韓国専門家「日米韓安保協力という言葉が、消えつつある。もはや外交レトリックになった」

当然といえば当然ですが、韓国でも日本に対する中国の発言が大きな話題になっています。普通に日本や海外メディアの記事を引用するだけの記事もありますが、やはり「はっきりは書かれていないけど、読んでみると明らかに中国寄りの主張」な記事が多く、「日本内部でも批判が出ている」(聯合ニュースなど)という記事も目立っています。「実は日本内部でも~」というのも、いつもの書き方です。安倍元総理の頃、「一部の政治家だけの問題で、日本国民は安倍政権に批判的」というフレーズが流行ったことがありますが、同じ流れの書き方だと言えるでしょう。取り上げようかと思いましたが、実際に読んでみるとそこまで関連内容がなく(内部批判の事例やその反応などに関しては少ししか書かれていない)、ちょっと笑ってしまいました。それは、ま、批判する人たちもいますし、それはどんな意見でもそうでしょうけど。

結局は、前にもなんとか取り上げましたが「台湾問題」を重く考えていないので、「世界をどう見るか」が日本と韓国とではかなり異なる、といったところです。そんな中、世論では絶賛されているものの、実は韓国の外交が自由民主主義国家から外れつつある、という指摘がありました。いつもの「一握りだけの主張」、週刊朝鮮(15日)です。中国のオンラインショッピング「テム」のことで、韓国の青年たちの間では「テム人」という言葉が流行っているそうです。バラエティー豊かでコストパフォーマンスもいいけど、結果は思わしくない人を、そう呼ぶとのことです。記事は、いまの韓国外交から「米韓同盟」「日米韓3角同盟」などの言葉が消えつつあるとしながら、実は「テム外交」状態ではないのか、としています。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・米韓首脳会談で取り上げた原子力潜水艦についての問題は、「テム外交」の見本の一つだ。10年後に稼動するというのは論外にしても、果たして建造ができるのか、可能であるなら、いつ、どこで、どのくらいの費用で、誰が進行するかなどは、決まったことがない。米韓首脳会談の後の最大の実績のように語られている案件だが、2週間が過ぎた今でも、各論はおろか実現できるかどうかさえ曖昧だ。米韓同盟を基盤にして支えていた自由陣営との関係が、一つ、また一つ崩れている。ドナルド・トランプの「アメリカファースト」が最大の原因だという。しかし、ウクライナ問題とインド・太平洋問題を無視する韓国側の姿勢が最大の原因だ。

ウクライナとインド太平洋問題は、ヨーロッパ自由国家のアジア訪問で必ず取り上げられる部分だ。訪日政治家なら、例外なくウクライナとインド・太平洋問題から取り上げて、それを文書にする。韓国大統領に会っても何の結果も出せないという点で、西側の自由国家指導者の訪韓の数が減少しているのが目立つ。インターネット時代の鎖国だといおうか?2025年韓国外交の肖像画だ。「米韓同盟」という言葉は、「米韓共助」「米韓コミュニティ」という曖昧な用語に変わっている。加えて、「日米韓三角同盟」という言葉も消えている。




基本である「韓・米」が消えているこの状況で、「韓・米・日」が有効になるはずがないだろう。日本は、韓国外交の過程と結果を綿密に観察している。新任首相 高市早苗の韓国関連発言を見てみよう。10月24日首相就任後、初の国会所信表明演説でのことだ。「日米同盟は外交・安全保障政策の基軸だ・・・・日米韓、日米フィリピン、日米オーストラリアなど多角的な安全保障協議を深化していくだろう」。「日米韓同盟(※記事では同盟としていますが、韓国で一般的に使う『3角同盟』のことをこう書いただけだと思われます。安全保障協力またはそれに準ずる表現が一般的で、日米韓同盟という表現はありえません)」という単語は、高市総理の11月4日国会質疑回答過程で登場する。李在明大統領との首脳会談に言及し、「現在の戦略環境で日韓関係、日米韓連携の重要性に意見が一致した」と話した。

筆者(※シンクタンク「パシフィック21」ユミンホ所長)が知る限り、最近、高市首相が公式席上で「日米韓」という言葉を使ったのは、上記の2回がすべてだ。これまでは、なにかあれば日本側は日米韓という言葉を話していた。筆者の判断だが、すでに日本は「日米韓同盟」や「日米韓協力」という単語を外交的レトリックだけで使用している。日米韓より日米同盟に基づく日米フィリピン、日米オーストラリアの3国関係を優先視しているのだ。アセアンとAPEC(アジア太平洋経済協力体)首脳会議の中で明らかになったが、日本は日・フィリピン、日・オーストラリアとの首脳会談とともに、国防・外交・経済大臣会談も同時に行った。

日・米・フィリピン、日・米・オーストラリアにつながった合同訓練が、年中アジア各所で行われている。韓国はインド・太平洋関連の合同訓練を「対岸の火事」のように接している。米韓同盟の弱体化は、日韓関係の弱体化に帰結する。しかし、その早さで見ると、「日韓」のほうが「米韓」関係よりも早く弱体化している感じだ・・・・現在、日韓両国は、互いにつながる軍事・安保ラインが事実上「ゼロ」状態だ。既存の日韓国係は、米国が中間に入って、つながるようになった。日韓の直接的につながるラインがなくても、米国を通じたコミュニケーションが可能だった。しかし米韓同盟が弱まり、状況が変わったのだ(週刊朝鮮)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。