今年、日本を訪れた外国人観光客の数が、4000万人を超えると予想されています。予想というか、11月まで3900万人超えているので、確実でしょう。すでに2024年、3687万人で「外国人観光客がもっとも訪れる国」世界トップ10に進入した(世界9位、韓国免税ニュース10月22日の記事より)、観光大国・日本。率直に言って4000万人という数よりも、オーバーツーリズム対策や特定国家だけに頼らない多様化、一人あたりの消費額増加、そして観光満足度のさらなる上昇など、より質的な成長に向かってほしいところです。で、急に観光キャンペーンみたいな始まり方でしたが、この4000万人超え確実のニュース、韓国でどう報じられているのかちょっと興味があって、調べてみました。
なぜなら、ご存知、「大打撃」というキーワードだけが強調されているからです。特に日本の放送局がそういう趣旨のニュースを流したとのことで、韓国では昨日あたりからいっそうこの話が盛り上がっていました。でも、「実際は4000万人超えそうです」とか、「前年11月と比べても全体で大幅に増えてるし、中国人観光客も若干増えています」とかの情報が入っているこのデータ、果たして韓国メディアはどう報じるのか、と。どこをどう見ても、「観光業界全体で見ると、そこまでの影響はなかった」という結論になるはずですが・・そのような報じ方をしたのは、「韓国免税ニュース」というメディア(18日)だけでした。ほかのメディアは、そもそも報じているところがほとんどなく、あるとしても「中国人観光客増加が大幅に鈍化」としています。
中には「中国人観光客がいなくなった。まさかこれほどまでとは」と、わけわからない題にしているところもあります(ソウル経済、21日)。私の検索の仕方に問題があったかもしれませんし、午後になったらまた報じるところが出てくるかもしれませんが、もしそうだとしてもまた一瞬で蒸発して、明日からは大打撃ニュースばかりになるでしょう。そこで、データそのものよりも、「こういう現象」が面白くて、ついエントリーしたくなりました。「増加は鈍化しているが、むしろ中国人観光客の数は前年同月(11月)比で増加している」、「観光市場全体でみると、その影響は制限的だ」とデータを見ている韓国免税ニュースの、18日と10月22日(トップ10関連)記事、そして、それとは真逆の見方をしているソウル経済の記事も、合わせて<<~>>で引用してみます。この二つの記事が同じデータで書かれたわけですから、面白いものです。
<<・・17日、FNNは日本観光庁と日本政府観光局(JNTO)の集計を引用し、11月1か月間日本を訪れた外国人観光客は約351万8000人だと報道した。これは昨年同月より30万人以上増加した数値で、11月基準で最高値だ。11月は紅葉シーズンの終盤で、ヨーロッパや北米、オーストラリアなど西欧圏の国家を中心に需要が大きく増えたことが増加要因に挙げられる。フライト増便と円安も観光客の流入を支えたという評価だ。
中国人観光客数は11月基準で56万2600人と集計され、昨年の54万6339人よりもむしろ増加した。ただし増加幅は以前に比べて鈍化して、一部に影響は感知されるが、全体の観光市場に及ぼした影響は制限的だという分析が出ている。これにより、今年1~11月の累積外国人観光客数は約3907万人で、昨年の年間記録である3687万人を1カ月以上早く超えた(韓国免税ニュース)・・>>
<<・・「まさかこれほどまでとは・・あんなに多かった中国人観光客、本当に消えた(※題)」。高市早苗 日本首相の「台湾有事時介入」示唆発言による日本訪問中国人数の減少傾向が、統計的に確認された。18日日本政府観光局が発表した11月の日本訪問外国人統計によると、この期間に日本を訪れた中国人は56万2600人だった。昨年同月と比べると3.0%増加したが、10月日本を訪問した中国人数71万5700人に比べると15万人ほど減った。今年1~11月の日本訪問中国人増加率が前年比37.5%という点を考慮すれば増加率も急減したのだ・・・・日本経済新聞によると、比較的に中国依存度が強い関西地域を中心に。観光・百貨店業界の売上減少傾向が明らかになっている。特に中国観光客が多く訪れる関西(大阪・京都などに位置する本州中西部)地域は大きな影響を受けている(ソウル経済)・・>>
<<・・日本が2024年の1年間、外国人観光客3687万人を誘致し、世界で外国人が最も好んで訪れる国「トップ10」に進入したことが分かった。国連傘下の世界観光機構(UNWTO)の集計によると、国際観光客到着数で日本は世界9位を記録し、フランス、スペインなど伝統的な観光強国と肩を並べた。日本が誘致した観光客数3687万人は、前年比約47%増加した数値で、従来最高値だった2019年3188万人を大きく上回る記録だ・・(※フランスが1億200万人で1位、など)・・今年、日本を訪れる外国人観光客は年間4000万人突破が予想され、世界7位の英国(3900万人)を超える可能性がある(韓国免税ニュース、10月22日)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。