ええっと、同じ話ばかり続いていますが・・いま韓国で流行っている「3500億ドル投資より25%で4年間耐えたほうがいい」「日本のような形の合意はできない」などの主張に対して、意外な人が意外な内容の反論をしました。政府庁舎で開かれた記者懇談会での、金正官 産業通商部長官の発言です。米国との交渉を進めている一人だからかもしれませんが、韓国では「日本は間違った形で合意をした」というのが定説になっており、それ以外のことは認められない雰囲気です。「日本は大金持ちだから」とか、「米国と無制限通貨スワップがあるから」とか、「関税の差はなんとかしたほうがいい」とかの主張はありますが、これといって反論は見当たらないのが現状です。相手が日本だから、というのがもっとも大きいでしょう。
しかし、長官は、「あくまで私見」としながら、「それは日本が考えた日本の国益のための決定」であり、それは米国での日本企業のシェア維持などである、と反論しました。ノーカットニュース(17日)などが報じています。日本国内法に合わないときはいつでも破棄できるようになっているし、その5500億ドルという金額を一気に、一瞬で使いきるわけでもないというのです。「25%のまま4年間耐える」という話にも、米韓関係というものがあるかぎり、そうではないというニュアンスで話しました。韓国側の(一部のメディアならともかく)閣僚がこのような話をするのは、かなり珍しいことです。ただ、大統領自ら「得られるものがないのになんでサインするというのだ」とし、「国益」を理由に事実上の「膠着状態の長期化」を宣言しているような状況なので、今回の産業通商部長官のような主張が、支持を得ることはないでしょう。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・(※最初の見出し)「美の要求も流動的に変化中、韓国側の提案にも不合理な案あり」、「関税引き下げ、3500億ドルに比べて金額としては少ないが、米国との関係が未来を決める」、「(※関税を下げずに)関税補助金で耐えることもできるが、すでに私たちが知っていた米国ではなくなってる」、「日本は、最高の国益の接点探して合意した。車などの品目関税で有利な場所を先占する意図」評価・・韓国と米国の関税交渉が膠着状態を見せている中、金正官 産業通商資源部長官が現状について、「両側がウィン・ウィンできる最終ディールを探っている過程」と話した。金正官長官は16日、政府庁舎付近で進行した記者懇談会で、関税交渉の状況を尋ねる質問に「まだ流動的な状況なので、はっきり言うのは国益に対して役に立たないだろうが、ノイズとシグナルが混在して進行中」と述べた。
続いて「米国の状況も、細かい部分は変わりつつある過程であり(米国の要求も)流動的に変化している」とし「事実、私たちが提案する案にも不合理な案があり、机も叩いたり、大声を出したりするなど(両国の要求が)お互いに、タフに行き来しているといえる」と伝えた。最近、米国、韓国専門家の間で、巨額の対米投資を行うより、高率の関税を出し、資金は自国企業支援に使用する方が良いという指摘が出ていることについては、金額自体ではなく米韓関係の重要性を優先順位に置く必要があると述べた。
米国シンクタンクである経済政策研究所(CEPR)のディーン・ベイカー首席エコノミストは11日(現地時間)寄稿文を通じてドナルド・トランプ米大統領が韓国産製品に予告した相互関税を25%から15%に下げる代わりに韓国に3500億ウォンを要求していることは 「これを受け入れることは信じられない」とし、「関税引き下げのためにドナルド・トランプ政権にお金を払うより、むしろ自国輸出業者を支援したほうがいい」と提言した(※左側の学者で、前からトランプ政権と衝突が多かったという情報も出ています)・・
・・こういう提言に対して、金長官は私見であることを前提に、「3500億ドルに比べると15%(品目)関税を25%にしたほうがいい、関税補助金を与えて「トランプ政権の間、耐えよう」とする意見もあるのは知っている。しかし、次の世代がどんな大韓民国を継ぐことになるのかを考えてみると、もう10年前、20年前に私たちが知っている米国ではなくなっている。そんな新しく生まれた米国を相手にしており、米国との関係をどうするかが国の未来を決定する重要な判断になる」と話した。
先に米国と関税交渉を終えた日本に対しては、「日本が合意した背景には、MOUという理解のもとに、最高の国益の接点を見つけようとしたことがある」とし「私が考えるに、日本の国益は自動車、全品目関税で有利な立場を先取りするというもの」と評価した。続いて「日本のディールは、いつでも、日本側に不利だったり国内法に合わなかったりすれば破ることができる」とし「日本の立場では、プロジェクト過程でずっと協議することであり、日本側が5500億ドルというお金を、与えたからってそれで終わりでもないし、一気に出すわけでもないし、早めに米国と交渉して(競争国より有利な)条件を先取りするということ、そういうのがはっきり見える」と付け加えた(ノーカットニュース)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。