トランプ大統領が訪韓していたとき、トランプ大統領、李在明大統領の発言をすべて合わせて、「米韓同盟」については1回しか言及せず、その1回も李在明大統領がトランプ大統領を歓迎する際に「両国がうまくやっていきましょう」という趣旨で1回だけ登場する、という指摘がありました。週刊朝鮮10月31日の記事で、昨日紹介したのと同じ記事ですが、別の部分(米韓同盟、中国関連)になります。訪日期間中には、何度も日米同盟という言葉が出てきた、とも。また、李在明大統領は「中国」という単語を1回言及しただけだ、とのことでして。しかもその1回が、本ブログでも何度かお伝えした「原子力潜水艦が必要な理由」として言及した「中国の潜水艦」(に対応できないのが現状だという趣旨)です。
これは、大統領室が後になって「中国の方も海域などを意味するものだからね。べ、別に中国の潜水艦という意味ではないからね」と話しました。そう考えると、事実上、1回も言及しなかった、とも言えます。もしこれらの指摘が本当なら(ソース記事がチェックしていない発言もあるかもしれませんが)、どういう関係になっているのか、と気になるところです。「在韓米軍の役割拡大」がうまく行かないでいる現状による、何かの変化の兆しでしょうか。米国からすると中国対応がもっとも必要でしょうし、韓国からすると米韓同盟がもっとも必要なはずなのに(李大統領がどう考えているかはともかく、地政学など様々案状況からして)、トランプ大統領は米韓同盟に言及せず、李在明大統領は中国に言及していない。これ、なんの会談だったのでしょうか。
ちなみにこの記事、他の記事に比べるとかなり的確なところをついていると思いますが、「結局はお金の話で、武器購入などで日本に勝てない」という話が出てきたりします。それは確かにそうでしょう。今回の「分割払い」だって、「日本ほどのお金がありません本当です」と何度も何度もアピールして手に入れた結果ですから。でも、そういうの以前の問題ではないのか、そんな気もします。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・(※ソース記事の)筆者は今回の米韓首脳会談全体において、一貫して特定の単語一つに注目した。米韓同盟という言葉だ。李大統領とトランプ大統領の発言一つ一つに気をつけて米韓同盟という言葉に耳を傾けた。結論から話すと、米韓同盟という言葉は、唯一、李大統領歓迎祝辞の最後の部分に一度だけ登場する。「両国でうまくやりましょう」な文章の一部として、米韓同盟という単語が出てくる。通常、よく使われる「米韓同盟を通じた隙間のない防御」などの意味とは、無関係だ。トランプ大統領はどうだったのだろうか。首脳会談中、米韓同盟という言葉を一度も使用しなかった。不思議なことに、トランプ大統領が米韓両国の結束を意味する単語として使用したのは「コミュニティ(Community)」、つまり共同体という意味の単語だ。
米韓友好を強調する過程で「コミュニティ、指導者、国民」が互いに近いことを強調するものだ。驚くべき発想だが、軍事的次元の同盟ではない、社会的、社交的レベルのコミュニティが、米韓関係の現住所なわけだ。事実、トランプ大統領が1泊2日、韓国滞在全体を通じて、米韓同盟という単語を使ったことがあるにはあるという。一度だけ、習近平と会談のために釜山に行く直前に、ソーシャルトゥルースを通じたメッセージに登場する。フィラデルフィアで作られる原子力潜水艦について言及する過程で、「強力な米韓同盟」が実現できると言った。潜水艦をフィラデルフィアで作るということは、韓国が「メイドインユーエスエー」潜水艦を購入するという意味だ。
李大統領は私たちの技術で作ると言っていたが、米国で作った以上、お金を払って購入しなければならない。大きさによって異なるが、一隻になんと30億ドルに達する。したがって、トランプが言う米韓同盟は、金を通じた超大型武器取引関係を意味すると思われる。自主的・主体的「国防」を望む李大統領の考えでもあり、「お金」をキーワードとするトランプの意味でもあるが、同盟としての米韓同盟は少なくともトランプの頭の中からは遠のいているのだ。
注目すべき部分は、日本に対するトランプの同盟観だ。日米同盟に対するトランプの関心はまだ冷めていない。日本滞在中、日米同盟という言葉をあちこちに話した。高市首相と共に原子力空母に乗り、日米同盟の根と実体を再確認した。もちろんトランプの日米同盟観の基盤も日本のお金にある。先端武器の購入に膨大な予算を注ぐという前提下での日米同盟だ。武器規模で見ると、韓国の購買能力は日本よりずっと遅れている。
中国という単語もまた、筆者が注目した米韓首脳会談のもう一つのキーワードだ・・・・果たして李大統領は米韓首脳会談中に中国という単語を何回言及したのだろうか。1回だけだ。歓迎祝辞の中間部分で、原子力潜水艦の開発に関連して中国に言及した・・・・米韓同盟に基づく能動的行動とは無関係な、単純探知対象としての中国、中国潜水艦のことだった。先の日米首脳会談で強調された「法と自由に基づくインド太平洋秩序」に基づく対中路線とは全く無関係な中国観だ。潜水艦が必要だという根拠で中国に言及するにはしたものの、李大統領の頭の中には最初から中国という言葉はなかったようだ。
李大統領は「中国産太陽光・風力機材こそ、韓国AIの動力源」と決めている(※太陽・風力エネルギーで電力関係などAI関連分野を発展させる)。中国こそが大統領のエネルギー政策を支える重要な国だ。米韓首脳会談では、中国という単語そのものがなかった。米国が望む路線への参加を避けようと思っているからだ・・・・高市首相はアセアン11カ国と共に「法と自由に基づくインド太平洋秩序」に関する共同声明を発表した。中国という言葉は避けたが、どこの国に対するものなのかは誰もが知っている。米韓首脳会談を見ると、韓国はそのような流れから遠く離れた「東の静かな国」に変わったようだ(週刊朝鮮)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。