昨日(9月30日)、石破茂総理が訪韓し、日韓首脳会談がありました。韓国メディアの報道は概ね「基本的な内容だけだった」としています。また、「『期待していた』発言・措置は何もなかった」、と。ただ、会談の後に記者団に話す形で、石破総理は「歴史を直視する勇気が必要だ」と話しました。そこをピックアップする記事も結構出ています。6月G7首脳会談でも会ったし、京郷新聞によると「38日前にも」李在明大統領が(訪米する前のスコア稼ぎとして)訪日したこともあるので、これといって話す内容もなかったでしょう。「YOUはなにしに(略)」と言ってしまえばそれだけですが。
ちなみに、昨日「凍結と中断」に関しての指摘を紹介しましたが、今回の日韓首脳会談で「朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和構築に対する確固たる意志を改めて確認した」という報道もも出ています。中断がどうとか言っていたので、これは李大統領としてはイヤイヤパターンだったかもしれません。ちなみに、会談の前には、「別れのプレゼントとして、『前向き』な発言(記事によっては『措置』など)を持ってくるのではないか」という記事が結構出ていました。引用はしませんがノーカットニュースが「石破総理はシャトル外交を復元しており、最後の日韓首脳会談でなにか意味のある言及があるのではないか注目される」と、世界日報が「訪韓する石破、別れのプレゼントを持ってくるのだろうか」、などなどです。
ただ、いざ会談が終わると、「結局、壁を超えることはできなかった(全南日報)」「過去問題については基本的な話だけ(京郷新聞)」「最後までその口は開かれなかった(オーマイニュース)」「あまりにも短い期間だった・・問題解決には力不足(ニュース1)」など、期待していたようなものは出てこなかった、という趣旨です。特にニュース1は、「両首脳は、両国関係の改善に意を集めたが、石破総理は結局、韓国政府が望んだ前向きな措置を取らずに退くことになった」と書いています。これがもっとも本音に近い書き方ではないでしょうか。ソース記事は京郷新聞(9月30日)で、こちらは「基本的なことしかなかった」とする類です。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・李在明大統領と石破茂日本首相は(※9月)30日、釜山で開かれた首脳会談を通じて日韓首脳の間のシャトル外交が安着したことを、対外的に確固たるものにした。李大統領就任以後、8ヶ月が満たされない間、3回目に出会った両首脳は、出会いが繰り返され、「挨拶→両国協力の青写真提示→共通社会問題協議体運用」というふうに、具体的な事案に接点を導出していくように意を合わせてきた。今回の首脳会談は李在明政権の対日外交路線である「過去問題直視するが、未来志向的に協力していこう」というツートラック基調で、協力部分をより具体化したものだという分析が出ている。ただし、今回の会談でも過去問題は本格的に取り上げられなかった。
両首脳が、必要なときにいつでも訪問して懸案を議論できるシャトル外交の基盤を磨いた点は、外交的に評価される部分だ。李大統領は66月、カナダの主要7カ国(G7)首脳会議で石破首相に会い、シャトル外交を再開することを意図した。それから2カ月ぶりの8月23日、李大統領が東京を訪れ、それから再び38日ぶりのこの日、石破首相が釜山を訪ねて3回目の会談が開かれた(※こんなにやるほどなにか話し合う案件とかはあるのでしょうか。個人的に、無理して案件を作っているようにしか見えません)。
具体的には、両国が共に経験している社会問題の解決策を模索するための協議体をどのように運営するか、案を導き出し、文書化までしたことも実質的な成果として挙げられる。8月23日、東京首脳会談で両首脳は共同発表文を通じて外交・安保、経済、社会、文化、環境など5大分野で協力の大きな絵を明らかにした・・・・北朝鮮核問題で朝鮮半島の完全な非核化・恒久的な平和構築に対する確固たる意志を再確認したと大統領室は伝えた。激変する貿易秩序の中で同様の立場を持つ隣人であり、グローバル協力パートナーとして共同対応する必要性にも共感した。これは、ドナルド・トランプ米大統領主導に急変するグローバル通常環境に共同対処が必要であると解釈される。
過去問題に関しては、基本的な対話だけが行われた。李大統領は「歴史を正面から見なければ明るい未来に進むことはできないという石破首相の国連総会基調演説内容は、私の考えと同じだ」とし、石破首相はこれについて「それをおっしゃってくれてありがとう」と話した・・・・次期首相で誰が選ばれるかによって、両国首脳外交で固めた協力の枠組みをゼロベースで再開しなければならないのではないか、という懸念もある。石破首相は首脳会談後、日本取材陣と会って「他の国なので認識の差があるのが当然だが、歴史を直視する勇気、誠実さを持たなければならない」とし「次の政権に望むのは、やはりこの関係を不可逆的に、戻さず、発展的に推進していくこと」と話した(京郷新聞)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。