韓国検察、旧統一教会韓鶴子総裁を逮捕・・「前与党、投票権持ちの党員11万人が教徒」という報道も

さて、自分を「神の唯一の直系血統」「独生女」(一種のメシア思想だそうです)などと主張してきた旧統一教会の韓鶴子総裁が逮捕されました。内容が政治的なものに限られているのが残念ですが、逆に「だからこそ」検察がここまで動いてくれたという側面もあるでしょう。ノーカットニュース(23日)など、多くのメディアが報じています。基本的には、違法的な政治資金、賄賂などが問題になっていますが、個人的に気になるのは、「党員」です。国民投票でももちろんそうですが、政党の場合、党員の投票などの影響力は特に強くなります。たとえば党代表などを、「特定人物(大統領など)が望む人にすることができる」ようになります。また、政党の公薦(選挙で、政党の公式候補を決めること)でも、政党は党員の影響力を気にするしかありません。

1年に3ヶ月以上会費を支払っている「責任党員」が、その「1人1票」権利を持ちますが、その数は76万人になります。旧統一教会が、なにかの目的で責任党員11万人(11万人が全員責任党員なのかどうかはまだわかりませんが、仮定として)を「支配」しているなら、事実上、その政党を動かすことができます。本件、京郷新聞が特に力を入れていて、ソース記事は23日のものです。特に、韓国の政党は、たとえば「親尹(尹大統領支持派)」と「非尹(支持しない派)」でスタンスが全然異なり、離党なども当たり前です。そんな政党内で、「大統領が望む人を党代表にできるかどうか」は、大統領の国政運用においても大きな問題です。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・統一教教主韓鶴子総裁が23日拘束(※逮捕)された。メシア(救援者)で独生女だとし、「政教一致」理念を強調し、ついに国政壟断疑惑の一軸として、特検の捜査を受けて逮捕されることになったのだ。教団の最高指導者が拘束されたのは、統一教の創始後71年ぶりに初めてだ。特別検査チームは、総裁拘束を踏まえて、保守政権と政党を相手に行われたという政教癒着と選挙介入疑惑の実体の究明を総力で集める見通しだ。特検は統一教団レベルで行われた「政教癒着疑惑」を粘り強く捜査した末、結局、総裁の身柄を確保することになった・・・・総裁に適用された容疑は、政治資金法違反、請託禁止法違反、特定経済犯罪加重処罰法での横領、証拠隠滅教唆など4つだ(ノーカットニュース)・・>>

<<・・金建希女史(※尹大統領の奥さん)疑惑を操作中の特別検査チーム(特検)は、捜査過程で「国民の力」党員のうち統一教徒が11~12万人に達すると推定される、という分析を19日出しました。特検が統一教の120万人名簿と、党員約500万人名簿を対照して抽出した結果です。特検は、統一教が「国民の力」党代表選出を控えて尹錫悦前大統領夫婦が希望する候補を支持させる目的で、教人を集団入党させたという疑惑を捜査中です・・・・国民の力の「一般」党員数は444万人です。入党さえすれば一般党員資格を得ることができます。国民の力は一般党員の数を強調していますが(※もし特検の主張が事実だとしても、全党員の中の11~12万人の影響力はそこまで大きくないという主張)、捜査の焦点は「責任」党員の数です。




責任党員は入党後、1年に3ヶ月以上当費を出す党員で、昨年基準76万人でした。総党員の17%レベルです。責任党員が重要なのは、一般党員とは異なり、全党大会で「1人1票」権利が与えられるからです。一般党員は、少数だけが投票権を得ることになります。2021年の党代表選出のための全党大会を例にすると、一般党員は400万人に達しましたが、彼らの投票権は抽選で選ばれた4万3819人だけに与えられました・・・・(※特検によると、統一教高位幹部などは)2022年11月、教徒たちを責任党員として加入させる方案を議論しました。親尹派の議員を党代表として当選させるために、「3ヶ月前に責任党員を1万人以上確保しなければならない」という趣旨の対話を交わしたことが分かりました。全党大会の投票権付与時点は2023年1月31日でした。責任党員になるには、遅くとも2022年12月前には入党が必要でした。

実際に、当時、責任党員の数は暴増していました。2022年12月、当時国民の力緊急対策委員長は「昨年(2021年)全党大会責任​​党員が28万人だが、、今この瞬間、責任党員が約80万人で、ほぼ3倍近く増えた」と話しました。当時の京郷新聞が分析した結果でも、2022年の年末「国民の力の党員加入」の検索量が増加しました。当時の国民の力非常対策委員会は、2022年12月に党代表選出の時、党員投票は70%だけを反映するように(30%は国民世論調査)なっていましたが、それを党員投票100%反映にルールを変えました。尹錫悦前大統領が私的な場で「党員投票100%」に言及したという疑惑報道が出た後のことです。 70%しか反映されていない場合と比較すると、責任党員1票の影響力は43%も増加したことになります(京郷新聞)・・>> 今日の更新はこれだけです。次の更新は、明日(24日)の11時頃になります。

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

おかげさまで、「日刊SPA!」にも、4日から3回連続でシンシアリーの記事が載ることになりました。新刊の内容の抜粋となります。
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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