14日にも、韓国メディアが「中国にとって、韓国はもっと必要な存在になった」「中国が手を差し伸べた」と報じている、インパクトある記事を紹介しましたが・・似たような論調の記事が増え、今度はまた「地域の情勢としては不安定になるが、日本も中国も、韓国を味方にしようとするだろうから、これはチャンスでもある」という記事がありました(マネートゥデイ、17日)。日本と中国から、とは書かれていますが、内容的には中国関連のものが多く、中国の官営メディアが相次いで韓国との経済協力を主張している、とのことでして。日本からだと、1月の首脳会談以外はこれといって話がないので、書くことがなかったのかもしれませんが。
こういう記事が出るのは初めてではありませんし、特に文在明政権のとき、似たような記事がかなり多かったと記憶しています。当時もそうでしたが、どうしてこう、「中立」と「チャンス」の両方を主張していながらもその矛盾に気つかないのか、いつも不思議(控えめな表現)です。そもそも、韓国からすると、「中立」という言葉は既存の立ち位置から中国側に近づくという意味でしかありません。それを語りながら、中国だけでなく日本からも必要とされると喜ぶのは、さすがにどうかな、と。政権交代になると前政権の政治家及び政策はすべて「なかったこと」にし、明らかに政治的な理由で前政権関係者たちをつぶしながら、大統領はいつも「左右統合」「社会正義」を述べ、それで支持率も上がる韓国社会の姿が、そのまま外交にも表れていると言えるでしょう。それっぽい単語なら、どれでもいいのかもしれません。以下、<<~>>で引用してみます。14日のエントリー未読の方は、一緒に読んでみてください。
<<・・注目すべきことは、日中対立が深化する過程で、韓国の外交・経済がどんどん有利になる可能性がある点だ。両国が韓国を自分の側に引き寄せようとする外交競争につながる可能性があるからだ。日本の立場では、ドナルド・トランプ米政権が同盟国の日本を支持するという立場を明確に明らかにしないのが最も気になる部分だ。前には尖閣列島問題当時、米国は日本に対する支持を明らかにしたが、当時とは対照的な対応だ。トランプ大統領は先月、高市早苗首相との通話で、台湾と関連して中国を刺激しないようにという趣旨のアドバイスをしたことが知られている。
(※米国の対応についての賛否は別にして、この件についての韓国メディアの報道はかなり「わかりやすい」パターンです。この「助言」はウォール・ストリート・ジャーナルの記事が取り上げたものですが、そのあと、木原稔官房長官がこれは事実と異なると話しましたが、韓国メディアは木原官房長官の話した内容については当日だけ報じて、それからは、関連内容が出てきてもいっさい言及していません。台湾保証実行法など、米国が台湾問題に関わっているという部分についても、同じく韓国では「当日に海外ニュース」として報道はされるものの、それからほとんど言及されず、各メディアは『米国は台湾問題に関わろうとしていない」というイメージだけを作り出しています。前にも書いたばかりですが、これは「だから韓国が動かなくても問題ない」「日本が困っているだけ」という内容を浮き彫りにするためです)
キャロライン・レビット ホワイトハウス広報担当者は11日(現地時間)記者会見で日中対立について「トランプ大統領は日本と強固な同盟関係を維持するとともに、中国とも良好な協力関係を構築しなければならないという立場」と明らかにした。どちらか一方に偏らないという意味を表わしたわけだ。日本内部で感じる孤立感が大きくなるしかない。高市首相はトランプ大統領と早期首脳会談を実現させて公開支持を求めようとするが、日本内部でも手ぶら会談になる可能性があるという懸念が少なくない。日本では経済的にも中日対立が長期化する場合、中国に対する経済的依存度を減らさなければならないだけに、輸出やサプライチェーンなどで日韓経済連帯の強化が代案として浮上する可能性が大きい。
こうした中、中国も官営メディアを通じて、連日、韓国との経済協力の必要性を強調し、日本を牽制している。中国官営メディア グローバルタイムズは9日の論評で「中国は21年連続で韓国の最大貿易国であり、韓国も再び中国の2大貿易国の座を取り戻した」とし「協力をさらに深化させる、広範囲な潜在力を見せた」と伝えた。グローバルタイムズは16日にも、「中韓間の産業の構造的相互補完性は、協力拡大のための確固たる基盤を提供する」とし「高付加価値で韓国の技術力と新興国全般にわたる市場チャネルを構築する中国の強い力は、自然で強力な協力シナジーを生み出すだろう」と強調した。
日中対立は北東アジア情勢を不安にするリスク要因だが、韓国に新しい選択肢を作ってくれているのも事実だ。ただし、このような局面を機会にするためには、日中対立長期化の際、朝鮮半島の安全保障に及ぼす影響を考慮して、事態がさらに悪化する場合、対応戦略を点検しておく必要がある。今回の日中対立は、韓国外交の戦略的能力を示すきっかけになると思われる(マネートゥデイ)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。