韓国で相次ぐ「高市首相の台湾発言は軍事大国化のため」主張・・メディアは石破前総理、鳩山元総理、中国メディアの見解を引用

さすがに一時よりは記事の数も少なくなってきましたが、韓国メディアの高市早苗首相の台湾関連発言に対する批判、というか「日中対立で日本が困るのをよろこんでいる」流れは、今も変わっていません。そして、その中の一定数は、「これは軍事大国化のための高市首相の策だ」という主張があります。で、昨日のJTBCの報道もその類ですが、「なんで」そう思うのかについて書かれている部分を読んでみると、NATOの訓練に参加したり、ミサイルをフィリピンに輸出しようとしたりしている、という内容が出てきます。韓国側が心配しているのは、日本が自由民主主義「陣営」の一員として役割を拡大しようとすること、そして、中国関連問題だとすぐわかります。

そして、いつもの書き方「日本内部でも~な声が出ている」、または「海外メディアも~と言っている」は今回も健在ですが、ソースとして提示されているのが中国メディア、石破茂前首相、鳩山由紀夫元首相です。「国益にならないと言っているぞ」ということですが、いつから韓国メディアが日本の国益をそんなに心配していたのでしょうか。中には、「中国が日本に強くあたっているのは、日本の軍事大国化を防ぐためだ」とし、ニュアンス的に、中国の肩を持つような発言をする専門家も少なくありません。YTN(11月21日)の報道に出てきた大学教授などがそうです。いつもの結論ですが、「日米韓安保協力」とよくいうけど、韓国が異なる世界観を生きているということ。これらの主張からもよくわかります。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・高市総理の執権以来、日本の軍事大国化の動きが尋常ではありません。今回は日本軍隊が初めてNATO訓練に参加しました。高市総理の「台湾発言」と噛み合い、今回の歩みが「軍国主義への歩み」という批判が出ています・・・・先月、イタリアで開かれたNATO同盟合同空輸作戦訓練です。自衛隊がアジア・太平洋地域ではない軍事訓練に参加したのは、今回が初めてです。本土防衛にのみ集中していた行動半径を、ヨーロッパと大西洋に広げるつもりだと思われる内容です。日本は武器輸出にも拍車をかけています。救助や輸送、警戒など防衛装備だけ輸出するように自らを規制してきた日本は、高市内閣が入ってからは、攻撃型武器を輸出しようとする動きを可視化しています。

産経新聞は、日本が防空ミサイルをフィリピンに輸出するための非公式協議を始めたと報じました。日本が軍事大国化に乗り出したという分析が出てくる中、高市首相の台湾発言も、このような動きと無関係ではありません。すぐに中国の官営媒体が「軍国主義復活の危険信号」と批判しましたし、日本内部でも反発が出ています。石破茂前総理は、高市総理の発言が「利得になることのない危険で恐ろしい発言」とし、鳩山由紀夫元総理も「国益にとってマイナスになることだ」と批判しました(JTBC)・・>>




<<・・(※カンチョルグ ベジェ大学日本学科教授の見解)高市総理と自民党が推進する、または検討しているものの中で、代表的なのが、非核3原則を見直すという発言も出ています。また防衛力を引き続き強化しているではありません。しかも、最近はスパイ防止法までも推進するといますが、その対象が、どこなのかかといえば結局は中国に向かうということです。そのため中国では今現在、日本総理の11月7日に台湾有事時の際の危機事態というのが、日本が軍事大国化する可能性があるものと見て、そのために強硬に出ているわけです。日本の立場では、このような発言がなかったとしても、今後中国と争うことが多くなるのに、もし今回、頭を下げてしまえば、中国に引きずりまわされることになるだろうと、日本が推進する非核3原則見直しとか、そのようなことを何もできなくなるだろうから、より強く出なければならないと思っています。だから、今こそが、見方によっては、人の力量を判断できるチャンスだ、と。だから支持率が下がらないものだと思われます・・

・・(※進行者)では、高市が話すように右派的なそのような政策が日本国内で60から80%の支持を受けるほど幅広く共感されているという意味ですか? (※ここからまた教授の発言)そうですね。ところが、これはやはり問題はありますよね。なぜなら、以前は自民党の内部で中国との実利を追求していた、そんな政治家たちがいたじゃないですか。河野洋平とか橋本元首相とか・・・・そんなラインがあったのに、安倍が首相になってからはインド・太平洋戦略で日米同盟が強化されたじゃないですか。だから今、現在は、そんなちょっと中国と親しい、そんな政治家たちがもう消えたと見ることもできます(YTN)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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