トランプ大統領、米韓関税交渉の遅れを示唆・・「韓国が(米国の出した)条件を受け入れると、素早く合意できる」

毎日多くの記事が出て、関税交渉だけでなく「外交」「国力」などなどのキーワードで大きな話題になっている、慶州APEC首脳会議。議長国としての苦労は分かりますが、それ以上のことを期待し過ぎではないのか、いつものことですが、そういったところです。でも、前にG20開催を国家レベルで盛り上げていたときに比べると、まだマシな気もします(笑)。しかし、韓国の立場からして、もっとも重要なのは米国との関税交渉の(合意の)合意。すでに李在明大統領がCNNとのインタビューで話していますが、APECまでの妥結は難しいとされています。しかも、トランプ大統領はこのことで、「韓国側が、・私・た・ち・が適切だと思う条件を受け入れるなら、早めに妥結できる」と話しました。

言い換えれば、「適切」を守ってないのは韓国側だという意味になるし、「米国が出す」適切な条件を受け入れない限り妥結はできないという、圧力でもあります。「予想より遅れる」と示唆したとも言えるでしょう。米国が出す条件を韓国側が受け入れるなら、トランプ大統領の訪韓のときにも妥結できる、すなわち「そうしないかぎり、妥結は遅れる」ということですから。米韓首脳会談は予定されているとのことですが・・トランプ大統領は日米首脳会談、米中首脳会談で忙しいでしょうし、李大統領とは首脳会談してからあまり経ってないので、関税交渉以外にこれといって話すこともないのでは。朝鮮日報の記事(25日)、国民日報の社説(25日)などを読んでみると、「ああすごい」なAPEC上げとともに、「でもやはり心配」という側面も見られるし、まだまだ「でもでも米朝首脳が会うかもしれない」という話まで、いろいろ楽しそうで何よりです。以下、<<~>>で引用してみます。




 

<<・・全世界の目と耳が、『千年の古都』慶州に集まり始めた。李在明大統領が慶州で開かれるアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議を契機に29日ドナルド・トランプ米大統領と、来月1日には習近平中国国家主席と連鎖首脳会談を開くからである。魏聖洛国家安保室長は24日、ブリーフィングでこのような内容のAPEC首脳外交日程を公開した。トランプ大統領と習主席は共に国賓訪問の形で韓国を訪れる。慶州が世界情勢に大きな影響を及ぼすことができる「世紀の談判場」にそびえ立ったわけだ。今回の首脳会議がグローバル貿易秩序の再編の分岐点になると同時に、朝鮮半島経済・安保の向方を決定する分岐点にもなるという点で、さらにそうだ。

李大統領が標榜してきた「国益中心の実用外交」も本格的なテストを受けることになる。慶州での会談はトランプ大統領、習主席、高市早苗新任日本首相など強大国の首脳が繰り広げる複合的な外交戦にほかならない。ハイライトは、米韓・中韓の相次ぐ首脳外交だ。現実はそう思わしくない。トランプ大統領との会談で、私たちは名分と、実益という現実の間のギリギリなバランス点を見つけなければならない。妥結しなければならない関税交渉が、李大統領の足取りを重くしている。3500億ドル規模の投資パッケージの具体的内容をめぐる米韓の間の立場差は、相当部分が解消されたが、投資額のうち現金比率と資金の供給期間などいくつかの問題が残っている。




長期分割投資など多様なカードを取り出して交渉を続けているが、両首脳の合意文書を引き出す水準まで議論を進めることができるかは未知数だ。米国と中国の両強大国の間での「微妙な綱渡り」を、どのようにうまくやっていくかも宿題だ。中国は友好協力関係を持続するという原則の中でも、米韓の間の密着を牽制しようとする目的を持って韓国との首脳会談に取り組むと観測されるためだ。米中競争の中で実用外交を繰り広げなければならない政府の外交的負担は大きい(国民日報)・・>>

 

<<・・ホワイトハウスの高位当局者は24日、ブリーフィングで「私たちはできるだけ早く韓国と貿易合意を締結することをとても望んでいる」とし「私たちが適切だと考える条件を受け入れる意思があるなら、できるだけ早く妥結したい」とした。米韓は7月大きな枠組みの合意を成し遂げたが、韓国政府が関税引き下げの反対給付で約束した3500億ドル対米投資金の形や性格などに対する異見で、3ヶ月もこれを明文化できないでいる。トランプ訪問を契機に合意がなされるかもまだ不確実な状況だ。トランプは29日、李在明大統領と8月に続いて2回目の首脳会談を持つ予定だ。・・

・・一方、この当局者は、訪問期間中に非武装地帯(DMZ)などで金正恩とサプライズ会同が行われる可能性を問う質問には、「大統領は、もちろん将来に金正恩と会いたいという意志を表明していたが、今回の日程には(そんな計画は)ない」としながらも、「もちろん変動が生じることがある」とも話した。トランプ訪問期間、金正恩との会合は、スケジュールとしては知られているものがないが、プロトコルを重視しないトランプ特性上、即興的な出会いがなされる可能性は依然として残っているわけだ(朝鮮日報)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。