同じ方向性だった文在寅政権まで含めると、いままで何度も「仲裁」「仲介」「バランス」などを主張してきた韓国政府が、今回の日中対立については「私たちに出来ることは何もない」とし、かかわらないことを明らかにしました。「日本も中国と同じくらい重要な国」とも話しましたが、これは今月、日本を訪問するからでしょう。ソース記事の東亜日報(8日)は、これを「どちらかの味方をしないという意味」と話しましたが、すでに中国の味方になっていることは明らかです。前にも、「中国のいう『中立』とは、他の国がなにもできないように圧力をかけることでしかない」という旨の外国専門家の言葉を紹介しましたが、まさにそのパターン、「中国から見ての中立」のことではないでしょうか。
この反応は、予定通りといえばそれだけですが、日韓首脳会談の後に何をいうのか、共同声明はあるのか、そんなところが気になります。他に、野党「国民の力」の国会議員が、今回の国賓訪中において李大統領の発言をいくつか指摘しました。特に、中国が黄海(韓国では西海とも言います)の構造物について、「養殖場」(安保的に問題のあるものではない)「すこし、こっち側にきただけ」と話した・・とのことでして。こちらはマネートゥデイ(8日)です。また、中韓の貿易収支が逆転したこと(伝統的に韓国が中国に対して黒字だったのに、もう中国が黒字を出す構造になりました)についても、「韓国民の、中国に対する情緒の問題(中国製品を買わないことにしているという趣旨)」というふうに話しました。
引用部分にはありませんが、北朝鮮関連で話がまったく出てこなかったのは、ちょっと意外でした。台湾メディアは、北朝鮮との会談に中国が協力するかわりに、相応の条件を出している、とも報道していますが(4要4答)。北朝鮮関連は、訪中前には「当然、議題になる」という雰囲気でしたが。ちなみに、黄海関連は、去年12月10日に本ブログでも取り上げたことがありますので、初耳だという方は、そちらをお読みください。中国側が設置した海上構造物のことですが、協定では違法となり、どうみても安保問題ですが、韓国政府はなにも言わず、その座標などを米国側に知らせないでいます。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・李在明大統領が日本に対する中国の輸出統制措置と関連して「今は私たちができることが非常に制限的に見える」とし、日中葛藤仲裁に距離を置いた。今月中旬、日本訪問を控えている李大統領は「私たちは日本との関係も中国との関係ほど重要だ」ともした。中国上海を訪問中の李大統領は7日、現地記者懇談会で「日中葛藤を仲裁する意思があるか」という取材陣の質問に、「大人が、実際の理由があって争っているときに、横から割り込めば、両側から文句を言われることになる」と答えた。それとともに「私たちの役割が必要で、実効的で意味があるときにはその役割を果たすが、今は私たちができることが非常に制限的に見える」とし「出るべきときに出るべきであり、そうでないときに前に出れば、あまり役に立たないかもしれない」と話した。中国は前日、高市早苗日本首相の「台湾有事時介入」発言を理由に希土類を含む二重用途物資の日本輸出を全面禁止した。
李大統領は「今問題になる(中国の)輸出統制は非常に複雑で根が深い」とし「いったん、円満かつ迅速に解決されることを願う」と話した。李大統領は中国の輸出統制が韓国に及ぼす影響については「短期的に見れば、私たちの加工輸出に関連があるかもしれないし、長期的にどんな影響を及ぼすかも速断するのは難しい」とし「ひとまず状況を注視しながら、私たちがどんな状況に直面するかを綿密に点検する段階で・・・・李大統領は韓日関係については「私たちに、日本との関係も、中国との関係ほど重要だ」とし、日韓対立局面でどちらかの肩を持たないという意見を示した。7日、国賓の訪中日程を終えて帰国する李大統領は今月中旬、高市首相の故郷である奈良県を訪問し、日韓首脳会談を行う予定だ(東亜日報)・・>>
<<・・張東赫「国民の力」代表が、中国を国賓訪問して帰ってきた李在明大統領に向けて「大韓民国大統領ではなく火星人のような」と批判した。張代表は8日午前、ソウル汝矣島国会で開かれた最高委員会で「中国に行った李大統領は、クーパンハッキング事態(※韓国で営業していたクーパンという大手オンラインショッピングサイトで、ほぼ全国民規模の情報流出が起きています。中国人の元職員によるものだとされています)について聞く記者の質問に、『で、どうしようというんですか』と答えた」、と述べた。張代表は「韓国国民3700万人の個人情報が中国に渡ったのに、一言も言えず、対中貿易収支が赤字になったことについても、国民感情によるもの、韓国国民のせいだと言った」と話した。一方、「中国の不法西海構造物については『魚の養殖場だそうです。ちょっと(※韓国側の海域に)越えてきただけ』と、中国の立場を先頭に立って代弁した」とし「中国に西海を捧げるという意味だ」とした・・・・また「李大統領は思ったより進展が多かったというが、私たちの立場での進展ではなく、中国の立場での進展だ」とし『私たち側に立て』という警告だけが残った」と話した(マネートゥデイ)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。