米ラトニック長官、韓国側に対米投資増額を要求・・韓国李大統領はベッセント長官に「通貨スワップがないと対米投資交渉はここまで」

連日のように「3500億ドル対米投資」関連ニュースが相次いでいます。李在明大統領がベッセント米国財務長官に「通貨スワップがないと3500億ドル投資できない」と背水の陣を敷いたというニュースも出ています(25日、チャンネルA)。しかし、ほぼ同時に、ウォール・ストリート・ジャーナルが、米国が韓国に対米投資の増額を要求した、と報じました(26日、ファイナンシャルニュース)。記事によると、米国側は、韓国に対して日本と異なる条件を認めた場合、日米の合意の信頼性に問題が発生する可能性を懸念しており、日米の関税合意をベンチマークとしている、とのことです。増額について話したとされているのはラトニック・ハワード米国商務長官です。たしか、日米が関税合意できたとき、「韓国は驚いているだろう」と話したことがあります。

個人的に、何度もトランプ政権の関税関連の「やり方」は問題ありありだと思っているし、ブログにもそういう趣旨を書いてきました、ただ、当時、ラトニック長官が言ったことは、「確かにそうかも」と思いました。当時複数の韓国メディア(政府代表が米国との交渉でこんな話をしたかまでは分かりませんが)は、日本は韓国より米国との関税交渉が遅れているので、日韓(記事によってはインド、中国まで含めて)が一緒に対処すれば米国を動かすこともできる、と主張していました。ちなみに、日本側からそんな動きはありませんでした。さて、「強硬論」がどんどん強くなっている韓国、そして増額要求。韓国ではしばらくこの話題が続きそうです。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・ハワード・ラトニック米商務長官が、韓国の対米投資規模を既存の3500億ドルから小幅増額することを要求し、米韓貿易交渉が再び不安定になったとウォールストリートジャーナル(WSJ)が25日(現地時間)報道した。報道によると、ラトニック長官は韓国政府に3500億ドルの投資案を一部増額し、最終金額を日本の対米投資規模である5500億ドルにもう少し近づけようと提案した。彼はまた、交渉過程でトランプ政権が投資額相当部分を融資ではなく「現金(cash)」で確保したいという立場を非公式的に伝達したことが分かった。李在明大統領は「通貨スワップなしで3500億ドルを全額現金で米国に投資すれば、1997年のような金融危機と同じ状況になる」と話した。韓国政府は現金よりは保証中心の投資パッケージを推進して、外国為替リスクを最小化しようとする立場だが、米国は日本のような条件を要求して圧力をを強化している。

ラトニック長官と米交渉団は、日米貿易合意をベンチマークした条件を韓国にも適用しようとしている・・・・5500億ドル規模の投資を約束し、元金回収以後には(※回収までは5:5)投資利益の90%を米国が持っていく内容の了解覚書(MOU)に署名した。トランプ大統領はこれと同時に行政命令を通じて関税引き下げを行った。ラトニック長官は、韓国が日本と同じ5500億ドル規模になることは難しいと認めながらも、「日本と締結した条件の大部分を受け入れなければならない」と釘を打った。WSJは「彼は韓国に、日本と全く違う合意を提示するという印象を与えたくないようだ」とし、それは、日米間の拘束力のない合意の信頼性を下げないための意図だと伝えた(ファイナンシャルニュース)・・>>




<<・・米国ニューヨークを訪問している李在明大統領(※国連総会でのことで、トランプ大統領とは会わなかったそうです)が、スコット・ベッセント米国財務長官と会いました。関税交渉の議論で、3500億ドルをただで出すわけにはいかない」、とし、私たちの要件として言及したのが通貨スワップでした。大統領室は、これが解決できなければ、これからさらに進むことはできないと排水陣を敷きました・・・・現地時刻24日午後、米国ニューヨークでスコット・ベッセント米財務長官を接見しました。関税交渉を議論したこの場で、李大統領は通貨スワップを要求しました。対米投資額で合意した3500億ドルは、韓国為替保有庫の80%を超える規模であるだけに、ドルをいつでも空輸できる通貨スワップは要件だと強調しました・・

・・「無制限の通貨スワップは必要条件です。その問題が解決しなければ、その後は全然進むことができないのです」。金容範 大統領政策室長は、それが終わりではないと言いました。後日、また議論にならないように3500億ドルの支払方法を文書化しようと提案したものの、まだ返事はなく、収益配分も米韓の間で意見が異なります。大統領室の関係者は、「米国は、投資すれば収益を90%もらうという」としているが、「我々は、元金回収前には我々が90%の収益を取り、回収後に米国が90%を取るよう提案した」と話しました(チャンネルA)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

おかげさまで、「日刊SPA!」にも、4日から3回連続でシンシアリーの記事が載ることになりました。新刊の内容の抜粋となります。
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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