韓国メディアの希土類(レアアース)関連記事が「また」増えてきました。ただ、基本的には「うまくやろう」なだけの内容で、個人的に気になる案件はあまり話題にならないでいます。一つずつ取り上げるほどの分量でもないので、「気になる案件」だけまとめてエントリーしてみます。まず、政府(統一部)が北朝鮮とのレアアース交易を進めると発表しました。19日のエネルギー経済というメディアが記事にしている内容で、業務報告書などで確認できる内容だそうです。次は、ニューシース(23日)の記事で、日本の南鳥島周辺深海レアアース採掘関連です。そろそろ南鳥島周辺での深海レアアースの試掘が始まりますが、意外なほど、韓国ではあまり報じられていません。話題にしたくないのか、それともうまくいかないと思っているのか。
また、韓国メディアは「中国が日本に対してレアアース輸出を制限する、もうしている」、そんなことを大いに期待していて、実際に複数の記事を出しました。しかし、ニュース1(22日)などの報道によると、磁石の場合、中国の対日輸出量はむしろ34.7%も増えた(企業が急いで購入しておいたこともある)、とのことです。部分的なデータではありますが、いまのところそこまで大きな動きは見られていません。この点、前回の米中首脳会談で各国へのレアアース輸出制限が議題になったと言われており、また、日米を中心に形になっている「レアアースのサプライチェーン構築」を加速させる可能性もあります。
そんな理由で、一部の専門家たちは、「日本に対してまたレアアース制限をかけるのは、逆に中国にとって負担が大きくなるだけだ」という指摘がありました。中には「むしろ中国は『出口戦略』になやんでいるのではないか」という話もありました。さて、あくまで「いまのところは」ですが、そこまで大きな動きは見られないでいる、といっていいかもしれません。それでは、各紙から、該当部分だけ引用してみます。<<~>>で引用してみます。
<<・・先月、中国が日本に輸出した希土類磁石量が前月比34.7%増加し、今年に入って最大規模を記録したことが分かった。22日、日本のTBSニュースによると、中国税関総署は11月に日本に輸出された希土類磁石が約304トンで、10月の226トンで34.7%増え、今年最大値を記録したと明らかにした。希土類磁石は電気自動車や家電製品など多様な産業分野に使用され、日本はほとんどを中国の輸入に依存している。11月、中国の全体希土類磁石輸出量は12.4%増加した6149トンと集計された。一方、米国への輸出は前月比11.3%減少した・・・・一部から希土類輸出制限の可能性まで予想されていたが、まだ現実化していない(ニュース1)・・>>
<<・・統一部が、大統領業務報告にて、北朝鮮の希土類など鉱物を輸入する案を推進すると明らかにした。2011年、李明博政権だった時にも、北朝鮮の希土類輸入が推進され、当時はサンプルまで測定したことがある。ただし、南北韓関係及び国際社会の対北経済制裁が進んで、越えなければならない難関が多いという指摘が出ている。19日、統一部の大統領業務報告で鄭東泳の長官は、「互恵的、多者的、画期的協力構想を通じて、南北交渉協力を再開する」とし、その一方で北朝鮮との鉱物貿易を提示した。鄭長官は「『新平和貿易システム構築』のために、北が持っている鉱物と希土類を(韓国に)輸出し、(韓国は)代金をエスクロー(ESCROW)資金中継口座に入れれば、国際社会がブロックチェーンを通じて透明に検証するようにするだろう」とし「これを通じて、国際社会が見守る中、北朝鮮は彼らが必要とする保健医療物資を輸入できる、そのようなシステムを推進する」と話した(エネルギー経済)・・>>
<<・・日本政府が小笠原制度南鳥島に希土類を含む泥の処理施設を2027年まで設置する方針だと、23日に日本経済新聞(日経)が報道した。新聞は日本内閣が「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環としてこのように推進すると伝えた。日本政府は自国産希土類確保が経済安全保障の観点からも重要だと報告開発を急いでいる。希土類は電気自動車など産業に必須だが、世界生産量の約70%を中国が占めているからだ。政府は水深約6000m海底で希土類を採掘する実証試験を2027年から始める計画だ。実証試験のために大量に泥を処理できる体制をあらかじめ用意する方針だ。このとき処理施設が活用される。南鳥島沖の泥には希土類が豊富に含まれていることが分かった。特に電気自動車モータ用磁石に使用されるジスプロシウムなどが含まれている。南鳥島沖の泥では、放射性物質を含む有害物質がほとんど検出されず、加工しやすいという利点もある(ニューシース)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。