高市総理、台湾有事に「集団的自衛権」言及・・韓国メディアの反応は

高市早苗首相が、台湾の有事の際、日本は集団的自衛権を発動できる可能性がある、という見解を述べました。各メディアの報道によると、日本の首相がこの件について公式に話すのは初めてのことです。これについて、前から過激な発言(SNSなどでも)が多いことで有名な中国大阪総領事が「首を◯ってやる」という投稿をし、あとで削除する「事件」まで発生しています(産経新聞の記事)。日本では、個人ブログはおろか、ネットの書き込みにもこんな発言はそうないと思いますが。高市首相の発言への日本国民の賛否はまた別にして、この領事の行いはさらなる追求及び相応の措置が必要な案件ではないでしょうか。

事実上、台湾で有事と呼べるようなこと(高市首相も「複合的に判断すること」としています)があった場合、それは「台湾の問題に日本が介入する」というより(もちろんそういう側面もありますが)、「日本の問題を日本が解決する」レベルになる可能性もあるので、首相の今回の発言は、「誰かが言っておくべきことだった」とも言えるでしょう。そんなところ、韓国でも多くのメディアがこの件を報道していますが・・前にも書いた記憶がありますが、韓国では「李在明超統領はAPECを通じて中国をうまく『管理』できているのに、高市首相は日中会談のあとに中国との問題がむしろ浮き彫りにされている」ということになっています。




今回の件も、日本側のメディアの報道などを引用しながら「こんなことがありました」と伝える記事も多いですが、各メディアが見解や意見を書いている場合、ソース記事の韓国日報(9日)を含めて、ほとんどは『日本が普通国家になろうとしている』を結論にしています。ただ、右側のメディアだけあって、朝鮮日報(10日)の場合は、「韓国政府のスタンスとは大いに異なるもの」と報じています。はっきり書かれているわけではありませんが、「私たちも相応のスタンス変化が必要だ」というニュアンスに見えますが・・少なくとも「台湾の有事は、私たちにも大きな問題になる」という内容はあってもよかったのではないか、そんな気もします。書けないなにかの事情でもあるのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・高市早苗 日本首相が、台湾の有事には日本が集団自衛権を行使することもできる、と明らかにした。日本の現職首相が、台湾が攻撃された場合、集団的自衛権を行使できると言及したのは、これが初めてのことだ。8日、日本の朝日新聞によると、高市首相は前日、衆議院予算委員会で野党議員が台湾有事に対する質問をすると、「海上封鎖を解くために米軍が来れば、これを防ぐために(中国が)武力を行使する事態も仮定できる」とし「(中国が)軍艦による武力行使があった場合、集団的自衛権の行使が可能となる「存立危機事態」にあたる可能性がある」と話した。存立危機事態とは、日本が直接攻撃を受けていなくても密接な関係にある国や地域が攻撃を受けて日本に脅威となる状況を意味する(※詳しくは『存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態』)。




存立危機事態と判断される場合、日本は集団自衛権を行使することができる。高市首相は「単に民間船舶が増えて航海しづらくなるのは、そんな事態に該当しないが、戦争状況で海上が封鎖され、ドローンが飛び回るならば、他の見解もできるかもしれない」とし「実際に発生する事態の、個別的な具体的な状況に応じてすべての情報を総合し、政府が判断することになる」とした。日本は専守防衛の原則を超えて戦争遂行が可能な国に急速に変化している。

日本は2016年安保関連法を改正し、米軍艦艇後方支援などを含む集団的自衛権行使が可能となり、2022年末には安保3文書に敵基地を先制的に攻撃できる「反撃能力」保有を明示した。9月には米国の長距離巡航ミサイルトマホークを搭載するためにイージス艦「ちょうかい」を米国サンディエゴ海軍基地に派遣した。日本のトマホーク運用は台湾有事の際に日本の参加を望む米国の支援のもとに行われた。日本現職首相が、台湾有事の状況を日本の存立危機事態と言及したのは、今回が初めてだ(韓国日報)・・>>

 

<<・・日本とは反対に、韓国政府は台湾有事時の韓国軍の介入に否定的なことはもちろん、在韓米軍の積極的な役割にも慎重な立場だ。韓国軍や駐韓米軍は朝鮮半島の防衛に集中しなければならず、韓国の同意なしに在韓米軍が台湾緊急事態に介入して韓国が米中衝突にひきずりまわされる状況はあってはならないという趣旨だ。米国は、韓国が日本のように台湾問題に積極的に関与してほしいという立場だ。ピート・ヘグセス米国防部長官は4日、ソウルで米韓安保協議会議を行った後、記者会見で「私たちの域内の、他の緊急事態に対処できる柔軟性の向上が、疑いことなく必要な状況だ」と話した。駐韓米軍が台湾有事には参戦できるという意味だと解釈される(朝鮮日報)・・>>

 




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