文在寅政権だった頃、「北斗三権は無敵だ」モードを貫きながら法治国家を演じてきた韓国ですが、案の定、それからの動きは、明らかに自陣営の政治的目的のための「法の武器化」でした。今回も同じ流れが強まっているので、取り上げてみます。まず、内乱・外患とされた大統領(尹錫悦大統領のことですね)は、赦免できないようにするという法律が動いています。こちらは毎日経済(22日)などが報じています。もう一つは、SBS(23日)などが報じていますが、李在明大統領の公訴を取り消すための「議員の会」が結成されました。
与党だけで60人以上の国会議員が名前を挙げている、とのことです。これは法律というわけではありませんが、事実上の裁判関連過程への介入ではないだろうか、と。、国政調査(国会が法律の制定や行政などを監視するために行う調査活動のこと)まで要求しているということなので、事実上の強制力だと見ていいでしょう。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・尹錫悦 前大統領が、内乱主導容疑事件1審で、無期懲役を宣告されました。そのことで、共に民主党が推進中の、いわゆる「内乱赦免禁止法」立法のための議論が急に盛り上がっています。国会法制司法委員会は、関連する赦免法改正案を法案審査所委員会に想定し、本格的な審査に着手した。22日、政治関連情報筋たちによると、共に民主党は尹前大統領の内乱容疑の事件1審裁判が宣告された後、内乱と外患には赦免を禁止する赦免法改正処理に速度を出すという方針を明らかにした。鄭清来 共に民主党代表は20日、国会最高委員会議で「内乱には赦免を制限する赦免禁止法も迅速に通過させる」と立法推進に関する意志を表わした。
国会法制司法委員会与党幹事であるキム・ヨンミン議員も、宣告の直後、フェイスブックを通じて「内乱なのに複数の事由で寛大に無期懲役になった。急いで控訴すべきだ。国会も赦免改正法を直ちに通過させる」と書いた・・・・これに先立ち、与党圏(※与党と、与党と同じ路線の野党)では内乱以後、内乱・外為・反乱の場合、赦免・減刑・保釈対象から除外する内容の赦免法改正案を多数発議してきた。しかし、一部で大統領の固有権限である赦免権を法律で制限することが憲法上権力分立原則に違反する可能性があるという指摘が提起され、法司委で漂流中だった。
最高裁判所所属の裁判所行政処は、内乱が確定した場合、赦免と減刑を制限する方案について、「基本的に立法政策的に決定する事項」としながらも、「地位などによる区分なく一律に一般・特別赦免などを禁止することは、国会の立法裁量の限界を超え、平等権に問題を起こすなど違憲性が問題になる可能性もあり、さらなる検討が必要だ」と指摘したことがある。
曺国 祖国革新党代表は宣告直後、自身のユーチューブチャンネルを通じて「今、内乱に対する赦免を禁止したり、国会の同意を得る場合にのみ可能になる形で制限する、赦免法改正が必要だ」と話した。正義党は20日、共に民主党側の議員とともに記者会見を開き、赦免法改正案の迅速な審査・議決を促しながら、国民同意請願を推進するという計画を明らかにした。クォン・ヨングク正義党代表は「内乱や外患など重大な憲政秩序に関する問題には、政治的赦免を繰り返すべきではない」とし「今回の請願は、憲政秩序のための国家の原則を明らかにしようという制度的要求だ」と説明した(毎日経済)・・>>
<<・・共に民主党院内会である「李在明大統領事件公訴取消と国政調査推進のための議員会」が本日(23日)本格的な活動を開始しました。取消会議は本日、国会で決議大会を兼ねた発足式を行いました。会議参加者105人のうち、今日のイベントには60人余りの議員がいました。彼らは決議文を通じて「公訴の取り消しと国政調査が、司法正義の実現と憲政秩序回復のための時代的な課題である」とし「検察権の乱用が繰り返されないように検察改革を含む制度改革を果たす」と明らかにしました。会議の常任代表である朴成俊 議員は、国賓訪韓したルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ ブラジル大統領を取り上げ、「ルーラ大統領はブラジル政治検察と連邦高等裁判所によって580日間投獄された」とし「ただし、連邦最高裁判所は、裁判所の違法性を指摘し判決を無効にした」と強調しました。共同代表のキム・スンウォン議員は「李大統領とルーラ大統領の出会いは、民主主義の守護がどれほど重要なのかを宣言する日になるだろう」と述べました(SBS)・・>>。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。