11月26日にもエントリーしたことがありますが、MBCなども「実は中国って、使えるカードがないのではないか」と報じていました。本ブログでもずっと反応を追ってきましたが、韓国では、一方的に「原因は高市早苗首相」とし、日中対立を「喜ぶ」スタンスが圧倒的でした。反射利益を期待しているという話ももちろんありますが、個人的にニュースやコメントなどをチェックしてきた感じだと反射利益関連の期待感はそこまで強くなかったと思います。どちらかというと、「いつも書き方(ダイレクトには書かない、または日本内でも~と言っているなどの書き方)」で、日本が困るのを期待する雰囲気が圧倒的でした。
ただ、木原官房長官が「そんなこと言ってない」を公言してから雰囲気がすこし変わって、まだまだ少数ではありますが、「これ、ひょっとして中国も困っているのではないか」な見解が報じられるようになりました。「高市早苗首相は、動じないまま」「むしろ高市内閣の支持率が高いまま」、「日本側が受ける影響について意外と意見が分かれている」、「中国には経済的な余裕がない」、「レアアース輸出関連措置は前回の米中首脳会談で解除したばかりなので、中国としてもまた再開するのは難しい」、などです。
今日取り上げる記事もそういうたぐいのもので、それぞれ本文で「中国がツートラック」、題で「中国、出口戦略を探っているのか」などの言葉を用いています。文化日報(1日)と、引用はしていませんがファイナンシャルニュース(1日)です。なんでツートラック、出口戦略という単語がでてくるのかと言いますと、11月28日、中国側の要請で、駐日中国大使と経団連代表が会って、経済では交流していきましょうという話をした、とのことです。また、例の「ポケット局長」で有名な中国外交部の劉勁松アジア局長も、あのポケットパフォーマンスをした直後、日本企業を訪れて「中国で安心して経済活動を続けていいですからね」と話し、関係者と抱擁までした、とも。あのポケット・ショーの直後に抱擁とは、パフォーマンスに生きる人かもしれません。「龍が如く」と「ときめきメモリアル」の両方をカバーできる逸材かもしれません。オリジナル記事は、日本経済新聞などが報じています。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・日中対立がますます強くなる中、日本海上自衛隊が中国牽制を目的にフィリピン軍と共に南シナ海海上協同訓練を行った。中国が高市早苗日本首相の「台湾有事」発言以後、相次いで軍訓練を公開し、軍事的圧迫を高めたことによる対立だと解釈される。中国は日本文化コンテンツと日本観光制限など強い措置を取っている。しかし、自国の景気鈍化と内需不振を懸念し、中国内の日本企業の活動は奨励するなど、強・温の両面策を駆使している。
11月30日(現地時間)共同通信によると、日本海上自衛隊は前日南シナ海でフィリピン軍と「海上共同活動」訓練を実施した。先月中旬には米太平洋艦隊も共に共同訓練を行った。これは、当該海域進出を試みる中国を牽制する目的で防衛協力を強化する次元だ。中国が黄海の至る所で連日のように軍事訓練を繰り広げるなど、日本に対する武力圧迫を持続したことに対する、対応としてのものだとも見ることが出来る。木原稔官房長官もこの日、就任後初めて自衛隊と在日米軍基地が駐屯した沖縄県を訪問した。先週、小泉進次郞防衛相が、台湾に最も近い最西端の沖縄県与那国島の陸上自衛隊基地を視察したのに続き、南西諸島の防衛力強化を念頭に置いた行動である。
一方、中国は、内需不振など経済的な問題に懸念し、中国内の日本企業に対しては融和的な態度を展開する「ツートラック」戦略を駆使する姿を見せている。金井正彰 日本外務省アジア・大洋州局長との面談で、ポケットに手を入れたまま『訓戒(※世の中の物事の正しさについて教えること)』するような姿を見せた劉勁松 中国外交部アジア局長が、先月遼寧省の大連市にある日本企業を視察したと、日経新聞は伝えた。彼は日本企業関係者から事業説明を聞いた後、互いに抱擁をするなど友好的な雰囲気を演出し、「中国で安心して事業活動をしてほしい」と話したと伝えられた。
深刻な内需不振で海外企業の投資も低迷していることで、日中対立によって国内経済活動まで萎縮してはならないと判断したためだと見られる。日本経済団体連合会の筒井義信 会長も先月28日、吳江浩 駐日中国大使と会って、両国の経済及びビジネス分野交流の重要性を確認し、持続的な対話を続けることに意見を集めた。今回の面談は中国側の要請でなされたことが分かった。両国の対立が強くなるばかりだが、高市早苗閣の支持率は高く維持されている(文化日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。