韓国メディア「サナエノミクスは、AI、半導体、防衛産業など戦略産業で韓国との正面衝突になる」

昨日~今日も、高市早苗首相関連の記事が増えました。主に支持率関連ですが、特に18~29歳の支持率が90%を超えていること、台湾や中国関連で日本国内の世論が高市首相を支持していること、などなどが特に話題です。この支持率を気にしてか、中国の官営メディアがまた「日本行航空便がキャンセルされている」と報道、それを韓国メディアが無数に引用報道するという流れが続いています。1月の航空便が40%キャンセルされたという内容ですが、KBSは「おそろしいやり方」などと報じています。そこまで言うほどのことでしょうか。どのみち、こういうのが「高い支持率」のカウンターになれるとはとても思えませんが。むしろ、支持率が上がるのでは。そんな中、マネートゥデイ(23日)に、ユニコーン経済経営研究院というシンクタンクの所長が寄稿する形で「サナエノミクス」関連の記事を載せました。支持率関連は昨日書いたので、今日はこちらにしてみます。

わざわざ引用はしませんが、22日、YTNが「基軸通貨国でもないのに何かを錯覚している」(韓国ではハードカレンシーも基軸通貨といいます)としながら、「これからの5年間、基軸通貨国以外で、韓国の政府債務増加率が1位になるだろう」というIMFの報告書を報じています。通貨スワップ関連もそうですが、この「基軸通貨を持つ国とは状況が異なる」という指摘は他にも結構出ていますが・・マネートゥデイの記事はそういう区別なしに「日本は政府債務が高いのに『積極的な財政』をしている」と指摘しながら、明らかに日銀の褒めるスタンスになっています。アベノミクスは~だったとか長い説明も書いてありますが省略して、「AI、半導体、防衛産業などで韓国の戦略産業と正面から衝突することになる」という部分だけ、以下、<<~>>で引用してみます。衝突もなにも、サプライチェーン関連で中国との関係をどうするのか、そこから考えたほうがいい気もしますが。




<<・・このような日本の「積極的な財政」と「国家主義的投資」は、大きく3つの観点(為替レート、産業競争、地政学)で韓国経済に影響を及ぼすと予想される。まずは「円安」の持続による輸出競争の深化だ。日本企業が円安を背負って海外市場で製品価格を下げれば、自動車・鉄鋼・機械など日本と競合する韓国の主力輸出品目が価格競争で不利になるしかない。2つ目は、戦略産業、半導体・AI・防衛産業で正面対決が避けられないということだ。高市首相は先端技術投資が国家安全保障と直結する、大規模な政府予算を投入している。特に自国内の半導体生産基盤、ラピダスなどを強化し、AIエコシステムを構築しようとしている。これは、グローバルサプライチェーンにおける韓国の地位においてリスク要因、または協力の範囲を制限する要因となり得る。

また、防衛費をGDP2%水準に増額し、防衛産業投資を拡大するにつれ、最近、K-防衛産業散で跳躍中の韓国とグローバル市場で競争が激しくなる見通しだ。3つ目は、金融市場の不確実性と同調化現象である。大規模な財政支出は、日本国債金利の上昇と円の価値急落という「諸刃の剣」だ。グローバル投資家は韓国ウォンを円の「プロキシ通貨(Proxy Currency)」として扱う傾向があり(※もはや中国人民元のプロキシ通貨になったという主張もあります)、日本経済の不確実性が大きくなると、ウォンの通貨価値も一緒に揺れる可能性がある。日本の金利政策の変化に応じて、「円キャリートレード(低金利の円を借りて海外に投資)」資金が急激に抜けだした場合、韓国金融市場の変動性も大きくなるしかない。




このような状況で先週、日本銀行は基準金利を0.5%から0.75%に引き上げた。30年ぶりに最高水準だ。サナエノミックスの緩和的基調の中でもこのような決定が下されたのは、日本経済がデフレから完全に抜け出したという自信と、物価高、円安の副作用をこれ以上放置できないという必要性が反映された結果だと見られる。大規模な財政支出で景気を浮揚するつもりだが、同時に総需要を増加させてインフレを刺激することになる。日本銀行は、これに起因するインフレ圧力を抑制し、金融政策の独立性を確保するために金利を引き上げた・・

・・日本銀行が基準金利を引き上げたにもかかわらず、懸念されていた反応とは異なり、グローバル金融市場は比較的穏やかな姿を見せている。2024年8月、日本の金利引き上げが全世界証券市場を暴落させたのとは対照的な状況だ。その主な理由は、すでに市場が十分に「織り込み済み(Priced-in)」したことだ。日銀総裁が今まで金利引き上げの可能性を示唆し、持続的に市場とコミュニケーションしてきたため、今回の金利引き上げは100%予見されていた。だから金利引き上げ発表はむしろ「問題が解消された」として受け入れられ、エンキャリートレード資金が一度に離脱するパニック清算は発生しなかった。

サナエノミックスは財政拡大という「アクセル」を踏んでおり、BOJは金利引き上げという「ブレーキ」を踏み始めた。日本が再跳躍できるか、より落ちるかはまだ判断できない。韓国の状況も日本とよく似ている。日本の変化を綿密に分析し、私たちもK-シンドロームの外形的成果を超えてサプライチェーンの再編と経済体質改善という根本的な宿題に集中しなければならない時だ(マネートゥデイ)・・>> 今日の更新はこれだけです。次の更新は明日(24日)11時頃になります。ところで、K-シンドロームってなんでしょうか。

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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