韓国メディア「トランプ大統領、なぜ日本には2泊3日で韓国には1日だけなのか」

一つ前のエントリーでも似たような趣旨を書きましたが、アペシ・・じゃなかったAPEC関連で多くの記事が出ています。さすがに、トランプ大統領の訪韓の前までは何かの進展(非公開にする部分も含めて)があるのではないか、個人的にはそう見ています。なにせ、何も用意できなかったら、米韓首脳会談そのものが危うくなるからです。これ、略式でもかなり問題になります。大統領の日程もあるしそんなこともあるだろう、といったところですが、政府、メディアともに、このAPECを「実用外交」の最大の見せ場として演出してきました。内容はともかく、米中・米韓首脳会談(正式)がないと、いろいろマズくなります。大統領を王のように考えている多くの政治家さんたちが、体面のためにも何かを用意するのではないか、そう思われる今日この頃、やっと季節が変わったかなと感じる今日この頃です。

で、そのAPEC関連記事「群」に、高い確率で出てくるのが、「関税交渉で同盟の価値を決めるな」というフレーズで、またそこから高確率で出てくる話が「なんで日本には3日間(二泊三日)で、韓国には1日だけ(日帰りの可能性)なのか」、です。10日の記事ですが、ソウル新聞(記事1記事2)を紹介します。そういえば、尹錫悦大統領の時には、バイデン大統領が日本より韓国に先に訪問して、それはもう、大きな大きな、とても大きな話題になりました。いま思えば「まじで、なんだったのか」としか思えませんが。当時ほどではないにせよ、同じ心理が動いていると見るべきでしょう。APECを「超」重要視する記事が溢れているのも、もちろん程度の差はありますが、李明博政権の「G20」騒ぎを思い出さずにはいられません。なにもかも変わっていない、といったところでしょうか。変わってないのに「安定している」などとはまったく思えないのは、またなぜでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・トランプ大統領がAPEC首脳会議にパッとしない態度を見せる背景には、米韓の間の関税交渉がある。外交情報筋は、「アジア地域訪問に出たトランプの立場としては、各国との関税交渉による成果を誇示しなければならないが、韓国はこれに該当事項がない点から、韓国訪問に大きな魅力を感じることができないのかもしれない」と述べた。朴元坤 梨花女子大学北朝鮮学科教授は中央日報とのインタビューで「トランプ大統領の今回の訪韓日程が無泊、もしくは1泊2日に確定すれば、それは一般的なこととは思えない」とし「米国大統領が日本と韓国を相次いで訪問する時は、通常、日程のバランスを考慮するが、日本では特別な懸案がないにもかかわらず二泊三日も滞在し、韓国ではAPECが開かれるのに本行事に出席しいとなると、同盟関係のバランスが揺れたとしか見ることができない」と話した。

また、多国間協議より2国間の会談を好むトランプ大統領の外交スタイルが影響を及ぼしたという分析もある。 APECの本来の趣旨である自由貿易増進は、関税交渉を要求しているトランプ大統領の現在の歩みと衝突するためだ。「国際社会復帰」を宣言する象徴的外交舞台だという点に意義を置いて(※韓国では、尹錫悦大統領の弾劾のあとの大統領権限代理の時期を「国際社会から外れていた期間」としているため、こんな表現がよく出てきます。実際はあまり変わってなかった気もしますが)、経済協力、人工知能(AI)協力、サプライチェーン安定、気候対応などグローバル議題を主導するという目標を込めた「慶州宣言」(仮称)を推進中の韓国政府としては、依然として米国側とトランプ大統領の日程について話し合っているという(ソウル新聞記事1)・・>>




<<・・ドナルド・トランプ米大統領の訪韓日程が、アジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議には参加せず、29日の日帰りまたは最大1泊2日になると知られ、その背景が注目されている。トランプ大統領が訪韓前に日本で三日間も滞在することを考えると、関税交渉妥結の可否が両同盟国の訪問期間を分けたのではないかという分析が出ている。トランプ大統領は29日、日帰りまたは1泊2日の日程で、米韓首脳会談、米中首脳会談を消化した後、出国すると予想されている。外交当局は、まだ米側とトランプ大統領の日程を調整していることが分かった。トランプ大統領は7日(現地時間)ホワイトハウス執務室で「数週間後、習近平中国国家主席と韓国で会談する予定」と明らかにした。

トランプ大統領は、多くの国家首脳が集まる多国間会議ではなく、両国間会談を好むと知られている。それにもかかわらず、今回の訪韓日程がここまで短いことについて、異見が続いている米韓関税交渉の余波ではないかという分析が出ている。両国は、直接投資の割合や収益配分を置いて意見の違いが大きく、2カ月以上も妥協を見ることができないでいる。一方、日本は米国との関税交渉を終えた状態だ。6日、訪米日程を終えて帰国した金正官 産業通商部長官は、「韓国の外国為替市場について、相当な共感が得られたと考えている」としながらも、対米投資構成、投資先選定などに関しては「具体的な議論にはならなかった」と話した。まだ関税交渉が進行中であるだけに、妥結の可否によってトランプ大統領の日程が調整される可能性もあるといえる(ソウル新聞、記事2)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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