韓国メディア「レアアース埋蔵量世界3位とされる日本の海底。ついに米国との共同開発が始まる」

希土類(レアアース)関連が大きなニュースになるのは、もうめずらしいことでもありません。ただ、本ブログでも取り上げたことがありますが、韓国では「レアアース(など)の対中国依存度が、日本では下がり、韓国ではさらに上がっている」ということが指摘されています。指摘と言っても、一部のメディアだけですが。グローバルエコノミックスというネットメディアですが、日米の海底希土類共同開発についての記事(4日)があったのでチョイスしてみました。日本の海底には、約1600万トン規模とされるレアアースが眠っている、と調査されています。埋蔵量でいうと世界3位です。記事は、日本をベンチマークしよう、というものですが・・ベンチマークというより、「私たちも甘い汁を吸おう」と言っているだけに見えるのは、私の心が曇っているからでしょうか。

10月11日のものですが、朝鮮日報の記事(社説)によると、2010年には日本も中国から90%の希土類を輸入していましたが、いまは50%台後半になっています。しかし、韓国の場合は、むしろ中国からの輸入が増加しています。これは、李明博政権の「資源外交」の失敗から、関連した政策が完全に止まったからだ、という指摘もあります。記事は、これは政権交代による側面(いつもの、前の政権のものは何もかも清算すべき対象にされる)もあり、「5年ごとに、政治的理由で国家政策がひっくり返る国で、どの企業が数十年を見据える資源開発に飛び込むだろうか」としています。結局、現状、中国かたの輸入依存度はどんどん増え、電気自動車モーターとスマートフォンに使われるネオジムの中国依存度は15年前と同じ87~88%、高性能永久磁石用酸化ジスプロシウムは100%、などなどになっている、とも。以下、<<~>>で引用してみます。




 

<<・・トランプ米大統領と高市日本首相は先月、東京で開かれた首脳会談で、2つの了解覚書に署名した。それぞれ日本の対米投資と日米希土類協力覚書だ。日本海洋研究開発機構(JAMSTEC)と東京大学など共同調査チームが2013年に発表した資料を見ると、高濃度希土類は日本の排他的経済水域(EEZ)内海底6000m深海に1600万トンほど埋蔵されている、と推定される。希土類埋蔵量基準で、世界3位の規模である・・・・来年1月に延期された状態だ。海底深いところの堆積物を地上に汲み上げるのが試験採掘の一次目標であり、これはかなり難しい作業となる。採掘費用だけ最低120億円以上になると推算されている。日本は2022年、茨城県沖の水深2500m地点で海底堆積物採取に成功した経験もある。

日本が希土類開発に乗り出したきっかけは、中国との領土紛争の直後だ。2010年、尖閣列島問題での衝突の後、中国の希土類輸出全面制裁に対抗して、日本が独自の資源開発を推進し、今回の掘削にまで乗り出したのだ。日本政府は、2027年から1日に350トンほどを本格採掘し、2028年以降には商業生産を準備中だ。東京大学研究チームは、1日3500トンを採掘しなければ、採算性を確保できないと見ている。




技術的にみて、難題も多い。海底6000mで泥の塊を引き上げる技術から、精製する技術まで、すべてを確保しなければならない作業となる。米国と協力して、資本と技術を確保しようとするのが、今回の日米希土類了解覚書を締結した本当の理由だ・・・・鉱物資源のサプライチェーンに対するリスクを解決するための、このような長期的なロードマップを作る日本の事例は、韓国としては学ぶべきものであろう。海外資源開発は、政治的影響とは別のものでなければならない。そうしてこそ、グローバル資源競争で生き残ることができる(グローバルエコノミックス)・・>>

 

<<・・15年前、私たちと似た状況に追い込まれた日本は、いまは状況が違う。日本は2010年の「尖閣紛争」の時、中国が希土類供給を止める措置を取ると、政権が何度も変わりながらも、一貫して希土類脱中国政策を推進した。日本政府主導でオーストラリア企業に投資するなど供給ラインを多様化した結果、2010年に90%を超えていた中国希土類依存度は、50%台後半まで低くなった。これに政府主導のR&Dでハイブリッドモーターの重希土類使用量を50%も減らす技術を商用化し、希土類消費量自体を40%以上削減することにも成功した。

「資源安保」という一貫した目標の下、15年間積み重ねた防波堤である。韓国は、李明博政権だった頃に推進した海外資源開発を、政権が変わるやいなや「投資失敗」であり「積廃」であるという政治的レッテルを貼って、捜査を始めた(朝鮮日報、10月21日)・・>>




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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