韓国メディア「米国がゴールポストを動かしている」とするも、医薬品、半導体で新しいトランプ関税

トランプ大統領は、10月1日から、医薬品で100%の関税が発動するとしています(日本の場合、医薬品も15%が適用されるというニュースも出ています)。日本は約4000億円規模、韓国は去年基準で約2000億円(1兆9千億ウォン、京郷新聞26日)規模だそうです。また、試案ではあるものの、半導体を「米国内で生産したのと同等の分だけ、関税無しで輸入できる」ようにするという話も出ています。終わらない、「関税の彼方」無限上(上げ)編。15%でも結構大変でしょうけど、100%の場合はどうすればいいのか、想像もつきません。

中央日報(21日)は、ゴールドマンサックスの8月報告書をもとに、「6月基準で、米国の輸入企業が関税の64%を、消費者が22%を、輸出企業が14%をそれぞれ負担している」、「10月以降は、消費者が67%、輸出企業が25%、輸入企業は8%だけ負担することになる見通し」と報じました。産業分野別に異なるとは思いますが、本当に消費者や輸出企業がこんなに負担することになるなら、価格競争力で勝つのはまず難しいでしょう。特に半導体の場合、韓国にとっては本当に「これだけは」な分野なので、これから「自主派大統領」がどう動くのか、気になるところです。昨日、今日もまた多くの関連記事が出ていますが、個人的に、MBNの「米国がゴールポストを動かしている」という記事と、YTNの「韓国とは通貨スワップをしない米国が、なんでアルゼンチンには通貨スワップを提案するのか」という記事をチョイスしてみました。ともに26日のものです。ちなみに、アルゼンチンに対しては、中国との通貨スワップをやめるように、と要求しているというニュースもあります。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・関税交渉のゴールポストを動かす米国・・まずまず難しくなる関税交渉(※題)・・・・このように、米国が関税交渉で無理な要求にこだわり続け、交渉が前に進む兆しが見えない状況にあります。米韓両国が強硬な姿勢を続けている中、大統領室は「国益を最優先とする交渉をする」という立場を改めて強調しました・・・・李在明大統領は国連総会出席車ニューヨークに到着するとすぐに米国上下院議員に会い、関税後続の交渉で「商業的合理性」を強調しました。ベッセント米国財務長官と会って、米韓通貨スワップは避けられないという意見も伝えました。米国の立場では、私たちは基軸通貨国ではなく(※韓国ではハードカレンシーも基軸通貨と言います)、私たちの通貨スワップ要求に応じるのは容易ではありませんが、米国の無理な要求が続く状況で、私たちも強く出たという分析です・・・・【金容範 大統領室政策室長(24日)「米国がその後にMOUと私たちに送った文書にはそんな(そもそも合意)内容とはかなり判別するように異なる内容がありました」・・

(※ソース記事には詳しく書いてありませんが、韓国の政府の話だと、米国との関税交渉が合意できたときは、韓国政府はローンや保証で3500億ドルという認識だったのに、後になって米国側が「現金による直接投資」という意向を明らかにしてきた、ということになっています。真偽の程は分かりません)




・・しかし、トランプ大統領はむしろ医薬品に100%関税をかけると発表し、医薬品の品目別関税に「最恵国待遇」を期待していた国内製薬企業を驚かせました。このように交渉が長期化され、来月末に開かれるエイペック(APEC)首脳会談までも最終妥結ができないのではないかという観測も出ています。その時、トランプ大統領と李在明大統領の首脳会談が開かれれば、いわゆるトップ・ダウン方式で交渉で進展がありえるのではないか、という期待もあります(MBN)・・>>

 

<<・・ドナルド・トランプ米政権が、経済危機で国際通貨基金(IMF)支援を受けているアルゼンチンに200億ドル規模の通貨スワップを約束して、支援に乗り出しました。韓国政府が対米投資のために要求する通貨スワップについては控えめな反応のトランプ政権が、アルゼンチン政権に対しては、まだ要請も受けていないにもかかわらず、先に通貨スワップを提案したことは注目すべき部分です(※韓国が米国との関税交渉で要求しているのは、無制限の、いわゆる「常設スワップ」です)。現地時間25日、ロイター通信などによると、スコット・ベッセント米国財務長官は前日、「米国はアルゼンチンを支援するために必要な措置を取る準備ができている」とSNSに投稿し、「通貨スワップなどすべての可能なオプションがテーブルの上にある」と明らかにしました(YTN)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

おかげさまで、「日刊SPA!」にも、4日から3回連続でシンシアリーの記事が載ることになりました。新刊の内容の抜粋となります。
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。