韓国中央銀行総裁「FRBだろうと財務省だろうと、通貨スワップは難しい」

さて、ハロウィン・・の前のAPEC首脳会議が近づいてきました。トランプ大統領はまた発言スタンスを変え、「(APECで中国と)日本EU韓国のように、素晴らしい協定を結ぶだろう」と話していますが・・やはりもっとも注目されているのは、この米中首脳会談がどうなるのか、でしょう。TVP(タコVSプー)勝手に戦え・・といったところでしょうか。まだ首班指名選挙の前ですが、高市早苗総裁も総理になった場合はAPECに参加するというニュースもあります。でもその前に日米首脳会談が予定されているので、日本初の女性総理との日米首脳会談ということで、こちらも盛り上がることでしょう。

そう考えると、APECで韓国は「議長国」という側面以外はあまり話題になりそうにありませんが・・「実用」「仲介」「国益」などのキーワードとともに、まだまだ韓国メディアの「APEC万能論」記事群は健在です。個人的に、そんな雰囲気もあって、さすがに韓国側がなにかの合意案を用意するのではないか、と思っています。非公開の部分で韓国側が何かを譲る(諦める?)ことになるとは思いますが、チェコ原発などのこともあって「裏合意などしない」と宣言していた李在明政権の人たちが、どこまでできるのでしょうか。そんな中、KBSは21日の記事で、「まるで通貨スワップが必須条件のような雰囲気だが、米国と韓国の中央銀行からは何もコメントが出ていないし、総裁同士が会った場でも、その話はしなかったという」、と。韓国銀行総裁のインタビューによると、米国のパウエル議長と会った際に、「この件は現在の問題とは合わないものなので、通貨スワップ関連の話はしなかった」とのことでして。




総裁は、通貨スワップは出来ないと分かっていたという意味でしょうか。となると、あれだけ通貨スワップで騒いでいたのに、いざ中央銀行総裁とは何も相談しなかったことになります。また、「FRBだろうと財務省だろうと」と話しており、17日に紹介した、アルゼンチンのペソを買い入れる政策のように迂回的な・・というか、「通貨スワップのような何か」も、できそうにないという意味だと思われます。「3500億ドル全額現金(直接投資)」から米国側が立場を変えた、というニュースがいくつか出ていますが、米韓共になにかの発表はありません。KBSは、「ほとんどの部分で意見が近づいたという話が多いが、中央銀行総裁の話は、どうもニュアンスが異なる」と報じています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・李昌鏞 韓国銀行総裁が、米韓通貨スワップは難しいと思う、と展望しました。韓国の外国為替市場の状況を米国が理解しているという政府の説明とは、多少ニュアンスが異なる発言です。通貨スワップの代替案が議論されているのか、終盤の駆け引きは、まだまだ見えない霧の中です・・・・米国との関税交渉において「通貨スワップ」が取り上げられた事実が公開されたのは、先月の中旬です。【李在明大統領、先月22日「(通貨スワップがない状態で)3,500億ドルを引き出し、今のまま米国が要求する方法で全額を現金で送金、投資しなければならない状況になると、私達は再びIMF入りの期間を迎えることになります」】




通貨スワップは必要な条件だという発言も重なり、通貨スワップできるかどうかが、関税交渉を左右するように映りました。【金容範 大統領室政策室長、先月25日「その問題が解決できなければ、なにもかもそこからは進むことができないのです。必要条件です」】。しかし、通貨スワップ契約の当事者となる両国の中央銀行からは、全く言及がありませんでした。米国連邦の代わりに財務省と類似通貨スワップを締結する案など、実験的代替案も取り上げられましたが、韓国銀行は米国連準でも財務省でも、通貨スワップは現実性がないと線を引きました・・

・・(※国会企画財政委員の「パウエル連盟議長も会いましたか?」という質問に対して、李昌鏞 韓国銀行総裁、20日)「はい、会いました。連準の通貨スワップは、現在私たちが抱えている問題とは全く一致するものではありませんから、その話をする必要はありませんでした」。外国為替市場の「安全装置」がないと、3,500億ドルの投資は不可能だというのが、韓国側の揺るがない立場です。昨日(20日)帰国した産業部長官も米国がその部分は受け入れたと明らかにしました。【金正官 産業通商部長官、20日「(米国側は全額現金投資をまだ要求していますか、という質問に)そこまでではありません。そこまで行ったらすでに問題を解決できなかったはずです。

そんな部分について、相当な部分、米国側が私たち側の意見を受け入れた、そんな側面があります」】。通貨スワップではない他の形態の外国為替市場の安全装置が議論中である可能性を示唆したわけですが、両国ともに、(※内容については)徹底的に何も話していません(KBS)・・>>

今日もまた、更新はこれだけです。次の更新は明日(22日)の11時頃になります。コメント欄は、首班指名選挙関連でも自由に使ってください。

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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