米韓首脳会談、15日過ぎてもファクトシート公開せず・・「核燃料再処理問題が原因」との報道も

米韓関税交渉もそうですが、安保分野まで含めて、「米韓首脳会談関連の了解覚書・ファクトシート」発表が遅延されつつあります。いままで「文書化」がなかったこと(日米、米・EUの事例からしてもこれは異例のことです)もあって、一部のメディアは、すでに約10日前から「今度こそすぐ発表される」と報じていましたが。関税関連だと、一昨日も取り上げましたが、8月(7月末)にもいろいろあったので、一部のメディアが「また(発表延期が)長期化されるのではないか」という記事を載せています。ただ、今回の記事は安保関連中心で、米韓首脳会談のファクトシートが発表されないでいるのは、原子力潜水艦関連、核燃料再処理関連問題だという報道がありました(聯合ニュースTV 12日、SBS 13日)。

聯合ニュースTVは「米国側がちょっとまってくれと要請している」と、SBSは「ラトニック商務長官が、関連内容の削除を要求している」と、報じるニュアンスにも結構、差があります。関税交渉関連はすでに話し合いが終わっているという報道も出ていますが、米国側が「関税関連と安保関連を別々に発表するのではなく、まとめて発表したい」と思っているので、ファクトシートも遅れている、という報道もあります(ソース記事ではありません)。やはり、まだ確実な情報が出ていないのでしょう。個人的に、韓国側は政府閣僚が原子力潜水艦を「韓国内で建造する」と公言していますが、この問題が今回のファクトシートに含まれているのかどうか、それも気になります。記事内には「韓国内建造を容認している」としていますが、トランプ大統領は「米国で建造する」としていましたので。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・米韓首脳会談が終わってからすでに15日が過ぎましたが、両国の共同説明資料はまだ出ていません。米国政府の各省庁の間で意見が異なっていて遅れているとのことですが、ラトニック米商務長官が、韓国の使用後の核燃料再処理とウラン濃縮関連内容を、この資料から削除しようという主張を広げているのが、その理由であることが確認されました。先月29日、慶州で開かれた米韓首脳会談を通じて両国は関税と安全保障分野で大きな枠組みの合意を成し遂げました。しかし、米国政府省庁の間の異見のせいで、了解覚書とファクトシートの発表は遅れています。

SBS取材の結果、ハワード・ラトニック米商務長官が韓国の「使用後の核燃料再処理」と「ウラン濃縮」に関する文案をジョイント・ファクトシートから削除しようと主張していることが確認されました。米韓首脳間で十分に議論されていない事案だと主張し、削除を求めているというのです。与党側で言及してきた、いわゆる「ラトニックのモンニ(※言いがかり)」がその原因だったわけです。【キムヨンベ共に民主党議員(10日、KBSラジオ「電撃時事」にて)「常務長官が、さらなるいいがかりをしてきたと、聞いています。ラトニック大臣がおそらくまた欲張りをしているのではないか、そういう話です」】。




ただし、ラトニック長官は「韓国で船体と原子炉の製作」、「米国の封印核燃料韓国提供」のような韓国原子力推進潜水艦関連内容がファクトシートに盛り込まれることについては異見を表さないことが把握されました。米韓原子力協定の改正問題とも直結した「使用後の核燃料の再処理」などについて、また言いがかりをしているのは、商業用原発分野などの米国利益にも関連するものだから、と思われます(SBS)・・>>

 

<<・・韓米首脳会談合同説明資料、「ジョイントファクトシート」がいつ公開されるかに関心が集まっています。その発表時期が予想よりも遅くなる可能性がある、という見通しが出てきます。「原子力潜水艦艦」燃料供給と「米韓原子力協力協定」を置いて、米国内で異見があることと推測されますが、内容を調整する代わりに、新たな協定締結につながることも注目されています。すでに2週間を超えているのに、なんの知らせもない米韓ファ​​クトシート。このように発表が遅れている背景としては、「原子力潜水艦」の燃料供給関連フレーズが挙げられます。現行の「米韓原子力協力協定」は原子力の平和的利用を目指し、20%未満の低濃​​縮ウランのみ可能です。これに対し、米国が運用する潜水​​艦に使用されるウラン濃度は高濃縮であるうえ、「軍事的目的の核施設」とみなされます。既存の米韓原子力協定では対象ではなくなります。

米韓原子力協定改正の場合、米議会の承認が必要で、現実的に、容易ではありません。これにより、韓国政府は、協定の改正ではなくファクトシートのフレーズで調整しようと固執することが分かりました。【趙顕 外交部長官(6日、国会予決委にて)「(米国)国務省から受け取った内容は、もう少し待ってほしい、というものでした」】。米ホワイトハウスはもちろん、国務省と商務省、エネルギー省など米国内の関連部署がその内容を検討中であり、現在、韓国政府は米国側の返信を待っている状態と推測されます。一部では米国とイギリス、オーストラリアが参加中の「オーカス(AUKUS)」協定を準用して別途の協定を締結できるという観測も出ています。しかし、新たな協定のために別の交渉を行う必要がありますし、オーカスの場合はその過程が3年かかりました(聯合ニュースTV)・・>>

 

昨日は、河口湖で富士山と紅葉、そしてレナの写真を撮りました。もう十分見頃で、幸せな時間を過ごすことができました。ありがとうございます。




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。