この前、原子力潜水艦は「域内の進化したリスク」(北朝鮮だけでなく中国など)対応のためのものだと話したケビン・キム駐韓米国大使代理。また同じ趣旨の話をしましたが、韓国では見事にスルーされています(東亜日報、28日)。こんな案件で大使が言ったことは、大統領が直接言いづらいことを大使が言ったものだ・・と分かりそうなものですが。前回は、20日、米韓外交フォーラムの基調演説で、「朝鮮半島とインド・太平洋地域の安保の核心には米韓同盟がある」、「朝鮮半島だけでなく域内の挑戦、課題が進化していることを認識している」、「そのような『共同の挑戦課題』に対応しなければならない」、「特に最近、黄海(※中国と韓国の間)で起こっていることを見るとよく分かる」などと話しました。
今回は28日の講演でのことですが、「朝鮮半島だけでなくインド太平洋という域内」「共通の課題」などに言及し、この前に公開したファクト・シート(安保、貿易)で「両国は域内のすべてのリスクに対応することにした」と強調しました。すなわち、すでに北朝鮮だけでなく「それ以外」についても共同で対応すると合意した、とのことです。しかし、韓国政府はそんな内容は話さず、原子力潜水艦についても「北朝鮮対応のもの」としています(20日京郷新聞「ダリル・カードル米海軍参謀総長も『(韓国の原子力)潜水艦が中国を抑制するのに活用されるというのは自然な予測』と話したが、韓国政府が明らかにした原子力潜水艦導入目的は、対北朝鮮抑止力確保だ」)。
そんな中、なんと空軍大学総長出身の安保専門家が、台湾のことを直接言及しながら、「在韓米軍の役割拡大(いわゆる現代化)において、他の地域に関しては介入しないという制度的な装置を作っておこう」と主張しました。政府や国会レベルで出ている話ではないにせよ、「ファクトシートで共同対応すると合意はしたけど、介入しないということにしておこう」という趣旨です。ヘラルド経済、28日の記事です。この前、中国は「韓国は、結局は原子力潜水艦を保有できないと見ている」というハンギョレ新聞の記事を紹介したことがあります。どうせ保有できない(導入まで10年以上かかるため、その途中でこの話は破綻する)と思っているため、中国はこの件に強く対応しないでいる、と。技術的な側面はともかく、このようなスタンスで本当に導入できるのかどうか。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ケビン・キム新任駐韓米国大使代理は28日、米韓同盟の方向性について「共同の挑戦・課題を、朝鮮半島だけでなくインド・太平洋地域で解決することが重要だ」とし「究極的に重要なのは朝鮮半島とインド太平洋地域に抑止力を強化すること」と明らかにした。ケビンキム大使代理はこの日、ソウル・・・・で開かれた講演で、「同盟の現代化、戦時作戦統制権転換、原子力潜水艦推進など重要な安保懸案を、両国がどのように協力していかなければならないだろうか」とする質問に、このように答えた・・・・また(※米韓首脳会談で公開されたファクトシートでも)「両国の軍は域内のすべての脅威に対応することにした。
北東アジアの安保状況はさらに難しく、複雑になっているためだ」とし「北朝鮮は核ミサイル能力を高度化しており、ロシアは軍事協力を強化している」とした。それと共に「こうしたすべての挑戦・課題は必ず対応しなければならない」とし、「米韓同盟は侵略を抑制し、対話と外交を支持し、朝鮮半島の完全な非核化のために堅固に進んでいる」と説明した・・・・中国の台湾攻撃の可能性については「申し上げることができない」としたが、それと共に「何が起こっても、トランプ大統領は台湾とインド太平洋地域の平和のために最善を尽くすだろう」と話した(東亜日報)・・>>
<<・・韓国の原子力潜水艦は、戦略的負担になる可能性も存在する。ここで最近、米国海軍参謀総長が韓国原子力潜水艦の役割を対中抑制力の構成要素だと言及したことは、注目する必要がある。この発言は、今後の米国・中国の間の有事が現実になった際、韓国の原子力潜水艦が重要支援戦力として活用されることを示唆する発言である。実際、米国のいくつかのシンクタンクは、台湾の封鎖や上陸作戦のシナリオで、攻撃型原子力潜水艦が中国潜水艦戦力を制圧し、上陸および補給能力を遮断する核心であることを強調してきた。
このような文脈で、韓国の原子力潜水艦は、米国の台湾作戦に非常に重要な役割を担う可能性があり、これは同時に韓国が望まない地域紛争に関与するリスクを内包するものである。これに備えて、私たちは、米韓同盟の現代化(※役割拡大)過程で、私たちの意志とは無関係な地域紛争介入を遮断する制度的装置を設けておく必要がある(ヘラルド経済)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。