李在明政権になってから、再生エネルギーなどを優先し、原発エネルギーは「必要なときにサブで使う」という政策を進めています。去年12月8日にもお伝えしましたが、公式に原発によるエネルギーを「柔軟性電源として利用」するとしています。同日の朝鮮BIZなどが報じていますが、これは再生エネルギーをメインで使い、もし足りない部分があれば(再生エネルギーの場合、得られる電力の予想が難しいので)原発エネルギーも使う、すなわち補助的に使う、という意味です。ちなみに、そのための設備のほとんどは中国からの輸入となります。いわゆつエネルギー安保に関わる事案だとも言えます。李在明大統領は、大統領選挙のときから「朝鮮半島をUの字の形でめぐる大規模再生エネルギー発電・送電ネットワーク」と作るとも言っていましたし、半導体団地関連で大規模プロジェクトを進めるといいつつも、電力関連をどうするのかについては具体的に言及していません。そんなところ、ですが・・
いわゆる「コククジラ」と呼ばれる、大規模海上風力エネルギープロジェクトがあります。李在明政権で始めたものではありませんが、数年前から始まっていました。日本海の方(韓国の東の方)にある都市「蔚山」を拠点とし、円にして約1兆2千億円規模の大規模海上風力エネルギーインフラを構築する、というものでした。2021年に事業者が公式に決まったそうで、商業運用は2030年を目指していた、とのことですが・・いままで約100億円を使っていろいろ調べましたが、事業性の問題で、結局、清算されることになりました。特殊目的会社(SPC)である事業者「バダ(海)エネルギー」が発電事業許可そのものを政府に返すということで、蔚山毎日UTVというローカルメディアが報じています。これ、韓国では(大規模のものとしては)初めてとなる海上風力エネルギーインフラ計画でした。李政権で進めている政策も、海上風力などになると言われていました。
そういう形のエネルギー(海上風力だけではありませんが)でメインの電力を確保し、それで半導体団地の電力問題もなんとかなる、というのが一般的な見解でしたが・・そういう意味では、このコククジラの結果は尹錫悦政権から言っていた「超大規模半導体団地」計画とも結構重要な話しだと思われます。しかし、いまのところ、ローカル以外ではほとんど話題になっていません。以下、<<~>>で引用してみます。クジラといえば・・「大王クジラプロジェクト」は言わないことにします。
<<・・蔚山の遠海に12兆ウォンを投資し、原子力発電所1基と同じくらいの電力を生み出す浮遊式海上風力発電団地を造成しようとした「海エネルギー」が、結局、事業「清算」の手続きに着手した。これまで、少なくとも1,000億ウォンを投資したが、全額を埋没費用処理したまま事業から完全に手を離すということである。国内の浮遊式海上風力発電(※記事内でも言及されていますが、ここ以外にもいくつかあります)の不確実性をめぐる影響が、なかなか大きい。14日、本紙取材を総合すれば、海エネルギーは昨年末に蔚山排他的経済水域(EEZ)に推進してきた「コククジラ・プロジェクト」から撤収することに決めた。売るのではなく、政府に「発電事業者」許可そのものを返却する手順を踏む、という内容だ。
コククジラプロジェクトは蔚山港の東60kmの海上に、約12兆ウォンを投資し、1.5GW規模の浮遊式海上風力発電団地を建設する事業だ。そもそも、事業目標は2030年に商業運転を開始することだったが、もうコククジラ・プロジェクト推進のために設立された特殊目的法人(SPC)である海エネルギーを清算することが目標になった。 SPCの清算に要する複雑で、何重もの手数のかかる手続きを考えると、発電事業者の許可返却時期は今年下半期になると見込まれる。現在、海エネルギーは浮遊式である「コククジラ」プロジェクトだけではなく、固定式の全羅南道「メンゴル島」(600メガワット)、「巨文島」(500メガワット)プロジェクトも共に推進中だ。
メンゴル島プロジェクトは清算ではなく売却手続きが進行中であると伝えられる。巨文島プロジェクトは風向計の計測(ライダー)設置を除いて進捗したものがなにもなく、別途清算または売却手続きなしに、事業そのものを中断することにした、という伝言である。海エネルギーがコククジラ・プロジェクトを清算することに決めたのは、不確実性による事業性不足問題が最も大きかった。プロジェクトの収益率が、少なくとも7~8%にはなると思われていたが、現在では経済性を数値に換算できないほど不確実性が深刻だと判断した、という。実際、事業初期には約9兆ウォンで計画していたコククジラプロジェクトの投資規模も、新型コロナとウクライナ事態など相次いで経験しながらグローバル・インフレ現象が深化し、最低12兆ウォンとなった(蔚山毎日UTV)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。