労働者が私たちを置き換えた」とWSJに語った(韓国経済)・・>>
<<・・JTBC取材の結果、米移民税関取締局(ICE)は、二者択一を要求したと把握されました。すぐにアメリカを離れるか、法定争いを通じて在留資格を証明するよう求められた、というのです。具体的な提示案も出しました。まず、送還です。事実上、自主出国しろという圧迫なのですが、この場合、5年間、米国入国ができなくなるという条件も付けました。もし受け入れられなければ、4ヶ月以内に裁判を受けるように、とも言いました。ただし、法廷の争いが続く間、拘禁期間が長くなる可能性があるという警告もありました。そして、この2つの選択肢のうちの1つを10日以内に選ぶように圧迫しました・・・・現地では、裁判沙汰は実利益がないと見ています。逮捕された韓国人相当数が、適法な勤労ビザではなく、短期滞在や出張ビザで入国したためです(JTBC)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。