中国、日中韓の三国間通貨スワップを推進・・日中韓FTAを意識しているとの見解も

元ソースはサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙ですが、中国が日中韓の「三国間」通貨スワップを推進している、という報道がありました。記事内容からして、3国の間で自由にスワップできる内容だと思われます。日本だとあまり話題にならない・・というかわざわざ検索でもしないとあまり目にしない案件ですが、「通貨スワップ」という言葉に反応したのか、地上波放送局や聯合ニュースなど大手も相次いで報じています。もともと中国は日本、韓国と通貨スワップを締結していますが、「三国間」通貨スワップというのが核心です。ニューシース(22日)は「詳しく『三国間』というのがどういうものかは分からない」としていますが、中国元の拡大を目的としたもの、と報じています。そういえば、ウォンは中国元と連動しているという話も聞きます。同日の聯合ニュースによると、これは中韓FTAを視野に入れてのものである、とも。

いつものフレーズ、「合わせると~の巨大な規模(または市場)」も付いていますし、日本としてはあまりかかわらないほうがいいのではないか、と思われます。高市総理になってよかった、といったところでしょうか。韓国の場合、尹錫悦大統領の頃から、中韓FTAの拡大(2次FTA交渉などと表現されます)を要請していました。今月末のAPEC首脳会議で、中国側が日本、韓国側にこの話を取り上げるのではないか、とのことですが・・また、最近、通貨通貨スワップスワップしているので、通貨スワップの枠を拡大するとかの話が出てくると、韓国としてはすぐ応じるかもしれません。ある意味、日米韓FTAというよりは、韓国の「弱い環」としての側面を強調させる(世界からは「中国の勝利」と映される)ことになるかもしれません。ただ、韓国銀行(中央銀行)の「関係者」の話だと、現在、そんな議論はない、との報道も出ています。以下、<<~>>で引用してみます。




 

<<・・中国が日本・韓国と3国間通貨スワップを推進し、域内金融安全ネットワークの強化と中国元の使用拡大に乗り出した。香港サウスチャイナモーニングポスト(SCMP)は22日、匿名の情報筋を引用し、中国中央銀行の人民銀行の潘功勝 総裁が最近、米国ワシントンDCで開かれた「世界銀行(WB)・国際通貨基金(IMF)年次総会」の期間中、李昌用 韓国銀行総裁と議論したと伝えた。貨スワップは、各国が異なる通貨を事前に約束された為替レートで交換できるようにする契約をいう。金融市場のボラティリティが急激に大きくなるリスクに備えるだけでなく、負債返済に問題が発生した場合、財政支援を受けることができる。

SCMPはただ、「通貨スワップ協定の形態や、2000年5月に発足したアジア域内通貨スワップ協定「チェンマイ・イニシアティブ(CMICM)」に含まれるのかどうかは不明だ」とし、追加議論が今月末に予定されたASEAN首脳会議とAPEC首脳会議で行われるだろうと展望した。今回の議論の意味については「中国が人民元の海外使用拡大を通じてドル依存度を下げ、北東アジア3国間の自由貿易協定(FTA)を推進しようとする長期戦略の一環である」と評価した。SCMPによると、中国は9月末基準で世界32カ国の中央銀行と通貨スワップを締結しており、総規模は4兆5千億元(約904兆4千550億ウォン)に達する。




韓国と中国は2020年10月、4千億元(約80兆3千880億ウォン)規模の5年満期通貨スワップを締結し、この契約は今月満了する。中国と日本は2024年10月に2千億元(約40兆1千940億ウォン)規模の3年満期通貨スワップを締結した状態だ。人民銀行は、通貨スワップ推進事実を確認するためのSCMPの質問に返事しなかった(聯合ニュース)・・>>

 

<<・・SCMPは、これらの政策議論は、中国が長い間行ってきた、米ドルに対応し、3つの東アジア諸国間の自由貿易協定を促進するために人民元の海外使用を増やそうとする努力の一部だと伝えた。これら3カ国の経済規模を合わせれば全世界経済規模の4分の1を占め、韓国と日本は2024年基準で中国の4位と6位の貿易相手国だ。3カ国は、個々の国間にはすでに通貨スワップが締結されている。中国は韓国と2002年初通貨スワップ締結以来、徐々に期間と規模が増えた。現在は5年満期で総4000億元規模だ。3国間の通貨協定がどのように締結されるかはまだ不明である。2000年5月に発足した東南アジア諸国を含む多国間通貨スワップ協定である「チェンマイ・イニシアティブ」に該当するかも不確実だ。

ただし、このような協力についてのさらなる議論が行われるだろうという報道は、26日~28日、マレーシア・クアラルンプールのASEAN首脳会議、およびASEAN+3(日中韓)、東アジア首脳会議(EAS)、そして今月31日~来月1日に慶州で開かれるアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議を控えた時点で出てきた。中国中央銀行は、先週の声明で、3人の総裁が最近の経済・金融状況について意見を交換したという事実を、詳細には明らかにしていないとSCMPは伝えた(ニューシース)・・>>




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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