韓国政府、米国に「無制限」通貨スワップ提案・・「国際規範を守る日本・EUと協力を強化」とも

例の「3500億ドル」の件、いろいろ関連ニュースが集まったので、3つの記事の内容をまとおめてもう一度取り上げたいと思います。まず、コメント欄でも日韓通貨スワップの話が出ていましたが、これ日本にも同じ要請(要求?)をする可能性が高いので、そこが気になるところです。国際新聞など多くのメディアの報道によると、韓国政府代表団が米国側に要請したものは「無制限」の通貨スワップでした。日本と同じ条件(日本は米国と無制限通貨スワップを締結しています)にしてくれという意味でしょう。マネートゥデイによると、韓国政府は、記者たちの質問に、米韓関税合意そのものを白紙に戻す可能性についても、「すべての可能性がありえる」と話しました。また、韓国日報などによると、アメリカではなく、日本、EUとの協力を強化すべきだという話も増えています。記事の日付はすべて今日(15日)です。

そもそも、通貨スワップ関連の話が出たのが今朝ですので(今朝まではそんな話はありませんでした)。国際情勢の「流れ」に備えて他の国との貿易などを強化するとかそんな話ならまだ分からなくもないですが、3500億ドルといって合意したのはほかでもない韓国代表団のはずです。なんでそんなことで日本、EUの名が出てくるのでしょうか。記事によると、それは、「日本、EUが規範に基づいているから」だそうです。例のジョージア州工場の件もそうですが、「自分の行い」(合意の当事国)というものに対する考え方が、どうもズレているとしか言いようがありません。




ちなみに無制限通過スワップについては、政府側から出てきた情報ではありますが、取材したメディアによっては、「具体的な内容までは言えないと言われた」としています。一応、複数のメディアが同じ報道をしています。この「合意の細部調整」の話、なんか思ったより長引きすぎだとは思っていましたが(特に日米合意が文書化されたあとには、すぐに米韓合意も文書化されるだろうと思っていましたが)、いまのところ、かなりの長期化、または本当に合意そのものの見直しの可能性も、ないとは言いきれなくなりました。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・「一部の専門家たちが、関税交渉を完全に白紙化したり、むしろ米国投資をしない代わりに韓国企業を支援するようにする方案も念頭に置くべきとしているが、それについてどう思うのか」という質問に、「(※そうすることで)もし国益が少しでも守れる側面があるなら、様々な方案についてなやむことになるだろう」としながらも「具体的にいずれかの方案が最適なのか、それはまだ探っている」とした(マネートゥデイ)・・>>

<<・・政府が、最近米国と進行した関税交渉の後続措置として「無制限の米韓通貨スワップ」カードを提案したことが確認された。外国為替市場の混乱を防ぐため、米韓政府が安全装置を設ける必要があるという判断からだ。15日、企画財政部など関係省庁によると、最近、韓国政府は米国に無制限の通貨スワップ締結を提案した・・




・・企画財政部は「現在、対米投資交渉過程で外国為替市場の影響を最小化するための多様な方案を(米国と)協議中にある」とし「ただし、米韓の間の協議中の事項であり、それに対する具体的な内容は話せない」と明らかにした・・・・もし無制限の通貨スワップが締結されれば、為替レート急変など市場不安を潜在できる安全装置になることができる。金容範 大統領室政策室長は9日、放送記者クラブ招待討論会で「日本は基軸通貨国(※韓国ではハードカレンシー国も基軸通貨国と言います)であり、外国為替保有高も韓国の3倍に達する。また米国と無制限の通貨スワップが締結されている」と、交渉条件を改善するにはこのような問題が解決されなければならないという趣旨の発言をした(国際新聞)・・>>

<<・・政府高位関係者は「(米国以外に)規範に基づく国際秩序を支持する国々と協力強化に乗り出すだろう」と話した。欧州連合(EU)、日本、オーストラリア、カナダ、インドなどが対象に挙げられる。米国の関税圧迫以後、日韓が密着したのは、こうした外交政策変化の信号弾だ。この関係者は「環太平洋経済同伴者協定(CPTPP)加入推進も、事実上、確定的だ」と伝えた。 CPTPPは、2017年の米国の脱退以来、日本が主導するアジア太平洋地域の多国間自由貿易協定だ。英国、カナダ、オーストラリア、メキシコなど12カ国が参加している。加入時にこれらの国と全部自由貿易協定(FTA)を結ぶ効果がある。金民錫 国務総理も最近、日本経済新聞とのインタビューで「CPTPP加入を肯定的な方向に考えている」と明らかにした(韓国日報)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

おかげさまで、「日刊SPA!」にも、4日から3回連続でシンシアリーの記事が載ることになりました。新刊の内容の抜粋となります。
プレジデントオンラインに、記事が載りました。よろしければお読みください。新刊の内容の一部です。
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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