現代車、ジョージア州の車工場で米国人対象の大規模公開採用・・「もとからそういう約束だった」

この前、現代車とLGエネルギーソリューションが建設中のジョージア州工場で、大規模取り締まりがありました。当時、例の工場は現地住民を採用する条件で補助金を受け取っていたのに、実際はそうしなかったという指摘がありました。それから、労働者たちが帰国し、韓国メディアは「これはアメリカにとって大きなマイナス」「トランプ政権も後悔している」という趣旨の記事が相次ぎました。中には、「現地は『あまりにも大事な韓国労働者たちなのに』と嘆いている」という書き方の記事もあって、読んでいてちょっと笑ったりしました。現地の労働組合などは、結構前から「違法的な就業」を指摘してきたというニュースがすでに流れていましたので。

もちろん、これはかなり話題になった案件なので、熟練した労働者(本当にそうなら)を受け入れるためのビザ関連制度とか、そんなものが整備されるひとつのきっかけになる可能性があるでしょう。でも、何度も書きましたが、それらのメディアの記事が「違法的な手続きを行ったのが問題だ」と指摘することはまったくありません。しかし、現地の企業が感じる危機感は、そうでもないようです。ハンギョレ新聞によると、例の工場とは別ですが、同じくジョージア州の現代車の工場が、「米国人」対象の大規模公開採用を行いました。同じく、そういう条件で補助金をもらっていた、とのことです。「現地の世論を宥めるために」とも。現地の世論が、決して韓国メディアの報道とは異なるということでしょう。こんな動きがどれだけ見られるかはまだ分かりませんが、米国側からすると、例の取り締まりは結果的に「効いた」ということではないでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・現代自動車グループの米国ジョージア州メタプラントアメリカ(HMGMA)工場が、米国人を対象にした公開採用と投資計画を発表し、現地世論を宥めるための策に乗り出した。現代自動車グループメタプラントアメリカは最近、ソーシャルメディアに公告を出して、9月30日、地域の2年制技術専門大学である「サバナーテック」で採用博覧会を進行する予定だと明らかにした。これは、4日、現代自動車-LGエネルギーソリューションが合作で建設中のバッテリー工場で、米国移民税関取締局(ICE)が大規模取り締まりを行った後、初めて開かれる公式採用行事だ。

現代自動車側は「複数部門で人材を採用して現場面接を進行する」とし「行事はすべての人に開かれており、特に軍服務者と在郷軍人を優待する」と強調した。現代車は18日(現地時刻)ニューヨーク・マンハッタンでホセ・ムニョス最高経営者(CEO)が投資家のための行事を開き、ジョージア州にあるメタプラント工場の年間生産能力を30万台から2028年まで50万台に拡大する計画だと明かした。このために、これから3年間、ジョージア州の工場拡張に27億ドルを追加投資することにした。




ジョージア州サバンナに位置する現地地域放送局「WTOC」は18日、「移民税関取り締まり後の初の国内採用博覧会」と採用ニュースを伝えたのに続き、翌日(19日)には「現代車が移民取り締まり以来、ジョージア工場拡張に27億ドルを投資することにした」、「現代車がジョージア州と結んだ契約によると、約束された数十億ドルの税減免を受けるには、2031年までジョージア州で8000以上の正規職雇用を創出しなければならないという内容が明示されていた」と報道した。そして今回の追加投資で「3000の新規雇用が創出されるだろう」と「雇用において、移民取り締まりの対象にされた人々の分は、契約上の(米国で)創出されるべき正規職、には該当しない」と付け加えた。

現代自動車のメタプラントアメリカはすでに3129人の現地職員を雇用している。一方、メタプラントアメリカの現地職員も友好的な地域世論づくりに力を入れた。ジョージア州出身のブレント・スタブラと明らかにした同社員は18日、アトランタジャーナル(AJC)に寄稿文を出して、「メタプラント・アメリカ・リーダーシップ(工場幹部)の96%が現地出身で、職員のほとんどは近隣地域出身」と書いた(ハンギョレ新聞)・・>>

 

米韓関税合意の、対米投資3500億ドルが大きな話題になっています。そのことも、本件と似ている気がします。トランプ政権の関税政策、特にとのやり方について、肯定的に思っている人はそういないでしょう。私もまた、「これはない」としか思っていません。しかし、韓国メディアに「じゃ、そもそもなんで合意した」という指摘はまったくありません。100%相手の問題だという主張ばかりです。ジョージア州のこともまた、もっとも根本的な問題は「合法的な手続きを踏まなかった」ことです。そこをちゃんとしないかぎり、解決という出口は見えないでしょう。そういえば、李在明大統領が米国関連でまたいろいろ話しましたので、午後に取り上げてみたいと思います。

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

おかげさまで、「日刊SPA!」にも、4日から3回連続でシンシアリーの記事が載ることになりました。新刊の内容の抜粋となります。
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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