韓国政府、国民年金との外国為替スワップ稼働・・「総力を挙げて為替レートを防御中」

日本銀行の金利引き上げに関する記事が増えてきました。円安になると、国力の問題だとか、もう安全資産ではないとか、そんなニュースが無数に出てきますが、こんなときには「世界の金融を支えてきたのが円キャリートレードだったのに」というニュースが増えます。思わしくない意味で「便利」なものですね、本当に。円キャリートレードが清算されると、韓国から外国投資資金が流出する可能性が高いとされており、そういう展開を気にしているのでしょう。ファイナンシャルニュース(社説、17日)などです。今回は去年夏のような「ブラックマンデー」の可能性は低いとされていますが、それでも気をつけようという記事が増え、でもどう気をつければいいのかは誰も書いてない、そんなところです。

為替レート関連でも記事が増えましたが・・「◯月危機」関連の記事と同じく、これらもまた、内容よりは「こんなにもすぐに『危機』とする話が出てくること、それ自体」が問題ではないでしょうか。とはいえ、韓国政府としてはかなり力を入れて為替レートを管理していて(それでもかなりのウォン安になっていますが)、京郷新聞(17日)によると、国民年金公団との外国為替スワップスワップまで使った、でも為替レートは大して反応しなかった、とのことです。韓国の金融当局は国民年金公団と外国為替スワップスワップを結んでいます。年間650億ドルまでで、数年前に一時的なものだとしていましたが、15日、また1年延長されました。17日の記事で「外国為替スワップ稼働(使った)が確認された」となっているので、15日に延長しなければならなかったのでしょう。久しぶりに為替レート関連記事、<<~>>で引用してみます。




 

<<・・ウォン・ドル為替レートが17日、ドル強勢などの影響で8カ月ぶりに1480ウォンになった。最近、外国為替当局が相次いで「為替レート防御」努力をしているにもかかわらず、通貨安がなかなか止まらないでいる。為替レートが1500ウォンさえも超えそうになると、李昌用 韓国銀行総裁は「危機」と言及した。この日ソウル外国為替市場でウォン・ドル為替レートは前日より2.8ウォン安の1479.8ウォンで週間取引を終えた。為替レートは2.5ウォン安の1474.5ウォンでスターとしてから、場中1482.3ウォンまで動いた。4月9日(1487.6ウォン)以降最もウォン安であり、週間取引終値も4月9日(1484.1ウォン)以後もっとも通貨安になる。この日ドルの強勢の流れが強くなったうえ、外国人の国内株式の売り越しも影響を及ぼしたものとみられる。

この日、外国為替当局と国民年金間の外国為替スワップが実際に稼働したことも確認された。しかし、為替レートの動きは止まらなかった。外国為替スワップは、国民年金が海外投資に必要なドルを韓銀の外国為替保有額から調達する取引だ。満期時に一時的に資金を返済するため、外国為替保有額に影響を与えずに為替レートも押さえることができる。15日、年間650億ドル限度での契約を、来年末まで1年延長することにした。為替レートは延長発表直後にのみ、若干ウォン高に動いた。




当局の外国為替スワップ延長発表があったにもかかわらず、為替レートレベルが大して動かず、市場では、近いうちに1500ウォン線を超える可能性があるという観測も出ている。パクヒョンジュン ウリ銀行研究員は「近いうちに為替レートが1500ウォンを超える可能性が大きい」とし「外国為替当局も対応して、為替レートが20~30ウォンほどウォン高に動く余地はあるが、低成長、潜在成長率低下、国内資産魅力の低下などの要因が変わらない限り、為替レートの方向は変わらないだろう」と話した・・

李総裁は最近の為替レートを置いて、懸念の声を出した。総裁はこの日、物価安定目標運営状況に関する記者説明会で「伝統的な意味での金融危機ではない」としながらも、「物価の影響と成長の両極化などを考えるとき、安心する水準ではないと思う」と話した。続いて「半導体・造船など輸出業者とは異なり、内需部門と建設業・自営業者たちは困難を経験するため、社会的和合が難しい環境が造成される」と話した(京郷新聞)・・>>

 

<<・・日本の金利引き上げが近くなって、グローバル金融市場には緊張感が明らかになってきた。金利引き上げで円高になれば、エンキャリートレード清算の懸念が現実化する可能性がある。低い金利で円を借りて米国証券市場や新興市場、仮想資産などに投資された資金が、日本に戻り、その過程で金融衝撃が発生する可能性があるためだ。昨年7月、日本銀行の基準金利引き上げ以後、8月にグローバル市場が「ブラックマンデー」衝撃を受けたのも、円高に伴う資金移動が重なった結果だった。

国内金融専門家たちは、日本の金利引き上げの影響を過度に懸念する必要はないという立場だ。投機のための円ベース待機資金は多くなく、日本政府も景気浮揚のために、急激な円高は容認しないだろうというのが理由だ。しかし、日本の金利引き上げ以後、投資家のヘッジの傾向が強化された場合、国内証券市場から資金が大挙離脱する可能性がある。今回の金利引き上げで、昨年7月のようなブラックマンデー事態が再演される可能性は大きくない。だからといって安心してはいけない。政府は、外貨資金の流れの急変の可能性を前提に、短期外債と外貨借入比重の高い金融会社と企業を綿密に監視し、円資金回収に伴う為替レートの急激な動きの可能性に備えなければならない。何よりも、過度の懸念が投機的な動きとして広がらないように、明確で一貫したメッセージを提示することが重要だ。安定したシナリオだけを信じていては、突発的な金融の衝撃には対応できない(ファイナンシャルニュース)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。