複数の韓国メディア「レアアース、中国依存が80~100%」・・日本をベンチマークすべきとの主張も

レイアースのアニメリメイクするとかそんな話ありましたが、それはともかくとして・・希土類(レアアース、レアメタル)関連記事が増えてきました。中国がAIから防衛産業まで幅広く輸出関連措置を取ると発表、それを受けてトランプ大統領が11月1日から100%の関税をかけると宣言するなど、また米中関係が揺れています。その流れを気にしての記事でしょうけど、複数のメディアが前から同じ指摘をしてきました。韓国の場合、半導体、バッテリーなどで、素材にもよりますが80~100%を中国から輸入している、とのことでして。減らそうとする努力もなく、日本や米国とは異なり、毎年増えつつある、とも。SBS(11日)は、長期化の懸念を主に報じています。ちなみにトランプ大統領、一応APECには参加すると再確認しており、米中首脳会談も「多分」開かれるのではないか、とされています。

合意までは期待できそうにないですが、せめて何かの結果(少なくとも猶予期間延長など)が出せないと、米中関税交渉は決裂の可能性まで見えてきました。いまのところ、決裂までいく可能性が「高い」とは思えませんが・・長期化よりも「根本的な解決はできそうにない」のがもっと問題でしょう。トランプ大統領いわく(SNS)、中国の希土類関連措置について多くの国から書簡を受け取っている、とのことでして。「なんとかしろ」ってことでしょう。それは、世界中の国々が影響を受けるでしょうし、日本も例外ではないでしょう。しかし、朝鮮日報(11日)の社説によると、日本は中国からの輸入を減らしつつあり、2010年には90%だった日本の希土類中国依存度は、いまは50%台後半になっている、とのことです。韓国の場合は、李明博政権の「資源外交」以降(その政策が失敗したのも事実ですが)、文在寅、李在明政権では資源外交についての政策を行っておらず、記事いわく、それは「「右側のやったことだから、という理由ではないのか」、とも。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・半導体の核心材料である希土類輸入の80%を中国に依存している状況で、米中の衝突が長期化すれば、韓国経済にはとてつもない影響を及ぼすという見通しが出てきます。半導体の精密装備に使われるジスプロシウムなど7種の希土類について、中国は今月8日から中国商務省の承認を受けて輸出するようにしました(※技術関連も含めてかなり広範囲な措置で、記事によっては『全方位』とも言われています)。12月からは中国外で生産した製品も、該当する希土類が混ざっていれば許可を受けるようにしたが、このため米中対立が長期化するほど、希土類輸入の80%を中国に依存している韓国企業の負担は大きくなるしかありません・・

・・(米国で)軍事用に使われる場合には、韓国のHBM生産する半導体企業にも統制が可能になるようにする措置まで含まれている状況です・・・・制御対象の希土類が含まれている機器で製品を生産しても、輸出入の承認手続きが長くなることがあり、サムスン電子やSKハイニックスなど国内半導体企業は状況展開を鋭意注視しています。米中貿易対立は、国内外国為替市場の不安を高め、ウォン・ドル為替レートなど通貨安への圧力としても作用します。米国と中国が単に関税にとどまらず、技術と資源まで本格的に武器として正面衝突する様相も、輸出依存度の高い韓国経済にはクリティカルな状況になる可能性があります。世界のサプライチェーンが分断され、不安定になり、投資が萎縮して消費鈍化までもたらし、世界経済を不況になる可能性も考えられるからです(SBS)・・>>




<<・・15年前、私たちと似た状況に追い込まれた日本は、いまは状況が違う。日本は2010年の「尖閣紛争」の時、中国が希土類供給を止める措置を取ると、政権が何度も変わりながらも、一貫して希土類脱中国政策を推進した。日本政府主導でオーストラリア企業に投資するなど供給ラインを多様化した結果、2010年に90%を超えていた中国希土類依存度は、50%台後半まで低くなった。これに政府主導のR&Dでハイブリッドモーターの重希土類使用量を50%も減らす技術を商用化し、希土類消費量自体を40%以上削減することにも成功した。「資源安保」という一貫した目標の下、15年間積み重ねた防波堤である。韓国は、李明博政権だった頃に推進した海外資源開発を、政権が変わるやいなや「投資失敗」であり「積廃」であるという政治的レッテルを貼って、捜査を始めた。

5年ごとに、政治的理由で国家政策がひっくり返る国で、どの企業が数十年を見据える資源開発に飛び込むだろうか。結局、私たちは自ら「資源安全保障」の芽を切って、10年もの時間を無駄にしたのだ。その結果が、電気自動車モーターとスマートフォンに必須であるネオジムの中国依存度は15年前と同じ87~88%、高性能永久磁石用酸化ジスプロシウムは100%だ・・

・・もはや他の政権を批判して自分の政権の利益とし、国益を犠牲にする後進的な行動を繰り返すべきではない。与・野党は資源安全保障を政治的中立地帯として宣言し、科学的データに基づいて資源政策を推進するコントロールタワーを立てなければならない。海外資源開発事業は長期的な見方が不可欠である。短期的な見方で失敗を断定する愚かなこともやめなければならない。海外資源開発は再開されなければならない。実用政府なら、目の前のことばかり見てないで、10年、20年を見据える本当の対策を出すべきだ(朝鮮日報)・・>>




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。