さて、李在明大統領が国賓訪中中ですが、ちょうどベネズエラの件が重なり、個人的には「すごいタイミングで訪中したものだな」と思っています。ベネズエラを訪問していた中国外交部の人たちほどではありませんが(笑)。関税もそうですが、「やり方」についてはいろいろ議論されることもあるだろうし、多分、米国もそんなことは知っているでしょう。ただ一つ、これが米国とベネズエラ「だけ」の問題ではないということ、これだけは間違いありません。実際、ルビオ長官は「米国は石油が必要なわけではない。問題なのは、ベネズエラの石油が米国の敵対勢力によってコントロールされていることだ」と話しましたし・・今回の件は、「陣営」の話であります。韓国メディアは、高市早苗首相の台湾関連発言以降、「米国は中国との摩擦を望んでいない」「実はトランプ大統領は台湾問題に興味がない」という記事を無数に量産してきました。しかし、台湾関連の法改正、武器輸出などにおいて、米国のスタンスは変わっていませんし、台湾関連だけが米中問題の全てではありません。
韓国メディアは、今回の件を「確かに中国も関わっているけど、台湾とか李大統領の訪中とは関係ない話」としています。あくまで米国とベネズエラの問題で、中国にとっては「体面の問題(引用はしませんがSBS、原文ママ)」にはなっているけど、別に米中対立ではないし、だから李大統領も台湾問題も関係ない、と。そんなスタンスです。ソウル新聞(5日)の記事を引用しますが、李大統領訪中の影響や、台湾問題についての言及はありません。あるにはありますが・・これは日本もそうですし米国でも同じ主張が出ていますが、「中国に、台湾侵攻の名分を与えた」という内容ならあります。しかし、個人的に、その逆ではないだろうか、と思っています。それをいうなら、今回の件より、ロシアによるウクライナ事態のほうが近いでしょう。以下、<<~>>で引用します。
<<・・一部では、事実上、中国を牽制するための歩みという解釈も出ている。専門家たちは今回の作戦の最大の動機として石油を挙げる。実際、トランプ大統領は「私たち(米国)がもともと持って来なければならない石油を取り戻した」と明らかにした。これは1970年代の石油国有化と2007年のウゴ・チャベス政権の米国企業資産の没収に対するものだと解釈される。重要な事実は、ベネズエラの石油の80%が中国に輸出されるという事実である。石油埋蔵量世界1位の国家でありOPEC加盟国であるベネズエラは、今回の作戦約2ヶ月前の2025年11月基準で1日約92万1000バレルの石油を輸出した。このうち80%の約74万6000バレルが中国に向かった。中国は、ベネズエラからの石油だけを加工する「専用施設」まで備え、ベネズエラ原油を積極的に利用してきた。
もし中国がベネズエラの石油輸入に問題を経験した場合、中国は「専用施設」の稼働率の低下だけでなく、より高価な代替原油を調達しなければならない費用とリスクを負わなければならない・・・・結局、米国がマドゥロ政権を追い出してベネズエラの石油を占めた現実は、中国の「エネルギー問題」を締め付ける効果をもたらすことができ、さらにより効率的な米国の対中圧迫を期待できるようになった。トランプ大統領がマドゥロ大統領政権の追放を通じて習近平中国国家主席の足を引っ張ったという評価が出る背景だ・・・・これは、米国の今回の作戦で鍵を握っていると評価されるマルコ・ルビオ国務長官の口を通しても確認できる。ルビオ長官は米国のマドゥロ逮捕作戦以後、現地メディアに「私たち(アメリカ)はベネズエラの石油が必要ではない。米国には石油が豊富だ」、「私たちが容認できないのはベネズエラ石油産業が、米国の敵対勢力によって統制されていることだ」とした。
続いて「私たちは中国、ロシア、イランが、なぜベネズエラの石油を必要とするのか、彼らは同じ大陸でもないのに、そういう点を理解しなければならない」と強調した。ルビオ長官が言及した「米国の敵対勢力」は、対米連合を形成している中国とロシア、イランなどであり、結果的に米国がベネズエラ石油に注目した根本的な原因は、こうした動きに対する抑制力を育てるためだと分析される。ただし、中国は米国の今回の作戦を通じて台湾侵攻の名分を得ることができるという点で、当分の間、状況を鋭意注視する可能性がある(※言いきることはできませんが、先も書いた通り、私は『その逆の効果』のほうが強いだろうと思っています。本件、結果的に『抑止力の増大』になるのではないか、と)。
米国軍事作戦によって中国とロシアの紛争を抑制してきたいくつかの国際的規範が力を失う可能性がある。米国が自衛権行事から抜け出してベネズエラを空襲したので、中国も同様の論理で台湾空襲の名分を見つけることができるという意味だ。これに一部の専門家たちは今回の最も明らかな結果は、中国が台湾侵攻の機会をつかむという点だと言っている(ソウル新聞)・・>> 高市首相も言っていましたが(SNSで)、一刻も早くベネズエラで民主的な選挙が行われ、民主主義が回復することを願います。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。