駐韓米国大使、「原子力潜水艦は中国対応」という趣旨の主張・・韓国メディア「政府は『北朝鮮に対応するため』と言っている」

(前回から続くノリで)このように、台湾問題、中国リスクに対して「対岸の火事」モードの、詳しくは「対岸の火事でなければならない」モードの韓国ですが・・一応米国の同盟国であるかぎり、米国側が何も言わないでいるはずはありません。日本でもジョージ・グラス駐日米国大使が「私たちは日本の仲間だ」な趣旨の発言を続けてくれていますが、ついに駐韓米国大使も、慎重に発言するようになりました。ちなみに、まだ韓国の駐韓米国大使は空席で、ケビン・キム氏が大使代理を務めています。韓国の原子力潜水艦は「域内の進化しつつあるリスク」に対応するためのもので、その一例として西海(黄海)を見ればわかる、ということです。

中国を名指ししているわけではありませんが、どう考えても中国以外にはありません。韓国は「日本海の方」にある某国を気にしているかもしれませんが、そう考えると方角が反対になります。17日にもお伝えしましたが、ダリル・カードル米海軍参謀総長も韓国を訪問し、同じ趣旨の発言をしました。最初は、韓国の大型造船所を訪問する日程もあって、かなり嬉しそうな雰囲気で報じられましたが、参謀総長は「韓国で戦艦を作るには(規則など)複雑な問題がある」「原子力潜水艦は対中戦力になるのが当然の流れ」などと話しました。また、17日に紹介した内容にはありませんが、高市早苗総理の台湾関連発言にも「そこまで驚くことではない」とも話しました。




ちなみに、ダリル・カードル米海軍参謀総長の発言は、ほとんど話題にならず、ものすごいスピードで主要ニュース欄から消えました。前にも書いた記憶がありますが、最初から原子力潜水艦の話を持ち出すときに「中国」というキーワードを考えなかったのでしょうか。対中国という前提のもとで承認が得られたものなのに、「無料のプレゼントではなかったのか」(前回の一部ソース記事の題)とか、「中国対応だったというのか」的な記事が出てくるし、ソース記事京郷新聞(20日)によると、韓国政府は「北朝鮮に対応するためのもの」としている、とも。今回の大使代理の発言に、中国側は強く不満を表しています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・ケビン・キム駐韓米国大使代理が20日、ドナルド・トランプ米大統領が韓国の原子力推進潜水艦導入を承認したのは「域内の進化する挑戦」に対応するためだと明らかにした。韓国の原子力潜水艦が、北朝鮮を越えて、中国のリスクに対応するために活用されることを願うという意見を示したものだ、という解釈が出ている。大使代理はこの日、ソウルロッテホテルで開かれた第1回米韓外交フォーラムの基調演説で、「朝鮮半島とインド・太平洋地域の安保の核心には米韓同盟がある」とし「朝鮮半島だけでなく域内の挑戦、課題が進化していることを認識している」と明らかにした。大使代理は、「私たちが共に協力して、このような共同の挑戦課題に対応しなければならない」とし「特に最近、黄海で起こっていることを見るとよく分かる」と話した。




中国はここ数年間、黄海の中韓暫定措置水域に構造物を設置した事実を指摘したものだと思われる。中国は漁業養殖施設だという立場だが、黄海で影響力を増やそうとする意図ではないかという疑問が提起されている。大使代理は「だからこそトランプ大統領と李在明大統領が韓国国防費を増額し、原子力潜水艦のような新しい能力を導入することにし、これを通じて挑戦・課題に対応することにしたのだ」と話した。

これは、米国が対中国牽制に韓国の原子力潜水艦​艦が寄与することを期待するという趣旨の発言だと解釈できる。米韓が14日発表したジョイント・ファクトシート(共同説明資料)には、米国は韓国の原子力潜水艦導入を承認したという内容が盛り込まれた。先立って、ダリル・カードル米海軍参謀総長も「(韓国の原子力)潜水艦が中国を抑制するのに活用されるというのは自然な予測」と話した。一方、韓国政府が明らかにした原子力潜水艦導入目的は、対北朝鮮抑止力確保だ・・・・

駐韓中国大使館はこの日「米国官僚の誤った発言に対して、駐韓中国大使館スポークスマンの質疑応答」というスポークスマン名義の立場を出して「駐韓米国大使館大使代理と米軍高官の関連発言に留意し、驚きと不満を表わす」と明らかにした。大使館は「米国側官僚の発言は、指導者たちの合意精神に合わないものだ」とし、「米国側は、米中、中韓、米韓関係に役立つことをもっと増やし、間違った認識で是非を問うことなど、しないよう願う」とした(京郷新聞)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。