韓国「日・米・豪の『レアアース同盟』に、私たちも参加すべき」、「トランプが中国に強く出られない理由はレアアース」など

5日にもお伝えしましたが、複数の韓国メディアが日本・米国の希土類(レアアースなど)共同開発を大きく取り上げています。実は10月23日、まだトランプ大統領の訪日、日米首脳会談でこの話が出てくる前から、米国とオーストラリアがレアアースの共同開発を進めていて、日本も参加を決めているとしながら、「日米豪希土類同盟に韓国も参加すべき」という記事が出ていました(中央日報)。韓国の場合李明博政権のいわゆる「資源外交」の失敗と、それを文在寅政権が「保守側政権の政策ミス」と釘をさしたことで、海外資源関連の外交がほぼ止まっている状態です。また、中国経済圏の影響力を「問題だとしながらも、実はあまり気にしていない」風潮もあって、中国からの輸入の割合はどんどん増加しつつあります。

朝鮮日報、中央日報など一部のメディアがこれを問題視していますが、「日本からの輸入を減らす」ことにはあれだけ積極的だった世論も、あまり動かないでいます。なんというか、「気にしていない」というより、最近のウォン・中国元通貨スワップや中韓FTA拡大などを見ていると、むしろ「経中」を望んでいるようにも見えます。そんな中、高市早苗総理が、米国側に希土類の共同開発を提案しました。日米首脳会談で話した内容の延長線上にあるものでしょう。ヘラルド経済(6日)など多くのメディアがこの件を取り上げ、またもや「私たちも参加すべき」というニュアンスの記事を載せています。「トランプ大統領が中国に強くでられない理由は、レアアースだ」、とも。すなわち、対米政策としてレアアース関連の何かがほしい、というのは本音ではないでしょうか。くれぐれも、日米だけでやってほしいところです。以下、<<~>>で引用してみます。




<<「トランプが中国に強く出られない理由、希土類・・高市、結局アメリカにこんな提案まで?」(※題、直訳)・・高市早苗日本首相が6日、太平洋にある南鳥島近隣の深海希土類開発と関連し、「多様な調達手段を確保することは日米両国にとって重要だ」とし、「具体的な協力進行方式を検討する」と述べた。共同通信によると、高市首相は同日、参議院本会議に出席し、南鳥島近くの深海希土類開発のために来年1月、深海6000mで希土類を含む泥を吸い上げる実証実験を予定しているとし、米国との協力検討意思を明らかにした。高市首相は先月28日、訪日中だったドナルド・トランプ米大統領との首脳会談で「日米核心鉱物及び希土類確保のためのフレームワーク」に署名したことがある。

これには「各国の産業基盤と先端技術を支援するために必要な核心鉱物と希土類の安定的供給を加速するための協力を強化する」という内容が盛り込まれた。このため、両国は金融支援、貿易措置、核心鉱物備蓄制度など政策手段を活用することにした。また、採掘・精製部門投資を活性化するために、補助金、保証、融資、持分投資などを通じて政府・民間部門の資本と運営費を動員することにも合意した。日本政府は東京から東南方向に約1900キロ離れた小笠原諸島、南鳥島の排他的経済水域(EEZ)内水深約6000m海底で、希土類が高濃度で含まれた泥を2012年発見した。当時、東京大などの分析結果、周辺の希土類埋蔵量は約680万トンに達するという推定も提示された。日本の年間希土類消費量は2万トン水準だ(ヘラルド経済)・・>>




<<日・米・オーストラリア希土類同盟に韓国も合流すべき(※題)・・韓国は希土類管理で抜け穴が大きい。李明博政権時代、海外資源開発に乗り出したが、間違った投資で失敗が相次いだし、政権交代後には「積弊」とされ、整理されて、終わった。しかし、資源の確保は政権の旗色によって行われるものであってはならない。今、世界は、資源と技術が結合した経済安全保障の時代に入った。米国は希土類精製・加工技術の復興に乗り出しており、オーストラリアは豊富な資源を国際連帯としてつなぎ、サプライチェーンの核心軸となっている。2021年、中国の輸出制限で触発された尿素水事態は、資源の武器化を見せた事例だ。最近、中国は「マスガ(MASGA・米国造船業を再び偉大に)プロジェクト」の主軸であるハンファ・オーシャン米国子会社を制裁リストに載せて、韓国を圧迫している。

こんな中、韓国の尿素水の対中依存度は昨年27%から、最近62%に高まった。米中技術競争が激化するほど、希土類は韓国製造業のアキレスガンになる可能性がある。日・米・オーストラリアの希土類協力は、中国、ロシア、北朝鮮と、日米韓に分かれる軍事安全保障問題とは異なる。これは理念の問題ではなく、実利の問題で、製造業の実存的生存とも直結している。韓国がここに参加できなければ、先端産業サプライチェーンの主導権から押し出される可能性が大きい。今こそ国家レベルの資源安全保障戦略をしっかりと確立し、実利と実用の観点から希土類サプライチェーンの多様化に乗り出す時だ(中央日報)・・>> 明日は1日休みをいただきます。次の更新は、9日(日曜日)の11時頃になります。

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。