昨日、ついに中国が日本に対してレアアースの輸出規制を行ったという報道がありました。詳しくは「軍事用に利用されるかもしれない」ものに対して輸出を厳格に制限するというものですが、レアアースも含まれるので、事実上のレアアース規制だと見ていいでしょう。ただ、日本側の報道は落ち着いていて、「そんな可能性もある」と、とりあえず影響を見守ってみようという論調の記事が多い・・気がします。前からレアアース関連措置についての予想は出ていましたが、中国側としても受けるダメージがあるので、そう簡単には踏み込めないだろうという見解も結構出ていました。米中首脳会談でレアアース関連措置が議題になったばかりだし、明らかに可視化されている「各国のレアアース脱中国」協力を加速させることになる、などです。
今回の措置は、まだどういう「実際の影響力」が出るかはわかりませんが、中国としてもそう思わしいものではない、という意味です。にもかかわらず、このような決定をしたのは、「日本が思ったように動いてくれないから」でしょう。他に理由がありません。また、ソース記事の中央日報(6日)も指摘していますが、わざわざ李在明大統領が訪中している間に発表したのも、気になるところです。昨日遅い時間帯の共同通信の記事によると、「中国国営英字紙チャイナ・デーリーは6日、関係者の話として、中国政府が特定のレアアース(希土類)関連品目の日本に対する輸出許可に関する審査の厳格化を検討していると報じた」、とのことでして。まだどれだけの範囲、どれだけの強度なのかは見えてきませんが、正念場になってきた、とも言えます。さらなる日本の、そして自由民主主義陣営の「チャイナリスクの再認識」、「脱中国サプライチェーン構築」の動きに綱がることを願います。
ちなみに、韓国ではほぼ全てのメディアが大騒ぎです。多分、日本よりもずっと多くの記事が出ています(笑)。記事のコメント欄には「やはり選挙は大事だ」「指導者一人の差でこれだけ変わる」など、李大統領を褒め称える内容のコメントも結構あります(逆のものもありますが)。こういう認識こそが、中国側が「わざわざ」李在明大統領の訪中中に発表した理由かもしれません。それでは、以下、中央日報の記事を引用してみます。
<<・・6日、李在明大統領が中国を国賓訪問している中、中国が日本に向けて高強度輸出制裁を発表した。希土類を含め、軍事用途に使用できる「二重用途物資」の日本輸出を全面禁止するという内容だ。高市早苗 日本首相の台湾有事時の介入時事発言が出てから2ヶ月ぶりのことで、両国の葛藤が技術統制、通常分野まで広がる模様だ。中国商務省はこの日、ホームページを通じて「すべての二重用途(民・軍両用)物資の日本軍事使用者、軍事用途、日本軍事力向上に役立つその他の最終使用者・用途に対する輸出を禁止する」と発表した。日本に対する二重用途物資の輸出中断は、発表と同時に効力が発揮される。商務省は、輸出の中断に加え、今回の措置に違反した場合、どの国や組織、個人も法的責任を問うことができるという「セカンダリーボイコット」条項も適用すると明らかにした。事実上第三国を通じた輸出も禁止するということだ。
中国商務省の発表文には、関連輸出禁止品目が具体的に取り上げられていないが、希土類及び関連技術が中国で二重用途品目に縛られているという点で、今回の措置は事実上の「希土類統制」と解釈される。希土類は半導体やバッテリーはもちろん、軍需機器製造などにも広く使われている核心素材だ。台湾中央通信報道によると、中国の「2026年輸出入許可管理対象二重用途品目及び技術リスト」には、希土類、化学物質、ドローン、通信装備、合金、原子力などの素材、装備、技術など1005種類以上が含まれている・・
・・一部では今回の二重物資輸出制限発表の時点が妙だという反応も出ている。国賓として中国を訪問した李大統領と習近平中国国家主席との首脳会談直後、中国が同時多発的に日本に対する反撃を出しているためだ。実際にこの日、中国外交部スポークスマンは商務省発表とは別に日本政府を批判した・・・・日本メディアは、李大統領が習主席とシャオミのスマートフォンで「自撮り」を撮った事実などを速報で伝え、関心を表わすと同時に、日中葛藤の中、「中国が日韓の間の離間をねらっている(読売新聞)」と警戒感も表した(中央日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。