具体的な内容はまだ分かりませんが、米国が韓国の通貨スワップ要求を受け入れた、と報じられています。ベッセント財務長官曰く、後10日内(トランプ大統領の訪韓の前)には合意できるだろう、とも。国民日報(16日)など多くのメディアが報じています。韓国では速報がたくさん出てくるほどの超重要案件となっています。はてさて、本当に「無制限通貨スワップ」が受け入れられたのか、それとも無制限ではないけど何かの形で通貨スワップに米国側が応じることになったのか、それとも、まだFRS側などとは具体的に話さず、米中首脳会談での成果が分からなくなったので、急いで意見を言っただけなのか。どういうレベルの話かは分かりませんが、韓国側からすると急進展です。本ブログとしても、この件を何度も書いてきたので、チョイスしました。
ちょうど各メディアが「米国側が新しい条件を出し、閣僚レベルが訪米する」と報じていますので、本当になにかあったかもしれません。ただ、アジア経済(16日)によると、トランプ大統領はまた「韓国の3500億ドル、日本の6500億ドル(5500億ドルの間違い?)は『前払い(現金すなわち直接投資としていつでも用意できる金額、という意味だとされています)』と発言しました。通貨スワップ付きで現金(対米直接投資の形)と言ったかもしれませんが、「新しい条件を出した」人の発言にしては、前と同じままです。米韓首脳会談で、やっと自動車関税15%を含めての関税合意(の合意)が出来るのでしょうか。もし出来たとしても、マイナーではありますが一部の専門家が指摘してきた「通貨スワップは、単なる『ドルを用意できる容易な手段』ではない」という側面はどうなるのか、気になるところです。
分析する人によって少しずつ異なりますが、かかり利息は「年4.5%で、3500億ドル全額を借りてきたと仮定した場合、年間金融費用、すなわち利息は150億ドル(約21兆ウォン、OIS+25bp)に達する」、「予想される金利は5.5%前後で、3500億ドルを4年間で返済すると仮定すれば、利息費用だけ724億ドル(約101兆4000億ウォン)に達する」などの意見が出ています。もし訪韓したトランプ大統領が李在明大統領と合意の合意ができて、通貨スワップ関連の話もまとまるなら、韓国政府は大勝利(感涙)を演出するでしょうけど、利息の話とかもちゃんと出てくるのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・スコット・ベッセント米財務省長官は15日(現地時間)、自身が連邦準備制度(FRS)議長だったら、韓国はすでに通貨スワップの対象になっているだろう、と述べた。彼は米韓貿易交渉が今後、10日以内に終わるだろうと楽観した。膠着状態にあった米韓貿易交渉が、今月31日に開かれるアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議を控えて、急進展を見せている姿だ。ベッセント長官はこの日、ワシントンDC財務部で開催した記者懇談会で、韓国が要請した無制限通貨スワップに関する質問に、「財務部が通貨スワップを提供するわけではなく、それは連邦準備制度の所管だ」としながらも、「私はその議長ではないが、もし私が議長であるなら、韓国はシンガポールのように、すでに通貨スワップを結んでいるだろう」と話した。米国とシンガポールは、2020年3月に600億ドル規模の通貨スワップを締結した。
彼は、米韓の間の対米投資の異見に関連する質疑にも、「私は、異見が解消されると確信する」とし「私たちは現在、話し合っており、今後10日以内に何かがあるだろうと予想している」と話した。核心争点である3500億ドルの対米投資方式について、米韓の間の見解には差があるが、解消できるだろうという説明だ(国民日報)・・>>
<<・・ドナルド・トランプ米大統領は15日(現地時間)、韓国が米国との貿易合意の一環として約束した対米投資金3500億ドルと関連して、「前払い(up front)で支給することにした」と再度主張した。この発言は、トランプ大統領が各国にかけた相互関税に対する最高裁の判決を控え、「関税が米国の経済・安保にとって重要である」という趣旨で主張する中で、出てきた発言だ。トランプ大統領はこの日午後、ホワイトハウスでの記者会見で、自身の「関税による成果」を紹介し、「日本と韓国は共に署名した。韓国は3500億ドルを、前払いで、日本は6500億ドルに合意した」と話した。ただし、トランプ大統領が言及したこととは異なり、日本が米国と合意した対米投資規模は5500億ドルだ。トランプ大統領は先月25日にもホワイトハウスで取材陣と会って、韓国が米国に投資する金額を3500億ドルと再確認しながら「それは前払いだ」と話したことがある(アジア経済)・・>>
先も書きましたが、他にも韓国政府の閣僚が急に訪米、または他の会議参加のために出国していた人が米国側と会談を開催するなど、いろいろ動きがあるのは事実です。さて、やっと合意(の合意)できるのか。通貨スワップ付きで現金のままなのか、それとも投資方式においての緩和(ローンや保証の割合を増やす、など)なのか。それは、米国側にとって意外なことなのか、それとも米国側は、最初から条件の緩和まで視野に入れてたのか。とりあえず、勝手に1000億ドル増やさないでほしいところです(そっちか)。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。