イラン事態が話題になっている今日この頃、できれば早く終わってほしいと願っているところですが・・珍しく、韓国メディアで「中国のエネルギー同盟」について書いた記事があったので紹介します。韓国ではなにかあればすぐ「同盟」という単語を使いますので、協力関係とかそういう意味かもしれませんが、中国がベネズエラ、イランなどにエネルギーを依存していたのは事実です。イラン制裁回避、人民元決済などの問題もあって、今回、イラン事態が始まるとすぐに「石油が問題ではなく、石油の『行き先』が問題」という指摘は出ていました。日本のネットでも同じ主張はかなりの数が出ていました。韓国の場合、(短く触れる程度の記事はありますが)1日まではこの件にあまり触れていませんでしたが、昨日あたりからそこそこ記事が出るようになって、今回のJTBC、チャンネルAの報道(2日)もその一つです。これは中国にとって、米中競争において四面楚歌になったことを意味する、とも。
つい数日前までも、無数の韓国メディアが「米国は中国と仲良くしようとしている」という前提で、トランプ大統領は台湾を支持しないとか、高市総理の関連発言も支持していないとか、そんな記事を当たり前のように載せていました。それは、「だから、私たちはあえて米中関係を気にする必要はない」という結論のための展開でしたが・・今回のイラン事態以降、そんな内容の記事が一気に消えたのは、やはり「これが中国に関することでもある」という点は多くの人が認識している、といったところでしょうか。また、ニューシースが中国外交部スポークスマンの言葉を引用して報じていますが、今回のイランへの攻撃について、中国への事前通告は「無かった」とのことです。「通知無かった」というフレーズ、最近よく聞きますね(笑)。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・中国はハメネイ師が亡くなる14時間後になってようやく立場を発表しました。中国にとっては、ベネズエラに続きイランまで、いわゆる「エネルギー同盟」が相次いで崩れた状況になります。米・中の覇権競争で、四面楚歌に追い込まれた形です・・・・(※決して容認できない、などなどと)今回の事態を強く批判しました。「主権尊重」と「即時の軍事行動の中断」という国際法的な名分を前面に掲げました。【マオニング/中国外交部スポークスマン:米国とイスラエルは、安保理の承認なしにイランに軍事攻撃を敢行して国際法に違反し、戦争が周辺国に拡散することに懸念を表します」】・・・・批判の声を強く上げているものの、中国の内部は戸惑っているとしか思えません。14時間も沈黙を守り、やっと声明を出したことが、これを裏付けています。
イランの崩壊は、中国のエネルギー安保リスクと繋がっていますが、米中首脳会談を控えているだけに、批判の水位をこれ以上高めることができないという判断が作用したものと解釈されます。ドナルド・トランプ大統領の訪中が一ヶ月も残っていない状況で米国とこれ以上対立することもできず、中国は身動きの幅が大幅に狭くなっているとしか言えません・・・・イラン産原油の需給が詰まった中国は、ロシアへの依存度が大きくなるという分析も出てきます。西側の支持と懸念が交錯する中、国連は今回の事態が統制不能の連鎖反応を起こす可能性があると警告し、即時の中断を促しました(JTBC)・・>>
<<・・米国とイスラエルのイラン攻撃と関連して、中国政府は米国側の事前通知はなかったと明らかにした。マオニング中国外交部スポークスマンは2日の定例ブリーフィングで米国が今回の事態の前、作戦中など、中国と接触があったかどうかを尋ねる質問に、「私が申し上げることができるのは、米国の軍事行動に関して中国は事前に通知を受けていないということだ」と話した。また、今回の作戦により、当初、今月末に中国を訪問することにしたドナルド・トランプ米大統領の防中日程に支障が生じているかどうかについては、詳しくは言及しなかった。トランプ大統領の訪中が実現できるかどうかを尋ねる質問に担当者は「米中は両国首脳の相互活動に対して疎通を維持している」としながらも、「具体的な質問については現在私が提供できる情報がない」と線を引いた(ニューシース)・・>>
<<・・米国に対して最も厳しく反応したのは、中国です。米国を牽制する目的もあるが、イランから安く取り入れてきた原油供給が直撃をくらったからです・・・・(※中国政府や)管営メディアも強く批判しました。官営還球時報は「イランが米国にだまされた」とし「国際社会の退行に反対しなければならない」と主張しました。新華通信も「国が強くても戦争を頻繁に起こせば危うくなる」と指摘しました。中国がここまでの反応を示す理由は、イラン産の原油の輸入に問題が起こる可能性があるためだ、という分析が出てきます。中国は原油輸入量の4.5%をベネズエラから持ち込んでいましたが、今年初め米国のマドゥロ政権の追放で、事実上、中断されました。今回のイラン事態で、輸入量の13.4%に達するイラン産原油輸入さえも、支障が避けられなくなったのです。米国が相次いで中国の安価な原油供給通路を遮断したことで、中国経済に打撃を与えているという分析が出てきます(チャンネルA)・・>> 今日の更新はこれだけです。次の更新は、明日(4日)の11時頃になります。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。