20日にお伝えした、黄海(韓国では西海とも言います)上空で行われた、米中戦闘機の対峙問題について、いろいろと記事が出ています。その中でも特に気になるのは、朝鮮日報(21日)の記事で、韓国政府は例の対峙について米国側(在韓米軍)に抗議した、ということです。また、米国側が提案した日米韓共同の空中演習に、韓国政府は応じなかった、とも。国防部はこの件を「事実と異なる」としています。朝鮮日報の記事に書かれている内容を読んでみると、不自然なところは無い気もしますが・・さすがに軍事作戦関連だけあって、詳しくどうなのか(本当に事実と異なるのかどうか)がこれ以上詳しく記事になるのは難しいかもしれません。
この演習は、例の「黄海での対峙」とは別のものです。黄海で米中戦闘機が対峙したことで、在韓米軍だけの作戦でした。ただ、記事によると、18日の日米共同演習と「繋がっている」部分があり、その演習に参加したB-52を護衛するために戦闘機が出撃した、となっています。この日付(タイミング)もちょっと気になる部分があります。日米が(韓国は参加せず)演習したのは16日と18日。在韓米軍の戦闘機が中国機と対峙したのも、18日です。本当に在韓米軍が「事前に内容が韓国政府に通達されていない」なら、韓国政府に対する、ある種の不満のメッセージだった・・と言えるかもしれません。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・米国が提案した日米韓連合空中訓練に韓国政府が応じず、日米両国だけが16日と18日、日本海と東シナ海で連合訓練を行ったことが20日、知られた。米国の代表的戦略資産B-52戦略爆撃機4機がここに参加した。在韓米軍も18~19日、黄海上で別途訓練を行った。在韓米軍のF-16戦闘機数十台が2日間100回以上出撃し、前例のない大規模訓練という評価が出ている。日本列島で台湾とフィリピンを結ぶ防御船である「第1島鎖線」の中で、米国の戦略資産と日本自衛隊、在韓米軍戦闘機が事実上同時に展開されたのも異例のことだ。トランプ米行政府は昨年12月に発表した「国家安保戦略(NSS)」で第1導連線での中国牽制を強調した。
駐韓米軍の訓練形式を取ってはいるものの、日米連合訓練に参加したB-52が黄海に入った当日に始まった理由は、B-52を護衛しようとする目的もあったと解釈される。中国軍が米軍の訓練に対応して自国戦闘機を出撃させ、18日に黄海では米中戦闘機が対峙することもあった。米国の日米韓連合訓練提案に応じなかった韓国軍は、米中対峙状況が発生すると、米国に抗議した。安圭伯 国防部長官と、ジンヨンスン合参議長がそれぞれジェイビー・ブランソン駐韓米軍司令官に電話して抗議の意を伝えた、ということだ。在韓米軍の役割を「対北朝鮮抑止」から「対中牽制」に変更しようとする米国の構想と、米中対立に関与しようとしない韓国政府の間の異見が水面上に上がってきたものだという言葉も出ている・・
・・20日、本紙の取材を総合すれば、韓国軍当局も米国からこの練習に参加してほしいという要請を受けたという。韓国軍はこれに応じず、練習は日米韓3国連合訓練から日米連合訓練に変更された。米中戦闘機の対立状況が発生すると、韓国側は米国に抗議の意を示した。駐韓米軍は昨年、群山基地に配置されたF-16をオサン基地に移転し、F-16、60余機で構成された飛行隊を2つ編成した。当時から「中国牽制用」という観測があったが、このような訓練で、それが明らかになり、韓国政府が負担を感じたと解釈できる。
先月、訪韓したエルブリッジ・コルビー米戦争省(国防省)政策担当次官は、「インド・太平洋地域で米国の国防戦略は第1島鎖線で「拒否的抑止(deterrence by denial)」をすることに重点を置いている」として、在韓米軍も役割を果たすことを予告した。反面、李在明大統領は先月新年記者会見で、米国の関税リスクと関連しては「戦略的自律性」を強調し、「(同盟に)関与しすぎるのも、何もしないのもあってはならない」と話した。
韓国政府が北朝鮮との対話雰囲気を作るために、米韓連合訓練縮小を望んでいるのも、葛藤の要因になる可能性がある。13日、李在明大統領による安保関連の長官会議で、南北緊張緩和案の一つとして、9・19南北軍事合意の復元と、訓練の調整が取り上げられた後、軍当局は米国側とこの問題を議論している。韓国政府の構想通り、訓練に調整がなされた場合、3月中旬予定だった米韓連合「自由の盾」訓練と連携した野外機動訓練と実射撃訓練が、大幅に縮小すると見込まれる・・・・国防部は21日、本紙報道が出た後、「政府が応じなかったというのは事実ではない」とした。米国が日米韓訓練を提案し、韓国側で日程調整を要請したが、米国がこれを受け入れなかったということだ(朝鮮日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。