韓国メディア「中国は10日から関税引き下げ、韓国はまだ合意文書なし・・国賓訪問だったのに米韓共同声明も無し」

10月30日に紹介しましたが、「日本のネットでは~な世論が爆発」と報じていたSBSが、今朝は「米国にダメ出し食らったウォン、中国と通貨スワップ」という題の記事を載せていて、ちょっとクスッと笑ってしまいました。題だけ読むと「米国との通貨スワップがもっとよかったのに」なニュアンスで、内容も「中国の、中国元拡大政策によるもの」とするもので、1日でこうもニュアンスが変わるんだな、と。でも、一般的にはかなり好意的に受け入れられている・・でも韓国政府が「全面的な復元」まで宣言したわりには、そこまで大きな話題にはなっていない、そんなところです。そんな中、朝鮮日報(週刊朝鮮含め)が、10月31日(週刊朝鮮記事1記事2)と2日(朝鮮日報)、中国は早くもファクトシートを公開し、10日から関税引き下げが行われるのに、韓国関連ではまだ公式文書も公開されていないし、いつから関税を引き下げるのかも不透明」と報じました。

中には、「日本の場合は、ちゃんと文書が交換されている」「なにより重要なのが公式文書」「誰もが絶賛しているけど、こういう問題を指摘する声が、内部から出てくるようにならなければならない」とする米国関連シンクタンクの指摘もあります。実は、7月末に一応関税交渉が妥結できたときにも、朝鮮日報はこの「公式文書」がないことを積極的に取り上げていました。結果、ここまで遅くなったわけで、しかも今でも「公式文書」はまだです。さらに、こんなことを書きながら、「米国や日本の味方をするわけではない」とことわっているところが、今韓国でこのような指摘をするのが、どれだけ難しいことなのか、現状が垣間見える気もします。以下、3つの記事から必要な部分だけ<<~>>で引用してみます。




 

<<・・ドナルド・トランプ米大統領が先月30日、釜山で習近平中国国家主席と6年ぶりの会談を行い一部貿易合意を成し遂げた中、ホワイトハウスは2日ぶりの1日関連内容を網羅する公式文書であるファクトシートを公開した。トランプと李有明大統領の首脳会談はこれより一日前の10月29日になされたが、まだこれを明文化した文書は発表されていない状態だ(朝鮮日報)・・>>

<<・・米韓関税交渉と関連して、ユ・ミンホ 「ワシントンパシフィック21」所長が、寄稿してきた。関税交渉は妥結されたものの、それを100%妥結したと見ることは難しいというのが、彼が送ってきた文のテーマだ。日本で「松下政経済塾」を卒業し、米国ワシントンで政治コンサルタントとして働いたユ所長は、いつも「国際関係では文書が重要だ」と主張している。言葉だけ残った交渉の結果は、いつでも変わる可能性がある、気まぐれなトランプ政権においてはさらにそうだ、と強調する。特に彼は、米韓首脳会談の一日前に開かれた日米首脳会談後には、両首脳が署名した合意文書が導出されたが、米韓の間にはそのような文書がなかったという「不都合な真実」を指摘した。

みんなが今回の交渉結果について絶賛するばかりだが、ユ所長の言葉は、改めて考えてみる価値がある。アメリカや日本の肩を持つわけではない。韓国が今年初めから吹き飛ばされてきたトランプという風の中で、より冷静に対応するためには、不便な話が私たちの内部から出なければならない(週刊朝鮮記事1)・・>>




<<・・(※そのユ所長の書いた内容がこの「記事2」です)文書こそ会談の実体であり、全てだ。シャンパングラスを高く掲げて口でどれだけ騒いでも、紙に書き込めた約束が最優先される。国家の指導者同士で結ぶ約束が、文書の中の具体的な単語を通じて確定されるのだ。米韓首脳会談が始まる前には、「両国間で共同合意文があるだろう」という話が聞こえてきた。しかし、直接約束である「共同声明(Joint Statement)」はおろか、共同議題を共に認識しながら行動に移すという「共同宣言(Joint Declaration)」もなかった。この記事を書いてから何かが出てくるかもしれないが、会談してから一日が過ぎても文書化がないという点で、何か問題があることが分かる(※先に11月2日の朝鮮日報記事の内容からして、まだ何もないのがわかります)。

トランプ大統領の訪韓は国賓訪問だ。外交儀典の基本だが、「国賓訪問は、すなわち共同声明の発表」と見ればいい。国賓として来るほどだから、両国間の未来と協力を「最上級文書」として残して保存するのは当然だ。しかし、トランプ大統領を迎えた韓国大統領は、その一般的な共同記者会見はもちろん、共同声明、共同宣言、共同発表のいずれも見せられなかった。関税交渉が妥結したというが、米韓両国の今日、そして明日について約束を交わす合意文書そのものが存在しない、不思議な形になった。

米韓首脳会談は、その直前に行われた東京の日米首脳会談の延長線にあると分析できる。トランプ大統領と高市首相は、直接サインすると共に、数多くの文書をやりとりした。経済だけでなく、外交、軍事、安保、全分野にわたって文書化したわけだ。首脳だけではなく、経済・安全保障・外交長官(※省庁の大臣)がそれぞれのポジションで活躍しながら、分野別にも文書化した。米韓首脳会談が行われたのと同じ時間帯、フィット・ヘグセス米国防部長官と小泉進次郎日本防衛相の会談が行われていた。当然だが、会談直後、すぐに共同声明書が採択された。インド太平洋の防衛、防衛費増額、米国製武器の購入などが日米共同声明の内容だった。

韓米首脳会談を見てみると、長官レベルの間は言うまでもなく、大統領同士でさえ、合意された文書などの発表がない。注目すべき部分は、関税交渉妥結結果も、両首脳が口頭で発表したものにすぎないという点だ。トランプの言葉の一言、米国長官の発言一つ一つが、外国メディアを通じて広がっていきながら、各論だけが目立っている。テキスト化された文書がないため、各論での韓国とアメリカの立場が何であるか、メディアにもわからない(週刊朝鮮記事2)・・>>




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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